「餓死するかと思った」「顔に生理用ナプキンを……」壮絶な痛みを乗り越えて、整形女子たちが「かわいい」を求める理由(3/3 ページ)
「いじめられたから顔を直したい」とDMが来ることも
トークの客層は、100パーセント女性。みな真剣に4人の話に聞き入っていて、美容整形を考えているらしき人も多いように見受けられた。会場から寄せられた質問に4人が答える場面もあり、中には「ずっとブスだといじめられていて、男性が苦手です。彼氏もできたことがありません。どうしたらいいでしょうか」という質問もあった。
「誰しも通る道ですね。整形して男性への苦手意識がなくなるかというと、そうでもなくて、悪化することもあると思います。あいつら、顔が変わるとすぐに手のひら返しますから。それで『ああ良かった』となるか『気持ち悪い』となるかはわからないですね。別にそんなに男のこと気にして生きなくて大丈夫だよ」(みゅうちゃん)
「『そっちの顔面はどうなの? 吉沢亮のつもりか?』なんて気持ちでいればいいよね」(明治)
自分の見た目やそれを取り巻く出来事に悩んでいる女の子一人一人の心に寄り添い、そのトラウマを優しく受け止める姿勢を見て、彼女たちがこのイベントを開いた理由に、納得がいった。
「『いじめられたから顔を直したい』とDMしてくる子がちらほらいて、本当に心が痛いんです。自分のことをブスだと思いながら、陰気に鏡見て泣いているんであれば、ちょっと勇気だして整形して、楽しくなるきっかけにしたほうがいい。人生一回だし。誰かの『かわいくなりたい』を後押しできる会になったなら、うれしいです」(みゅうちゃん)
イベントの最初で「整形した理由」を聞いたときは、「誰かが最低な言葉を吐かなければ、時間や痛みをかける必要はなかったのかもしれないのに……」と思いもした。イベントの中では、「結局外見」「かわいくなることが女の子の最終目標」という言葉もあり、「世の中全てがそうでもないよ」と言いたくもなった。
でも彼女たちが経験し、今の「顔」をつかみとってきた過程にあったことから得た実感は、彼女たち自身にしか理解できないことだ。そして彼女たちは決して、誰かの言葉だけにとらわれているのではなく、自分自身の思う「かわいい」にストイックに向き合い、ときには医学や韓国語まで勉強して、美容整形に邁進(まいしん)している。
自分を幸せにするためにお金と時間を使う彼女たちの話を通じて、自分の美意識をも問いかけられる夜だった。
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