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4月からミッキーマウスの“顔”が変わる? ディズニーシー新ショーの写真にファン激震

ミッキーはミッキー。でも顔が変わるってどういうこと?

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 東京ディズニーリゾートの公式ブログやSNSで4月4日から始まる新イベントの写真が公開され、ディズニーパークのファンを中心に“あること”が大きな話題になっています。それは、写真に写るミッキーマウスとミニーマウスの「顔」の違い。一体どういうことなのでしょうか?


このミッキーとミニー、実は「新しい顔」なんです(C)Disney

 2月28日にブログに公開されたのは、東京ディズニーシーで行われる春の新ショー「Tip-Topイースター」の衣装を身にまとったミッキーマウスとミニーマウス。春らしい明るいカラーと、イースターのうさぎや卵のモチーフがかわいらしい衣装をまとっています。

 ここで「ちょっといつもと雰囲気が違うような……」と気付いた方は結構なディズニー好きではないでしょうか。そう、いわゆる「着ぐるみ」のミッキーマウスとミニーマウスの顔が、いつも東京で見ているものとは異なるのです。 

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東京ディズニーリゾートの現行ミッキー(撮影・筆者)

 ディズニーパークでの華麗なショーやパレード、そして写真を撮るなどで触れ合えるグリーティングで活躍する、キャラクター(=着ぐるみ)のミッキーとミニー。その顔が新しいものに変わることについて、公式発表されることも、切り替えに言及されることもきっとありません。なぜなら、ミッキーはミッキー、ミニーはミニーそのものだからです。

 しかし、ファンにとっていわゆる「推し」とも言えるキャラクターの大きな変化は、なかなかにデリケートな問題です。

導入が進んでいた「新ヘッド」

SNSに初めて写真が出回ったのは、上海ディズニーランド開園前でした

 新しいお顔=新ヘッドのミッキーとミニーは、2016年の中国・上海ディズニーランドの開園に合わせて導入されました。その後、段階的にアメリカ、香港、パリ……と続々と新ヘッドに切り替わっていきました。新ヘッドは英語では一般的に「New look」と呼ばれ、日本では初出が上海だったことから上海ヘッドと呼ばれることもありました。

 当時、日本のSNSでは「新ヘッドは違和感がある」など、どちらかというとネガティブな意見が多く見られ、「東京ディズニーリゾートではいつ新ヘッドに切り替わるのか?」といった議論が数多くなされていました。

 新ヘッドの初出から約2年半。海外パークの中で最も遅かったフロリダのウォルト・ディズニー・ワールドでも2018年5月に新ヘッドへの切り替えが完了し、現行のヘッドが残るのは東京ディズニーランドのみという状況が長らく続いていたのです。

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 しかしここ数カ月、「春のイベントから、ついに東京でも新ヘッドが導入されるのでは?」という推測が日本のディズニーファンの中で急速に加熱していました。その理由はいくつかあります。

 通常過去のパレード・ショーの写真が使用される春のイベントサイトにおいてミッキーの写真が使われていないこと、さらに、グッズなどのイラストが新ヘッドをもとに描いたと思われるデザインとなっていたこと。これらは、新ヘッド導入を予想するのに十分でした。そして、2月28日の写真公開で、その予想は現実のものとなりました。


東京ディズニーリゾートの現行ミニー(撮影・筆者)。新ヘッドと比べると、アイシャドウやリップなどのメイクがしっかりしています

 日本のファンが新ヘッドに違和感を覚え、少なからず悲しんでいる理由は大きく分けて2点あると考えられます。

 ひとつは、現行の東京のヘッドはマイナーチェンジがありながらも20年ほど同じデザインの顔立ちだったということ。現在日本のディズニーパークファンの多くを占める10代後半~30代前半の層は、物心ついてからミッキーの大きな顔の変化を経験することなく、ずっと同じデザインのミッキーを見てきました。見慣れているだけでなく愛着もありますから、変化に対するネガティブな反応にも納得できます。

 もうひとつは、現行のヘッドとは一気に別の系統の顔立ちに変化したこと。いうなれば、今まで読んでいた漫画の作者が交代し、同じキャラクターでも作画が全然変わってしまった――というくらいの変化です。

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 新ヘッドは、耳と顔のバランスなど現行のヘッドを踏襲した造形ではあるのですが、顔の印象を作るのに重要な役割を担う目と口が大きく変化しています。そのため、現行のヘッドとはかなり違う印象の顔立ちに仕上がっているのです。目が全体的にやや縦長になり、口角が上がり口のなかが見える部分が小さくなりました。これにより、ちょっとおどけたような親しみやすい笑顔に仕上がっています。

 この、「かわいらしい」造形が、ミッキーに「かっこよさ」を求めるファンを中心に「これじゃない……」という感想を抱かせたのではないでしょうか。

心の準備をさせてくれた“誠実さ”


東京に先駆けて新ヘッドが導入された、香港ディズニーランドのミッキーとミニー(撮影・筆者)

 筆者は既に新ヘッドを香港ディズニーランドで見てきています。イラストやアニメで描かれる“2次元のミッキーマウス”により近づいた造形は、「ディズニーランド=ディズニー映画の世界を追体験する場」と考えると納得の変化だと感じました。

 実際に見るまでは違和感があった口元は、下から見るとかわいく見えるように設計されているのかもしれないということに気づきました。正面から顔を見ることができる大人だけでなく、身長が小さな子どもの視点も考えられているとしたら、すごいことだと思います。

 ここ1年ほど東京ディズニーリゾートでは、何かにつけてミッキーとミニーの写真(ファンはこれを、イラストでないことから実写と呼びます)を使用したグッズが多数発売されてきました。また、春のイベントの開始当日ではなく事前に新ヘッドの写真を公開してくれました。筆者個人としては、運営会社であるオリエンタルランドは新ヘッドへの言及ができない中、ディズニーファンにとって大きな変化に向けての“心の準備”をさせてくれたのだと思っています。

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 「永遠に完成しない」ディズニーパークは、これからもきっとさまざまな変化を続けます。けれど、4月以降の東京ディズニーリゾートでも、明るく元気でチャーミング、そして時には誰よりもかっこいいミッキーマウス、そしてそのかわいい恋人ミニーマウスに会えることに変わりはありません。

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