共に電王戦出場、世界最強の“同僚”――コンピュータ将棋ソフト開発者 一丸貴則さん・山本一成さん(前編)(4/4 ページ)
» 2014年04月25日 11時00分 公開
[杉本吏,ITmedia]
ソフト開発の傍らで大学院時代には就職活動も行い、大手IT企業に内定を得たが、「内定先の社長の書いた本を読んで読書感想文を書きましょう、っていう課題が出て。ちょっと自分には合わないかな、と(笑)」。結局その企業への就職は取りやめ、スマートフォンアプリなどを開発していたHEROZにインターンを経て入社する。入社後に携わったアプリ「将棋ウォーズ」は、既存の将棋アプリとは一線を画する派手な演出や、棋力の近い相手を自動で選んで対局させてくれる“ちょうどよさ”で、現在までに120万ダウンロードを超えるヒット作となった。
(左)将棋ウォーズ。将棋ソフトらしからぬド派手なエフェクトが特徴だ (中)対戦相手は自分の棋力に応じてリアルタイムで自動マッチングされる仕組み (右)対局画面。うっすらと見える「棋神降臨」の文字は、最強ソフト・Ponanzaに5手だけ代わりに指してもらえる機能で、自分が棋神を使っていることは対戦相手には分からない。急に相手が強くなったと感じたら棋神の可能性あり、だ
当初はまったく山本さんの相手にならなかったPonanzaも徐々に実力を高め、ついには山本さんを負かす“父親超え”を達成。初めて負けた日にはさすがに「感慨深い気持ちになった」。コンピュータ将棋選手権でも年々順位を上げていき、2012年の同選手権では決勝リーグ4位に入賞。翌年の第2回電王戦への出場権を手にした。
こうしてそれぞれに異なる道をたどりながらも、コンピュータ将棋開発の世界に足を踏み入れた2人。それまでは一部の人に知られるのみだった狭い世界は、人間のプロ棋士と戦う「将棋電王戦」によって、戦慄するほどの速度で拡張を見せ始める。
後編では、過去2回の電王戦を通して見えてきたもの、コンピュータ将棋の現在の立ち位置と課題、そして人間と共存していく今後の在り方について、引き続き一丸さんと山本さんへのインタビューを中心にお届けしていく。
→“敵”が“先生”になる日――コンピュータ将棋ソフト開発者 一丸貴則さん・山本一成さん(後編)
advertisement
関連記事
- “敵”が“先生”になる日――コンピュータ将棋ソフト開発者 一丸貴則さん・山本一成さん(後編)
人間のプロ棋士とコンピュータソフトが戦った「将棋電王戦」。2人のソフト開発者はどんなことを考えて対局当日に臨み、そしてその結果に何を感じたのか。今後の人間とコンピュータとの関わり方についても考える。 - 「将棋電王戦」人間側の1勝4敗で幕 「厳しい現実」と谷川会長 最終局はニコ生に74万人
次回は未定だがニコニコ生放送の最後には「DENOUSEN:4.0 2015」のテロップも。 - 将棋電王戦、人間側が負け越すも「久々に情熱持てた」と森下九段 そして最終戦へ
「第3回電王戦」第4局の舞台は小田原城。両者が持ち味を発揮する白熱した対局に。「勝つことだけが全て」と勝ちにこだわる姿勢を見せていた森下九段は――。 - 将棋電王戦第3局で人間側が1勝を返す 豊島七段が「序盤、中盤、終盤、隙が無い」指し回しでYSSに圧勝
駒たちが躍動する豊島の将棋を皆さんに見せたよね。 - 電王戦第2局は炎上を経てどうなったか ネタキャラ対決は「カツラ落ち」のガチンコ勝負に
対局前の炎上が話題となった第2局は、誰もが認める大熱戦の将棋に。 - 電王戦、将棋ソフトがまず1勝 無観客の有明コロシアムにロボットアーム……シュールさも見どころ
習甦が菅井竜也五段を破った第1局、「やねうら王」をめぐる衝撃のラスト……。当日の現地模様やニコニコ生放送の雰囲気を写真を中心にリポートしよう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
昨日の総合アクセスTOP10
-
元横綱・貴乃花、再婚後の激変ぶりに驚きの声 ヒゲ生やした近影に「ショーケンみたい」「ワイルドー」
-
中山美穂、金髪&ミニ丈の大胆イメチェンに視聴者びっくり! “格付け”出演の最新ビジュアルに「誰だか分からなかった」
-
「『ちゅ〜る』の紅麹色素は大丈夫?」 小林製薬の「紅麹」報道で飼い主に不安広がる
-
ミス筑波大モデル、25キロ減量したビフォーアフターに「ホント凄い」 整形疑う声も「元々は埋もれてたようですね」
-
【まとめ】小林製薬「紅麹」問題 味噌や酒など紅麹原料使用メーカーの自主回収相次ぐ 20社以上が発表
-
日本エレキテル連合・中野、ネタで酷使し容姿に異変→手術を決断 「ダメよ〜、ダメダメ」でブレイク、2022年にがん公表
-
「紫のトトロ買った」 “ジブリを1ミリも知らない”友だちから連絡→まさかの正体に爆笑 友だちはその後ジブリを見た?
