劇中曲に合わせ生ドラム、銃声にはクラッカー 「ベイビー・ドライバー」爆走絶叫上映、ナメてましたすいません
池袋新文芸坐にて行われた「ベイビー・ドライバー」爆走絶叫上映の模様をフルスロットルでお届け。
絶叫上映文化が根付いて久しい今日この頃、エドガー・ライト監督最新作「ベイビー・ドライバー」のBlu-ray・DVD発売に合わせ、2月25日に池袋新文芸坐にて同作の「爆走絶叫上映」が行われた。
希代のドライビング・アクションに合わせ、会場にはなんと生ドラムがセッティング。鳴り物・拍手・合唱、コスプレ、なんでもありの絶叫上映、終始鳴り響く爆音のロックナンバーにあわせて車と銃が踊り歌う、「ラ・ラ・ランド」にならって「Car−Car−Land」と評された本作にはまさにうってつけのイベントだ。
開演が迫るなか、はたろう氏(@hatarou)によるDJが始まる。各自手持ちの鳴り物を取り出しはじめ、徐々に暖まりはじめる客席に流れるThe Button Down Brassの「Tequila」。劇中屈指のガンアクションシーンに効果的に使用される名曲に合わせ、客席も思わず「テキーラ!」を合唱、準備は万端。
まず登壇したのは本イベントの仕掛け人・V8Japanの時計仕掛けのレオナ氏(@clockworkreona)。早速「ベイビー・ドライバー」の元ネタ作品「ザ・ドライバー」に関する熱いトリビアを披露。続いて新文芸坐の番組編成担当・花俟氏が登場。「この中でベイビー・ドライバーを初めて見るという方は?」1割ほどの手が挙がる。「それでは絶叫上映が初めてという方は?」こちらは半数をやや上回るといったところ。
と、突然「ベイビー」よろしくサングラス姿に変身し、ジマニカ氏(@Jimanica)の生ドラムに合わせて上映中の諸注意を読み上げる。「性的表現、ヤジはNGとなっておりますので、その、ケヴィン・スペイシーについては……(人差し指を口の前で立てる)」と会場の笑いを誘う。「そしてクラッカーですが……1人20個までです!」と、氏が客席にクラッカーを投げはじめると客席は完全にヒートアップ。
……ここまでやるのか、新文芸座!
ライトが落ち、満開の拍手の中に客席から早速あがったのは「ソニーありがと−!!」の嬌声。そう、映画が始まる前に出てくるあのロゴだ。
完全にライブイベントと化した会場に鳴り響く「Bellbottoms」、そして続く「Harlem Shuffle」。映像とBGM、SEに至るまでリズムのビート・キープが完全に一体化している本作の中でも白眉のこの2曲。こちらが流れる時間のみオールスタンディング推奨となっており、鳴り響くジマニカ氏のドラミングと呼応するように客席も拳を突き上げる。
その後もスクリーンと一体化するように、圧巻のドライビングテクニックには拍手が沸きあがり、銃声に合わせて打ち上げられる無数のクラッカー、そしてラブシーンにはため息。フルスロットルで2時間弱の上映時間を駆け抜けた観客にソニーから送られたプレゼントは本作の主演アンセル・エルゴートのサイン、そしてサウンドトラック(なんと20枚!)と大盤振る舞い。ソニーピクチャーズありがとう。絵文字の悪口いってごめんなさい。
終演後、「外野からとやかく言われることが多いですが……」と花俟氏。確かに映画に発声なんて言語道断、静かに楽しみたい……という意見もわかる。
しかし何より見知らぬ人々と同じ作品を見て、楽しみを分かち合いたいという気持ち、こればっかりは止められない。そして手っ取り早く、最大の形でそれを味わえるのがこの手の参加型・上映イベントだ。今後も長く続いてほしいこの発声上映、運営しているV8 Japanとは――その名の通り、「マッドマックス 怒りのデスロード」にブッ飛ばされてしまい、ファンの署名を集めて絶叫上映企画を映画館に持ち込んだ一般の映画ファンであり、その活動は完全なボランティア。そのため参加者のカンパや応援が存続には不可欠だ。
同団体は今後も「HIGH AND LOW」シリーズや「バーフバリ」など、大型アクション大作の発声上映を行う予定。人気作については発売からの即完状態が相次いでいる(3月2日のバーフバリは606席が10分で完売)ため、最新情報はV8 JapanのFacebook、Twitterをチェックしよう。自宅でDVDを楽しむのもいいが、もし少しでも興味があれば、作品の楽しみ方の一つとして一度参加してみてはいかがだろうか。
終わった後のゴミ掃除もよろしくね!
(将来の終わり)
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