ブログやSNSは“ネットの空気”をどう変えたのか? 平成最後の夏、「ネット老人会」中川淳一郎が振り返る(2/3 ページ)
勢いを増していくブログ
2000年代中盤ののんきで牧歌的なウェブへの論調への礼賛は後に明確に批判することはさておき、当時の空気は振り返っておいても損はない。
まずはGREEである。GREEはいつしかすっかりソーシャルゲームのプラットフォームになっていったが、2004年ごろのGREEはあくまでも「意識高い系若者向けのSNS」だった。「他己紹介」があり、自身のつながっている人を紹介するにあたっては歯の浮くような美辞麗句を書き込むのが常だった。
山田太郎さんは、この若さで“アニキ”としての地位を獲得した方です。私が過去に発注相手の××産業からいじめられていた時、“そんな会社と付き合う必要はない。オレの方だけを向け”と有難すぎる助言をいただき、今に至っています。このアニキがいるから今の私があります
こんな感じの気持ちの悪いホメ合い文化が蔓延するのがGREEだった。一方の雄たるmixiはもう少し自由な雰囲気ではあったものの「踏み逃げ禁止」なる謎のルールが蔓延しており、これまた面倒臭い面もあった。LINEの「既読スルー」と同じようなものだったのだが、誰かのmixi日記を読んだ場合は「おもしろいですね」といったコメントをつけなくては失礼だと捉えられていたのである。昨今Twitterでは「無断RT禁止」という謎ルールを説く者や「FF外から失礼します」というバカ丸出しコメントを書く愚者が元気にツイートしまくっているが、クソルールを作る者は2000年代中盤からネットには大量に存在していたのだ。
こうした中、ブログは眞鍋かをりさんや古田敦也さんといった著名人も開始し、かなりのアクセスを集めていた。一般人でも「オカマだけどOLやってます。」のブログが話題となった能町みね子氏が書籍デビューをし、現在も文筆等の活動を続けている。「中国嫁日記」「実録鬼嫁日記」などのブログも人気となり、書籍化や映像化がされた。
さらには「魔法のiらんど」で掲載されていた「ケータイ小説」も人気となり、「恋空」はシリーズ200万部超の大人気となった。活字やイラスト・漫画といった表現の場が紙メディアだけでなく、ネットにも2000年代中盤には広がっていったのである。グルメブロガーや大食いブロガーなども大人気となり、何らかの卓越した能力を持つ個人がブログで存在感を次々と発揮しつつあった。
前出・藤田氏はこうした状況がある中、2004年に後発ながらブログ事業に乗り出した。ブログは「ウェブ2.0」の象徴的な扱われ方をしたが、この言葉に関する考察を以下のようにしている。ウェブ2.0とは、簡単にいえば「ヘーゲルの弁証法的に知が螺旋状に積み重なっていく」ことであり、ネットに何かを書けば、それに対して数々の考察がされ、“集合知”が生まれる、というものだ。
これまでのHPにアクセスを集めるときは、ユーザーはco.jpのなかの情報を検索してくるしかなかった。それが基本的なウェブ1.0の構図だったのですが、ブログでは、トラックバックとか、コメントのリンクとかで、どんどんどんどん見知らぬ人が立ち寄り、情報が広まっていく。いわゆるウェブ2.0といわれたリンク構造というのに、自分が使ってみて、遅れて気が付きました。それで自社でやろうと考えたのです。
とはいっても、始めたばかりのころ、ブログの盛り上がりは大したことはなかったです。僕が社長ブログを書き始めてすぐ2位になって、1位は堀江さんでした。その程度で、芸能人もまだそんなにやっていなかったです。
当時、ブログ界隈ではホリエモンが大人気だったライブドアがあり、「日本のGoogle」とも呼ばれ、ギーク界隈で人気を誇っていた「はてな」が存在感を誇っていた。はてなを使う書評ブロガーの紹介する本がAmazonでバカ売れするなど、少しずつブログの影響力を示し始めていた。また、当時、企業は「ブロガーイベント」をしきりと開催し、自社商品を影響力のあるブロガー(“アルファブロガー”と呼ばれていた)に書いてもらい、ネット上での存在感増を試みていた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
-
生後5日の赤ちゃん、7歳のお姉ちゃんから初めてミルクをもらうと…… 姉も驚きの反応がかわいい
-
9カ月の赤ちゃん、バスで外国人の女の子赤ちゃんと隣り合い…… 人生初のガールズトークに「これは通じあってますね!」「ベビ同士の会話、とろけます」
-
【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
-
「妹が入学式に着るワンピース作ってみた!」 こだわり満載のクラシカルな一着に「すごすぎて意味わからない」「涙が出ました」
-
大谷翔平選手、ハワイに約26億円の別荘を購入 真美子夫人とデコピンとで過ごすかもしれないオフシーズンの拠点に「もうすぐ我が家となる場所」
-
「ケンタッキー」新アプリに不満殺到 「酷すぎる」「改悪」の声…… 運営元「大変ご迷惑をおかけした」と謝罪
-
「ゆるキャン△」のイメージビジュアルそのまま? 工事の看板イラストが登場キャラにしか見えない 工事担当者「狙いました」
-
「ハーゲンダッツ硬すぎ!」と力を入れたら……! “目を疑う事態”になった1枚がパワー過ぎて約8万いいね
-
「そうはならんやろ」をそのまま再現!? 「ガンダムSEED FREEDOM」のズゴックを完全再現したガンプラがすごすぎる
- 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
- 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
- 安達祐実、成人した娘とのレアな2ショット披露 「ママには見えない!」「とても似ててびっくり」と驚きの声
- 兄が10歳下の妹に無償の愛を注ぎ続けて2年後…… ママも驚きの光景に「尊すぎてコメントが浮かばねぇ」「最高のにいに」
- “これが普通だと思っていた柴犬のお風呂の入れ方が特殊すぎた” 予想外の体勢に「今まで観てきた入浴法で1番かわいい」
- 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
- 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評
- お花見でも大活躍する「2杯のドリンクを片手で持つ方法」 目からウロコの裏技に「えぇーーすごーーい」「やってみます!」
- 弟から出産祝いをもらったら…… 爆笑の悲劇に「めっちゃおもろ可愛いんだけどw」「笑いこらえるの無理でした」
- 3カ月の赤ちゃん、パパに“しーっ”とされた反応が「可愛いぁぁぁぁ」と200万再生 無邪気なお返事としぐさから幸せがあふれ出す
- フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
- 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
- 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
- フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
- スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
- 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
- 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
- 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
- がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
- 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」