-
ドイツ人家族が日本のバウムクーヘンを実食、一番おいしいと絶賛したのは…… 満場一致の結果に「参考になります」「他の食べ比べもお願い」
-
「紫のトトロ買った」 “ジブリを1ミリも知らない”友人から連絡→まさかの正体に爆笑「それトトロやない」
-
「ご安心ください」 “紅麹ショック”でDHCとファンケルが声明…… サプリ販売は継続中 小林製薬では死亡患者がサプリ摂取
先週の総合アクセスTOP10
- 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
- フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
- 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
- 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
- 田代まさしの息子・タツヤ、母の逝去を報告 「あんなに悲しむ父親の姿を見たのは初めて」
- 「遺体の写真晒すのはさすがに」「不愉快」 坂間叶夢さんの葬儀に際して“不適切”写真を投稿で物議
- 大友康平、伊集院静さんの“お別れ会”で「“平服でお越しください”とあったので……」 服装が浮きまくる事態に
- 妊娠中に捨てられていた大型犬を保護 救われた尊い命に安堵と憤りの声「絶対に許せません」「親子ともに助かって良かった」
- 極寒トイレが100均アイテムで“裸足で歩ける暖かさ”に 今すぐマネできるDIYに「これは盲点」「簡単に掃除が出来る」
- 「奥さん目をしっかり見て挨拶してる」「品を感じる」 大谷翔平&真美子さんのオフ写真集、球団関係者が公開
先月の総合アクセスTOP10
- 釣れたキジハタを1年飼ってみると…… 飼い主も驚きの姿に「もはや、魚じゃない」「もう家族やね」と反響
- パーカーをガバッとまくり上げて…… 女性インフルエンサー、台湾でボディーライン晒す 上半身露出で物議 「羞恥心どこに置いてきたん?」
- “TikTokはエロの宝庫だ” 女性インフルエンサー、水着姿晒した雑誌表紙に苦言 「なんですか? これ?」
- 1歳妹を溺愛する18歳兄、しかし妹のひと言に表情が一変「ちがうなぁ!?」 ママも笑っちゃうオチに「かわいいし天才笑」「何度も見ちゃう」
- 8歳兄が0歳赤ちゃんを寝かしつけ→2年後の現在は…… 尊く涙が出そうな光景に「可愛すぎる兄妹」「本当に優しい」
- 1人遊びに夢中な0歳赤ちゃん、ママの視線に気付いた瞬間…… 100点満点のリアクションにキュン「かわいすぎて鼻血出そう!」
- 67歳マダムの「ユニクロ・緑のヒートテック重ね着術」に「色の合わせ方が神すぎる」と称賛 センス抜群の着こなしが参考になる
- “双子モデル”りんか&あんな、成長した姿に驚きの声 近影に「こんなにおっきくなって」「ちょっと見ないうちに」
- 犬が同じ場所で2年間、トイレをし続けた結果…… 笑っちゃうほど様変わりした光景が379万表示「そこだけボッ!ってw」
- 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」