呂500探査報告会で浦教授が明かした「伊121を発見できた理由」キャプテンながはまのマニアックすぎるシリーズ(2/3 ページ)

» 2018年08月09日 10時30分 公開
[長浜和也ねとらぼ]

「ROVちゃんかわいい」早速ファンが擬人化するも、まさかの結末が……

 また、高島氏が解説した海中を行動するROVの場所を把握する方法も興味深いものでした。GPSが使えないROVを水中で測位する機材として「GAPS」(Global Acoustic Positioning System)を用意しています。

 GAPSは、母船側から海中に吊して発振した音波をROVに備えた受信器で受信して、母船からの方位と距離から位置を把握するシステムです。測定範囲は4000メートルに及びます。

水中を行動するROVの位置把握に利用した「GAPS」
GAPSで把握した位置情報をもとにROVをリモートで操船する
海を航行するROV
ニコ動中継ではその姿がかわいいと盛り上がる
かわいいので早速擬人化したファンも
しかし、その後ROVは男子だったことが判明……(いであでは「一郎君」と名付けて呼んでいた)

 マルチビームソナーで協力した東陽テクニカの柴田成晴氏からは、ソナーを使った海底探査の歴史と今回の探査で用いた「R2sonic SONIC2024」の説明がありました。

 1920年からソナーを使うようになります。しかし当時のシングルビームソナーは、例えると土の中に埋まった物体を「棒で地面を突きながら、一人で探す」ようなもので、広域を探索するには多大な手間が掛かりました。それに対してマルチビームソナーは「横一列に並んだ大勢の人で探す」イメージです。シングルビームソナーと比べて広い海底を一気に探査できます。

マルチビームソナーを使った海中探査について解説した東陽テクニカの柴田成晴氏
マルチビームソナーは「横一列に並べたたくさんの棒で一度に突いて探す」ことが可能になる
「面」で探査できるため作業効率は向上した
今回の探査で使用した「R2sonic−SONIC2024」は最小サイズ12.5ミリまで識別が可能だ

次の目標は「大洋丸」

 最後に、浦氏から「次」の沈没船探査プロジェクトも明かされました。

 ラ・プロンジェ深海工学会が次にターゲットとするのは、東シナ海で戦艦「大和」の近くに沈んでいる可能性がある客船「大洋丸」です。早くも2018年8月23日から探査を開始します。

 大洋丸は太平洋戦争が始まったばかりの1942年5月8日に米潜水艦の雷撃を受けて沈没しています。817人が死亡または行方不明となっています。さらにその近くには米潜水艦「グレイバック」(撃沈トン数が米潜水艦歴代20位)も沈んでいるといわれています。

次の「大洋丸」探査プロジェクトは8月23日から始まる予定
大洋丸は北米航路、上海航路に就役していた。日本を代表する客船の1隻だった
沈没予想位置は5カ所あり、最も可能性の高いのが戦艦大和の沈没場所のすぐ近くにある

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