「アゲリシャス〜!」でおなじみのゼスプリCMはなぜ面白い? キウイブラザーズ誕生秘話をプランナーに聞いた

売り場に置いてあるキウイブラザーズのぬいぐるみ欲しい(切実)。

» 2019年06月25日 11時30分 公開
[Kikkaねとらぼ]

 「キウイフルーツで〜アゲリシャス〜アゲリシャス〜アゲアゲリシャス〜!」――最近テレビでよく見かけるゼスプリ キウイのCM。「恋のマイアヒ」の替え歌をバックに踊り狂うキウイブラザーズはいかにして誕生したのか、CMプランナーを取材しました。


キウイ キウイフルーツ フルーツ ゼスプリ キウイブラザーズ アゲリシャス キウイブラザーズのお2人。左からグリーンさんと、ゴールドさん

動画が取得できませんでした
「アゲリシャスダンス」篇

キウイブラザーズとは 

 2016年に初登場したキウイブラザーズはさわやかな甘さで知られるグリーンキウイをモチーフにした「グリーン」と、トロピカルな甘さで黄色がかった果肉が特徴のサンゴールドをモチーフにした「ゴールド」からなる兄弟。ニュージーランドの農場ですくすくと育った後、日本のスーパーマーケットへとやってきました。


キウイ キウイフルーツ フルーツ ゼスプリ キウイブラザーズ アゲリシャス グリーンキウイ

キウイ キウイフルーツ フルーツ ゼスプリ キウイブラザーズ アゲリシャス サンゴールドキウイ

 公式サイトによると、キウイブラザーズの緑色の方「グリーン」は、「まじめで正義感が強く、しっかり者」な性格。趣味は「お総菜コーナーまでの散歩」で、チャームポイントは「ワイルドな柔毛」。座右の銘は「蒔かぬ種は生えぬ」とのこと。

 対して黄色い果肉の「ゴールド」は「陽気でのんきな甘えん坊」な性格。趣味は「タイムセールの見学」で、チャームポイントは「つぶらな瞳」。座右の銘は「果報は寝て待て」と、それぞれ性格に差があるようです。

 2016年に公開された第1弾のCMでは「キウイはビタミン〜だけ〜じゃな〜い」とクセになる歌声を披露したブラザーズですが、第2弾では他のフルーツから見た目を「パッと見、じゃがいもみたい」とバッサリいかれて「じゃ、じゃがいも!?」とショックを受ける自虐系CMにシフト。

2016年公開CM


キウイ キウイフルーツ フルーツ ゼスプリ キウイブラザーズ アゲリシャス 第1弾のCMでは美声を披露したキウイブラザーズ

キウイ キウイフルーツ フルーツ ゼスプリ キウイブラザーズ アゲリシャス ジャガイモDisに傷つくキウイブラザーズ

 2017年には選ばれしキウイにのみ授与されるというゼスプリのシールをいろいろな言い方でアピールしまくった他、2018年には完熟のキウイがどれだけおいしいかをアピールしたいあまり、キウイブラザーズが合体ロボットになってしまう「完熟キウイ」編などが公開となり、それぞれ好評を博してきました。

2017年公開CM


キウイ キウイフルーツ フルーツ ゼスプリ キウイブラザーズ アゲリシャス シールに誇りを持つキウイブラザーズ

キウイ キウイフルーツ フルーツ ゼスプリ キウイブラザーズ アゲリシャス いろいろな言い方でシールの重要性をアピールするキウイブラザーズ

2018年公開CM


キウイ キウイフルーツ フルーツ ゼスプリ キウイブラザーズ アゲリシャス 「キウイは酸っぱいぱい」ソングに号泣するキウイブラザーズ

キウイ キウイフルーツ フルーツ ゼスプリ キウイブラザーズ アゲリシャス なぜか合体ロボットと化すキウイブラザーズ

 それにしても気になるのは、キウイブラザーズ誕生の経緯。ねとらぼ編集部では、CMをプランニングしたクリエイティブ・ディレクターの北田有一さんを取材しました。

明かされたキウイブラザーズの秘密

――キウイブラザーズ誕生の経緯を教えてください。

北田定番の果物であるゼスプリのキウイフルーツは、毎年、革命的な新商品が出るわけではありません。長期的な視点でゼスプリキウイのイメージを醸成しようと考えたときに、ニュージーランドのキウイ農家さんが長期的な視点でキウイを育てるように、「長期的にみなさんから愛されるキャラクターを作るべき」と考えて誕生しました。

