あぁぁマジで癒やされます「廃線跡」 廃線から早30年、筑波鉄道跡の「つくばりんりんロード」へ行ってみた(2/2 ページ)

» 2018年06月23日 08時00分 公開
[高橋ホイコねとらぼ]
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筑波鉄道はモータリゼーションの発達とともに役目を終え、JR発足と同時に廃線になった

 筑波鉄道は1918年(大正7年)、土浦〜岩瀬間で開業しました。乗降客数のピークだった1965年(昭和40年)は筑波山への観光客で大いににぎわいました。しかしその後、自動車道が整備され、自家用車が急速に普及したことから、沿線住民の利用者が減少。1987年(昭和62年)3月31日、国鉄民営化と同じ日に筑波鉄道は廃線になりました。

photo 旧「筑波」駅の駅前は、つくばバスの「筑波山口」というバスターミナルとして利用されている

 旧真壁駅近く、桜川市にある歴史資料館「真壁伝承館歴史資料館」で特別展示「追憶の筑波鉄道」(2018年9月2日まで開催)が行われています。歴史資料館には、駅の時刻表やきっぷ、当時の廃線反対運動のチラシなど、地元の人が提供したと思われる数々の史料が並べられていました。

photo 真壁伝承館歴史資料館(茨城県桜川市真壁町真壁198)で行われている特別企画展「追憶の筑波鉄道〜鉄道から自転車道へ〜」(2018年9月2日まで開催) 入館料無料。興味を持った人、ぜひ行きましょう

 現地では、お父さんが「おじいちゃんの家の前に昔は駅があったんだよ」とあっさりと3歳くらいの娘さんに説明していました。娘さんも「ふーん」とだけ応えます。廃線から30年もたつと、もう地元の人でさえも鉄道の記憶が薄れていくのでしょう……。

photo 真壁休憩所は広くてのどか。当時からあった駅そば屋さんがこの近辺で今も営業しているらしいです
photo 旧「真壁」駅ホーム跡。大正時代に植えられ、戦中に出征者を見送ったという桜があります

終点「岩瀬」着 最終地点は隣接する駐車場

 夕方16時過ぎ、りんりんロードの終点で、旧筑波鉄道の終点でもあった「岩瀬」駅に到着しました。

 最終地点は駅に隣接する駐車場。何もない……し、水戸線の改札口は線路を挟んだ向こう側。「なんでこんなつくりなんだ……。感動もないし、面倒だし、プンプン」と思ってしまいました。調べてみると、この駐車場がまさに筑波鉄道岩瀬駅のホームと線路の跡地。まだ活躍している水戸線のホームを見ながら、もう跡形もない筑波鉄道の在りし日のホームを想像するとすっかり憤りは消えていました。

photo 岩瀬駅。りんりんロードの終点は駐車場。ここが筑波鉄道の線路とホームのあった場所でした
photo 走行距離は約40キロ。大体この風景でした

 旅先で自転車を輪行バッグに詰めていると、物珍しさからか地元の方に「自転車?」と話しかけられることがよくあります。今回もそうでした。終点の岩瀬駅で自転車をたたんでいると、地元の方が話しかけてきてくれました。

 「私ね、彼氏できたの。それがバツイチ子持ちで……」

 はい。え? れ、恋愛相談? えーと、えーと、お姉さん。いわゆる「いい天気ですね」といった世間話とか、輪行のこととか、服装とか、自転車のフレームとか装備に興味を持っていただいた……のではない? あ、そこ、一切関係ない? ぁぁぁ……ぁぁぁ。地元ののどかなほんわかミラクルに癒やされ、帰路についたのでした。

 みんな、悩みがあったら「つくばりんりんロード」に行きましょう。いいところでした。

photo 愛車アンカー
※初出:2018年5月11日 トマトマンの斜め上行く生活術「悩みがあったら「つくばりんりんロード」へ行け 平坦すぎる自転車専用道♪


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