呂500探査報告会で浦教授が明かした「伊121を発見できた理由」キャプテンながはまのマニアックすぎるシリーズ(3/3 ページ)

» 2018年08月09日 10時30分 公開
[長浜和也ねとらぼ]
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「呂500潜水艦探索プロジェクト」フォトギャラリー

報告会では2017年の五島列島沖探査プロジェクトの成果も振り返った
呂500、伊121、呂68の艦歴解説を行った軍事史研究家の勝目淳也氏
呂500によって日本にもたらされた新技術。この中で真に実用となったのは電気溶接技術などわずかだったという
一方で米海軍資料は海没処分の日付に不審な点があるとして信頼性が低いと判断していた
今回の探査における準備と作業経過
呂500のマルチビームソナー映像
より精度を上げて探査した呂500のマルチビームソナー映像では艦首側の潜舵が識別できている
呂68のマルチビームソナー映像
より精度を上げて探査した呂68のマルチビームソナー映像
呂500の艦橋前部を右舷後方から撮影した映像
Uボート特有の艦橋後部にある機銃座
より精度を上げて探査した伊121のマルチビームソナー映像
伊121のソナー映像を三次元化したデータ
BV5000に映った潜水艦と海底のエコー
Micron Sonarに映った潜水艦のエコー
さらに、呂500の船体をBV5000で詳細に探査して3Dデータを取得している
いりやではROVと水中3Dスキャナーの組み合わせで海中の可視化を主要な1つの事業と位置付けている
通常のカメラで撮影した海底の画像
SS465で撮影した海底の画像
実況視聴者は大盛り上がりだった
GAPSで追跡した呂500撮影におけるROVの航跡
探査するROVと送ってくる画像に盛り上がる実況視聴者たち
同じく伊121探査におけるROVの航跡
ROVはこんな感じに人力で海中に投入された
昔々はグリスを詰めた重りを海に沈めて水深と底質を測定していた
音波を使って海中を探るソナーが登場して海中探査は画期的に変化した
。とはいえ「1本の棒で突いて探す」ようなシングルビームソナーの作業効率はすこぶる悪かった
マルチビームソナーは第二次世界大戦が終わってしばらく過ぎた1963年に登場する
東陽テクニカでは今回のような沈船探査以外にもマルチビームソナーの業務利用を数多く提案している
例えば港内の水深測量
そして浚渫した水深変化の測量
ダムにたまった砂の量の測量
沿岸の測量も重要
沿岸測量では海底障害物を探査する
それゆえ、津波が発生した沿岸では陸から流れ込んだがれきの分布も調査している
同様に津波で崩れた防波堤の状況も調査する
海中3Dスキャナーの活用では水中構造体の形状も調査できる
高精度水中3Dスキャナーの登場で海中捜索やダイバーの監視なども可能になる

長浜和也

 IT記者は仮の姿で本業は船長(自称)。小型帆船を三浦半島の先っちょに係留する“一人旅”セイラー。伊豆諸島を旅するため、学連経験やクルー修行をすっとばして、いきなり1級船舶免許を取得してヨットに乗りはじめて早20年。かつて船で使うデジタルガジェットを紹介する不定期連載も。

 →「海で使うIT」


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