 世の中には既にさまざまなキャラクターがいますが、われわれが当初から意識していることは、瞬間風速的にブームが起きて愛されるのではなくて、長期間をかけて愛されるキャラクターを作ること。そのためには、キャラクターとしての基礎(世界観や設定、デザインのルールなど)をしっかりと作り上げた上で、少しずつ新しいことにチャレンジしていくことが大切だと考えています。


キウイ キウイフルーツ フルーツ ゼスプリ キウイブラザーズ アゲリシャス

――キウイブラザーズは世界で活躍しているのでしょうか。日本限定のキャラクターですか。

北田2016年に日本で生まれ、最初の2年は日本だけで展開していましたが、デビューが成功し、調査でも人気があることが分かったため、2018年にはオランダのゼスプリ、2019年からは韓国など複数国のゼスプリが使用しています。

――2016年から「じゃがいも」と自虐ネタを盛り込んだり、戦隊ロボット風の合体をしてみたりとユニークなCMが続いていますが、プランナーは継続して同じ方でしょうか。

北田誕生当初から同じクリエイティブ・チームで担当しています。アートディレクターは関戸貴美子、コピーライターは木下舞耶、ディレクターは久間敬一郎さんです。

――キウイCMにおける“これだけは譲れないルール”のようなものはありますか。

北田キウイブラザーズはフルーツですので、青すぎず、熟し過ぎず、フレッシュな若者たちのやりとり、という設定を大切にしています。

――実はあまり知られていないキウイブラザーズの設定があれば教えてください。

北田グリーンは王道の味なので、目の中のキラキラが1つ。ゴールドは甘みが強く親しみやすいため、目の中のキラキラが2つです。

――キウイブラザーズの声を担当しているのはどなたでしょうか。

北田キウイブラザーズの声は、向かって左にいる、緑の果肉のキャラは、「グリーン」が担当。向かって右にいる、黄色の果肉のキャラは、「ゴールド」が担当しております。

アゲリシャスCMの反響

――新CM「アゲリシャス」では懐かしの名曲「恋のマイアヒ」の替え歌が展開されています。今回 「恋のマイアヒ」 をCMソングに起用した決め手を教えてください。

動画が取得できませんでした
「みんなでアゲリシャス」編

北田定番のフルーツであるがゆえ、多くの方から、キウイの味は「当たり前で平凡なもの」という印象を持たれてしまっていることに気付きました。

 しかし本来、ゼスプリでは、安定しておいしいキウイを届けるために、品質管理において数えきれないほどの進化や企業努力を重ねており、実際に年々キウイがおいしくなっていることに気づいてくださるお客さまもいらっしゃいました。

 そこで、あらためて、より多くの方に、キウイのおいしさを再発見してもらうために、キウイを食べた後の感情を、他の食べ物とは違う「新しい言葉」で定義してみよう、ということから、プロジェクトは始まりました。まず、200案以上の言葉の中から、キウイを食べた時の「高揚感とおいしさ」が最もよく伝わる「アゲリシャス」をフレーズとして選定。次に、その気分が最もよく伝わる曲は何かと考え、「恋のマイアヒ」の気分がアガる感じとハッピーな雰囲気がぴったりだということで、替え歌にさせていただきました。

――「アゲリシャス」CMの反響はいかがですか。

北田予想を超える大反響をいただいておりまして、大変感謝しております。5月30日より参加型のキャンペーン(6月25日締め切り)を行っておりますが、最初の2週間で既に5万人を超える応募がありました。


