「鳥との濃厚な接触は好ましくない」 オウム病で国内初の妊婦死亡例、厚労省を取材
野鳥との接し方なども聞きました。
病鳥のふんなどを介して感染する「オウム病」を罹患(りかん)した妊婦の国内初の死亡例が確認されました。感染経路や野鳥との接触の危険性について、厚生労働省を取材しました。
「オウム病」はインコやオウムといった鳥のふんなどを介して感染する、人獣共通感染症の一種。感染すると、突然の発熱や咳、頭痛といったインフルエンザに似た症状が出ると国立感染症研究所などが紹介しています。
厚生労働省の担当者によると、研究を取りまとめている「日本医療研究開発機構」の研究者から3月上旬に、「オウム病に感染した妊婦が死亡」との情報提供があり、国内初となる妊婦の死亡例が確認されたとのこと。
オウム病自体は昔から知られているもので、妊婦以外の死亡例も報告されていますが、厚生労働省は「あらためて周産期医療に携わる関係者にもオウム病について注意喚起したい」と3月17日に日本医師会に事務連絡をしたといいます。
なおオウム病と診断した場合は全ての医師に保健所への報告が義務付けられていて、1999年の感染症法施行から2017年4月10日までに間に388例が報告されているとのこと。ただし、2012年以降の報告例は一桁台に減少しているそうです。
今回妊婦の死亡時期については、個人の特定につながる可能性があることから現段階では公表しない方針。妊婦が鳥を飼っていたのかは不明で、感染経路などについては、今後専門家が究明していく予定です。
また4月10日には研究者から新たに、国内2例目となる妊婦の死亡例が報告されたといい、ネット上では「家にツバメが巣を作った場合はどうなるのか」など、野鳥との接触を不安視する声もみられています。これについて質問したところ、「一般的な感染経路は鳥が持つとされる病原体(クラミジア)とされている。野鳥における正確な保菌率については把握していないが、野鳥を含む鳥との濃厚な接触は好ましくない」としました。
目の前を野鳥が通り過ぎた程度での感染は考えにくいとのことですが、もし鳥を飼育している場合などで、治りにくい咳やオウム病と思わしき症状が現れた際には、医師に鳥との接触状況についても相談してください。
(Kikka)
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