近大、「宇宙マグロプロジェクト」始動 反射材を付けた生物に人工衛星からレーザーを照射し生態を調査
マグロに負担をかけずに、リアルタイムな生態調査を実現する試み。
近畿大学がクロマグロなどの生態を調査するために、「宇宙マグロプロジェクト」を始動しました。反射材を付けた水棲生物に人工衛星からレーザーを照射し、反射した光をもとに追跡するシステムの実現が目標。クラウドファンディングサイトのCAMPFIREで資金を募っています。
絶滅危惧種であるクロマグロを保護するうえでは、回遊ルートや産卵場所の特定など、詳細な生態調査が必要。現在はデータ記録用のタグを魚に取り付けて放流し、再捕獲もしくはタグを回収する手法が主流となっています。
しかしバッテリーの問題でタグの稼働時間には限りがありますし、回収が必要なためリアルタイムに正確なデータを取ることもできません。また、タグを付ける際は腹を切って埋め込んだり、背骨にワイヤーで固定したりと生物への負担が大きく、ときには取り付けがもとで死なせてしまうという問題も抱えていました。
同学の理工学部と農学部は調査方法の改善を模索し、反射材と人工衛星を使った手法を考案。反射材に薄く軽いシート状の素材を用いることで生物への負担を軽減でき、人工衛星を通じた長期間のリアルタイムな追跡記録も可能としています。
既に研究チームはドローンや航空機を用いたテストを行い、地上500メートルからの照射と観測に成功しています。今後は地上から人工衛星へレーザーを照射することで、地上300キロからの観測が可能か試す実証実験を予定。最終的には人工衛星からの照射による調査方法の開発を目指します。
支援金の使途は、実験装置の購入費や人工衛星の製作費など。支援コースは3000円〜10万円で、1年間の成果報告書や講演会への参加権といった返礼品が用意されています。
(沓澤真二)
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そもそも水族館でフラッシュ撮影すると、水槽に光が反射して魚は見えにくくなるんですけどね。
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