キウイ キウイフルーツ フルーツ ゼスプリ キウイブラザーズ アゲリシャス アゲリシャスバイトのキャンペーンも大人気

 他にも、今回のように「ねとらぼ」さんに取材していただけたり、有名芸能人の方がテレビ番組の中で歌ってくださったり、アーティストがツイートしてくださったり、YouTuberがアゲリシャスのゲームを作ったり、小学校の運動会や自分の結婚式で流したいという問い合わせもいただいたり、自然派生的にたくさんの方に広がっていると実感しております。また、最もうれしいのは、たくさんの方がミュージックビデオをご覧になり、「アゲリシャス」や「サゲリシャス」といった言葉を、日常の中で自然に使って頂けるようになっていることです。

――日常的に、といえば私もキウイブラザーズのLINEスタンプを使わせていただいています。最後においしいキウイの見分け方や食べごろの見分け方、今後の展望などを教えてください。

北田キウイを手で包み込むように持って、やさしくニギニギとしてみてください。ほどよい弾力を感じれば、食べごろです。

 世界的な対立や暗いニュースが多い2019年のニュースですが、2019年の流行語の1つとして「アゲリシャス」なゼスプリのキウイを思い出していただき、少しでも皆さまを明るい気持ちや楽しい気分にできたらと思います。


歴代CM集

「キウイはビタミンだけじゃない」登場編
「キウイはビタミンだけじゃない」フルーツトーク編
「甘さも、栄養も、たっぷり!」選ばれしキウイ編
「甘さも、栄養も、たっぷり!」ゼスプリのシールは編
「酸っぱくない」編
「完熟キウイ」 編

(Kikka)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
先週の総合アクセスTOP10
  1. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  2. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  3. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  4. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  5. 田代まさしの息子・タツヤ、母の逝去を報告 「あんなに悲しむ父親の姿を見たのは初めて」
  6. 「遺体の写真晒すのはさすがに」「不愉快」 坂間叶夢さんの葬儀に際して“不適切”写真を投稿で物議
  7. 大友康平、伊集院静さんの“お別れ会”で「“平服でお越しください”とあったので……」 服装が浮きまくる事態に
  8. 妊娠中に捨てられていた大型犬を保護 救われた尊い命に安堵と憤りの声「絶対に許せません」「親子ともに助かって良かった」
  9. 極寒トイレが100均アイテムで“裸足で歩ける暖かさ”に 今すぐマネできるDIYに「これは盲点」「簡単に掃除が出来る」
  10. 「奥さん目をしっかり見て挨拶してる」「品を感じる」 大谷翔平&真美子さんのオフ写真集、球団関係者が公開
先月の総合アクセスTOP10
  1. 釣れたキジハタを1年飼ってみると…… 飼い主も驚きの姿に「もはや、魚じゃない」「もう家族やね」と反響
  2. パーカーをガバッとまくり上げて…… 女性インフルエンサー、台湾でボディーライン晒す 上半身露出で物議 「羞恥心どこに置いてきたん?」
  3. “TikTokはエロの宝庫だ” 女性インフルエンサー、水着姿晒した雑誌表紙に苦言 「なんですか? これ?」
  4. 1歳妹を溺愛する18歳兄、しかし妹のひと言に表情が一変「ちがうなぁ!?」 ママも笑っちゃうオチに「かわいいし天才笑」「何度も見ちゃう」
  5. 8歳兄が0歳赤ちゃんを寝かしつけ→2年後の現在は…… 尊く涙が出そうな光景に「可愛すぎる兄妹」「本当に優しい」
  6. 1人遊びに夢中な0歳赤ちゃん、ママの視線に気付いた瞬間…… 100点満点のリアクションにキュン「かわいすぎて鼻血出そう!」
  7. 67歳マダムの「ユニクロ・緑のヒートテック重ね着術」に「色の合わせ方が神すぎる」と称賛 センス抜群の着こなしが参考になる
  8. “双子モデル”りんか&あんな、成長した姿に驚きの声 近影に「こんなにおっきくなって」「ちょっと見ないうちに」
  9. 犬が同じ場所で2年間、トイレをし続けた結果…… 笑っちゃうほど様変わりした光景が379万表示「そこだけボッ!ってw」
  10. 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」