レーザーカッターで工作できるものづくりカフェ「FabCafe」に潜入! オリジナルノートを作ってみた:ねとらぼノート作ったった(2/2 ページ)
スイッチを入れると、レーザーがゆっくりとノートの表紙を彫り始める。上から下に向かって、「ねとらぼ」の文字の輪郭が浅く彫られていき、黒い表紙に白っぽく浮かび上がる。続いてレーザーはカット作業に移る。先ほどとうって変わってとても素早く、複雑な動きをしながら縦横無尽にロゴを切り抜いていく。その様子をワクワクしながらスタッフやほかのお客さんと一緒になって見届けられるのが楽しい。あっという間に切り落としが終わった。
「すごい、ちゃんと“ねとらぼ”って彫られてる!」――そりゃそうだ! と突っ込みたくなるかもしれないが、完成したノートを手に取ると、そんな当たり前のことに驚いてしまった。ねとらぼロゴのちょっとポップな字体がしっかりと再現されており、じわじわと愛着が湧いてくる。周りの人に「かわいい!」と言われたのが嬉しくて、誰かに「これいいでしょ?」と自慢したくなった。レーザーカッターの設定から彫る作業まで約30分と、時間もそれほどかからない。
カフェが用意したデザインを使用する場合は材料費のみかかる。今回作ったノートは500円で、木板やアクリル板は500円から(サイズに応じて価格が変わる)。客の要望を聞きながら、iPhoneカバーなど使える材料を増やしていく予定という。スタッフに相談が必要だが、ものによっては私物に加工を施すこともできる。
持ち込んだイラストを使用する場合は、別途チケット代が必要。彫り方を調整してレーザーカッターを30分間使用するための「Fabチケット」(ドリンク1杯つき)で、機械を1人で使いたい場合は5000円、最大3人で共有する場合は1人2000円(オープン記念とし、3月17日まではチケット代不要)。
楽しいからとにかく1回やってみて
FabCafeの魅力は、頭の中で「こんな商品がほしいな」「こんなもの作れないかな」とイメージを描いたら、カフェでお茶するついでに、低価格で製品を試作できること。通常なら専門業者にサンプル制作を依頼し、お金と時間をかけなければならないが、FabCafeに行けば業務用マシンがあり、専属のスタッフまでついてくれる。しかも作ったその場で周りの人の反応を見ることができる。
スタッフによるとオープン以降「大盛況」で、その多くが「まずは試してみたい」という理由で訪れる男性客だそうだ。すでに客同士で作品について意見交換をしたりと、交流する様子も見受けられるという。自分のMacBookAirや革財布に加工を施す人もいたらしい。
FabCafeは、トリプルセブン・インタラクティブの福田敏也代表、ロフトワークの諏訪光洋代表らが、「こんなもの作れないかな」とふと思いついたアイデアを誰でも具現化できる場として開いた。店名の「Fab」は、3Dプリンタやカッティングマシンなどのデジタル工作機械を備えた工房を、一般市民にもオープンに提供する活動「FabLab(ファブラボ)」に由来している。
諏訪代表は、ライトユーザーには自分の身の回りの物のカスタマイズをしてもらい、デザイナーやクリエイターには「ふわふわとしたアイデア」を形にするための場として使ってほしいと語る。カフェ側が用意した材料にロゴやイラストを単純に彫るだけでなく、椅子やオブジェなど「既成概念にとらわれず色々試してみてほしい」とワクワクした表情でコメントしてくれた。
今後は客が制作した作品をサイトで公開し、評判の良かったものを「FabCafe オリジナルシリーズ」としてものづくりのメニューに加える予定。レーザーカッターをはじめ工作機械も増やしていく。将来的には一般客も自由に作品を販売できるECストアも作るつもりだ。
もちろんカフェなのでコーヒー(400円)やランチセット(900円〜)などの飲食メニューもある。無線LANと電源が使えるので、ワーキングスペースとして利用している客も多かった。
営業時間は午前9時20分〜午後10時で、定休日は日曜祝日と年末年始。場所は東京都渋谷区道玄坂1-22-7 道玄坂ピア1F。3月17日までは短縮営業で午後6時まで(3月いっぱい短縮営業を続ける可能性もある。営業時間は公式サイトで確認できる)。
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