新潟県って何地方? 県・市・NHK・市民に見解を聞いてみた(2/3 ページ)

» 2018年01月02日 11時00分 公開
[Kikkaねとらぼ]

――ちなみにオフィシャルでは「新潟県は何地方」と紹介しているのでしょうか。

木村副市長公式的に○○地方ですという区分で紹介はしていませんが、篠田昭市長は「新潟市としては、仲良くしていただけるのであれば、どこの地域とでも仲良くしたい」と言っていますので、どこの地方に属していても構わないと思っています。

――なかなか思い切った発言ですが、具体的にはどういうことなのでしょうか……!

木村副市長新潟市は観光面では福島県の会津若松市と、文化面では京都市や奈良県と連携協定などを結んでいます。また、山形県の鶴岡市とは食文化の面で連携しています。地域・地方にこだわらず手を取り合うという姿勢は行政同士の取り組みにも表れていると思います。

――地域を超えた連携協定を結ぶことによってどんなメリットがあるのでしょうか。

木村副市長新潟市はインバウンド(海外から観光に訪れる観光客)需要のセールスにも力を入れているのですが、協定などを結んでいることによって「新潟に遊びに来た際にはぜひ会津若松市のお城も見て帰ってくださいね」「日本に来たら新潟と鶴岡の食文化の違いを楽しんでみてください」と連携都市の魅力とセットでアピールすることができます。

新潟県民は「根性よし」

――新潟はなぜいろいろな地域とのかかわりを持つようになったのでしょうか。

木村副市長歴史的な観点でみると、新潟は古くから港町として栄えており、明治20年ごろは新潟県の人口が日本一多かったという記録も残っているなど人的にも物的にも豊かな土地でした。しかし江戸時代から続いていた北前船に関して「抜荷(ぬけに・幕府の禁令を破り海外と行う密貿易)」の事件が発生したことから、藩主である長岡藩は幕府から責任を追及されてしまいます。結局長岡藩は領置を取り上げられ、江戸後期には、幕府直轄の天領制になったため、大名がいなくなった新潟では町人文化が根付くようになり、次第に「なんでも受け入れる」文化が広まっていきました。

――近年でも「なんでも受け入れる」文化は健在なのでしょうか。

木村副市長例えば対岸のロシア(当時ソ連)と日本の国交回復後、新潟はソ連極東の中心都市ハバロフスクと姉妹提携を行い、新潟-ソ連間の空路を開拓しました。新潟空港初の国際定期空路であり、当時は日本とソ連を結ぶオンリーワンの空路でしたので、ビジネスのために極東地域へ向かう商社など、民間の方々にとっても重要なルートであったと聞いています。


photophoto 実は“ガチオタ”な副市長、執務室は貴重な品が勢ぞろい。『What's Michael?』の小林まこと先生直筆色紙も……!

――柔軟な県民性なのですね。

木村副市長昔からの港町文化が残っているので、結構フレンドリーなところがあります。他県の方からは優しくて思いやりがあるだとか、おっとりしていると仰っていただけることもありますし、新潟の方言では「根性良し(こんじょよし・お人よし)」とも言われます。県民の皆さんが「何地方」と呼ばれてもそこまで気にしないのもこういう気質に関係しているのかもしれません。

――今回の取材もそうですが、「新潟県は何地方なのか」と他の県の人が疑問に思っているということについてはどう感じていますか。

木村副市長新潟で生活している私たちが何地方なのかを明確に意識していないくらいなので、他の地方の方から不思議に思われるのも当然のことなのかなと思いました。新潟では幻の洋梨といわれる「ル レクチエ」をはじめ本当においしいグルメがたくさんあります。また先ほども申した通り、人柄もとても暖かいので、今回の記事をきっかけに新潟にたくさんの方が遊びに来てくださるとうれしいです。


photophoto 木村副市長イチオシの洋梨「ル レクチエ」

photo 新潟県で今大ブームだというお米「新之助」、ふっくらとした大粒と豊かな甘みが特徴
photo ねとらぼとも仲良くしてくださるとのこと(わーい)

新潟県に聞く、「新潟県って何地方」

 新潟市に続き、新潟県にも同様の質問をしてみたところ「公式な区分はありません」とのこと。理由については、明確に「何地方」という区分がなくても、行政では特段の不都合が生じておらず、また県民からも「生活に不便だ」との声はあがっていないためなのだそうです。

 「新潟県が何地方なのか」という特殊な疑問については、「それが新潟の個性であり、『郷土への愛着につながっていくとうれしい』とむしろポジティブに捉えています」と話してくれました。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2404/17/news023.jpg 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  2. /nl/articles/2404/16/news192.jpg 「ゆるキャン△」のイメージビジュアルそのまま? 工事の看板イラストが登場キャラにしか見えない 工事担当者「狙いました」
  3. /nl/articles/2404/17/news136.jpg もう別人じゃん! miwa、大胆イメチェンで面影ゼロに「まさかのこんな色になってるとは」「だれー!?」
  4. /nl/articles/2404/17/news111.jpg 「ぶち抜きたいです」 辻希美、懇願拒否された13歳長男が“荒くれ反抗”……息子の室内破壊に嫌悪あらわ「言葉が出ない」
  5. /nl/articles/2404/16/news185.jpg 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  6. /nl/articles/2404/17/news029.jpg 「キュウリが冷凍できるとは76年も生きて来て知らんかったなあ」 野菜ソムリエプロが教える冷凍&活用アイデアが328万再生
  7. /nl/articles/2404/17/news117.jpg 「虎に翼」、壮絶過去演じた16歳俳優に注目の声「違国日記の子か!」 「ブラッシュアップライフ」にも出演
  8. /nl/articles/2404/17/news025.jpg 築36年物件の暗くてボロいトイレをリメイク→ぐーんと垢抜け! 驚きのビフォアフに「すごいですね!」「天才」の声
  9. /nl/articles/2404/15/news081.jpg 【今日の計算】「13+8×2−11」を計算せよ
  10. /nl/articles/2211/26/news054.jpg 辻希美&杉浦太陽、15歳迎えた長女のレアな“顔出しショット”でお祝い 最近は「恋バナ」で盛り上がることも
先週の総合アクセスTOP10
  1. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  2. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  3. 安達祐実、成人した娘とのレアな2ショット披露 「ママには見えない!」「とても似ててびっくり」と驚きの声
  4. 兄が10歳下の妹に無償の愛を注ぎ続けて2年後…… ママも驚きの光景に「尊すぎてコメントが浮かばねぇ」「最高のにいに」
  5. “これが普通だと思っていた柴犬のお風呂の入れ方が特殊すぎた” 予想外の体勢に「今まで観てきた入浴法で1番かわいい」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評
  8. お花見でも大活躍する「2杯のドリンクを片手で持つ方法」 目からウロコの裏技に「えぇーーすごーーい」「やってみます!」
  9. 弟から出産祝いをもらったら…… 爆笑の悲劇に「めっちゃおもろ可愛いんだけどw」「笑いこらえるの無理でした」
  10. 3カ月の赤ちゃん、パパに“しーっ”とされた反応が「可愛いぁぁぁぁ」と200万再生 無邪気なお返事としぐさから幸せがあふれ出す
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」