アニメーション監督・新海誠が語る――映像を文字にするということ:『小説 言の葉の庭』発売記念(4/5 ページ)
映画があったから生まれた、小説のラストシーン
―― 映画を作られていた時に、どれくらい小説のストーリーを考えられていたのでしょうか。
新海 いやー、もう全然考えてなかったです(笑)。それこそ相澤さんの、前は雪野のことが好きだったんじゃないかなぐらいで、お兄さんの話も別に考えていなかったし、お母さんも離婚のときは何かいろいろあったんだろうなぐらいしか考えていなかったです。ただ、小説を書かなきゃいけないとなった時点で、一晩か二晩ぐらいで、ばーっとそれぞれの登場人物についての話を考えついた記憶があります。
当初は劇場公開ぐらいのタイミングでダ・ヴィンチの連載が開始できればというお話を関口さん(ダ・ヴィンチ編集長)としていたんですけれども、各地への舞台挨拶などでどうしても時間が確保できなくて、連載開始を少し遅らせていただいたんです。でもそのおかげで映画を見てくれたお客さんの声も聞けましたし、映画を自分でも見返しているうちにいろいろな設定が浮かびましたから、きっと遅れたのは必要なことだったんだと思います(笑)。
―― 小説では、10話とエピローグを書き下ろしで追加しましたが、10話を孝雄の母親の視点にしたのはどういった意図だったんでしょうか。
新海 年長者の視点をとにかく入れたいと思ったんです。登場人物の中で最年少が孝雄ですが、孝雄の中学時代や、雪野の中学時代辺りから語っているので、結構下の年代の登場人物が出てくるんです。でも上の年齢を考えたら、せいぜい伊藤先生ぐらいになる。
伊藤先生は30代前半くらいなんですが、それでも自分よりはずいぶん年下なわけですよね。どこがでまだ書き手である自分自身よりも、上の年齢の人にその物語を総括してほしいみたいな気持ちがあったんです。お母さんであれば、劇中でちょうど50歳になるので、その役にふさわしいかなと思って、最後お母さんに登場してもらうことにしました。
先ほど少し“相対化”ということをお話しましたが、同じ人でも年齢が上がっていくと、自分の中の出来事って相対化して、別の視点で見ることができるようになっていくと思うんです。そういう役割もお母さんに担ってほしかったんだと思います。
―― 小説ではエピローグという形で映画よりも先の話が書かれていますね。
新海 映画の言の葉の庭と小説の『言の葉の庭』は見終わったあと、読み終わったあとの感触はわりと違う部分があると思うんです。ただ別の作品かといわれると僕は“同じ作品の別の表現”だと思うんですよね。
すごく細かく見ていくと、映画と小説の出来事やセリフが微妙に違っていたり、計算していくと時期もちょっと違うようなところが出てきますが、どちらも同じ物語を別の描き方をしているだけで、小説と映画が違うものだという感覚はないです。
でも、映画はその意味で小説より手前で終わっているからと、未完成みたいな感覚はあるか、というとそんなことはないですね。映画はあそこで終わるのが一番美しい形だったと思います。
仮に映画がなくて、まず小説から書き始めたのだとしたら、映画と同じ所で終わらせたと思います。映画を踏まえた上での小説だったので、もう少し先まで書こうかなという気持ちになったんじゃないかと。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
-
【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
-
「プロ野球チップス」で誤字 伊藤大海投手を「176m」と記載してカルビー謝罪
-
「ママ友襲来10分前」→さぁ、どうする……? 大爆笑の“あるある”再現が400万再生突破「腹ちぎれました」「バナナ食べんでもええやん」
-
富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
-
21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
-
「大型魚の餌に!!」 熱帯魚店の“思わず目を疑うPOP”に恐怖 「サメでも飼うの?」
-
2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに手をスリスリされた瞬間…… 愛と幸せあふれる空間に笑顔になる「これぞ天使だ」
-
漂う違法感 東京に戻る息子へ持たせた“大量のブツ”に「九州人あるある」「帰省からの帰りいつもこれ」の声
-
異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
- 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
- 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
- 安達祐実、成人した娘とのレアな2ショット披露 「ママには見えない!」「とても似ててびっくり」と驚きの声
- 兄が10歳下の妹に無償の愛を注ぎ続けて2年後…… ママも驚きの光景に「尊すぎてコメントが浮かばねぇ」「最高のにいに」
- “これが普通だと思っていた柴犬のお風呂の入れ方が特殊すぎた” 予想外の体勢に「今まで観てきた入浴法で1番かわいい」
- 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
- 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評
- お花見でも大活躍する「2杯のドリンクを片手で持つ方法」 目からウロコの裏技に「えぇーーすごーーい」「やってみます!」
- 弟から出産祝いをもらったら…… 爆笑の悲劇に「めっちゃおもろ可愛いんだけどw」「笑いこらえるの無理でした」
- 3カ月の赤ちゃん、パパに“しーっ”とされた反応が「可愛いぁぁぁぁ」と200万再生 無邪気なお返事としぐさから幸せがあふれ出す
- フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
- 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
- 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
- フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
- スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
- 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
- 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
- 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
- がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
- 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」