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舌が麻痺しない! 麻婆豆腐専門店で辛すぎない激ウマ麻婆豆腐を食べてきた

麻婆豆腐は1種類でランチタイムは定食のみ。そんな赤坂の「麻婆豆腐専門店」を訪れた。日本人の舌に合う辛さに調整した麻婆豆腐は、十分辛さを感じられつつも辛すぎない絶妙なうまさだった。

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 飲食業界にさまざまな専門店が登場しているが、赤坂に「麻婆豆腐専門店」ができたらしい。しかも麻婆豆腐は1種類でランチタイムは定食のみの提供だ。シンプルな麻婆豆腐の何がウケているのだろうか。


麻婆豆腐定食

辛すぎる麻婆豆腐は「刺激物」でしかない


東京麻婆食堂

 千代田線赤坂駅(東京都港区)から徒歩3分ほど。ランチ需要の多そうな立地に「東京麻婆食堂」はある。赤い看板や中華っぽくないおしゃれな外観が目を引く。

 出迎えてくれたのは店長の鶴保裕介さん。以前は軽井沢でおよそ3年間中華料理店を営んでいた。お客さんは主に別荘族という限られた層。より多くの人に自分の料理を食べてほしい――そういった思いから、東京で店を出すことに決めたという。

 でも、なぜメニューを麻婆豆腐1つに絞ったのか? 「当時、店で1番人気のメニューだったからです」と鶴保さん。ポイントは本場の味と香りを保ちつつ日本人の舌に合う辛さに調整したこと、化学調味料を一切使わないことの2つ。軽井沢時代の味を今もそのまま体現している。


店長の鶴保裕介さん

 麻婆豆腐を食べるなら本場のものを食べたいと思う人も多いだろう。しかし、本当に本場と同じものが出てくると、実際は涙が出るくらい激辛となっている。鶴保さんは「幼い頃から辛いものを食べ慣れてきたわけではない日本人の感覚には合わない」と話す。

 唐辛子を3分の1から半分程度減らしているが、それでも十分辛さを感じられるようにしている。山椒のしびれも感じられるが、嫌な後味の原因となる化学調味料をなくしたことで、舌や口周りがピリピリしないのが嬉しい。

「今日は麻婆豆腐を食べたい!」と訪れる客

 赤坂の街中に位置しているため、ビジネスマンを中心に、ランチに訪れる人が多い。定食は1000円というそこそこの価格だが「本格的な麻婆豆腐をこの価格で食べられるなら」と、赤坂界隈の大人たちに人気だという。お昼の12時から12時半のピーク時を中心に、ランチタイムには1日およそ60〜70人が訪れる。


おしゃれな雰囲気の店内

 ランチは麻婆豆腐、ライス、スープ、ザーサイの「麻婆豆腐定食」1種類のみ。「●●入り麻婆豆腐」のように変化球メニューをひとつも出さないのには理由がある。

 「正統派の麻婆豆腐を食べてほしいんです。お客さんには『麻婆豆腐を食べたい!』と目的意識を持って訪れる方が多いです。そう思い立つのも2〜3週間に1度くらいのものでしょう。赤坂にはほかにもいろいろな飲食店がありますから。それを考えると変にバリエーションを増やす必要はなく、きちんとした定番のものを味わっていただければいいのではと考えています」(鶴保さん)

 近隣オフィスから5分以上かけて歩いてくるお客さんも数多くいる。男女比は男6:女4と男性がやや多め。面白いのは男性が20〜50代と幅広い年代に対し、女性は20代後半〜30代前半がメインだという点だ。香辛料が含まれているので、デトックス効果も期待される麻婆豆腐。「血行が良くなる」「汗をかくので身体にいい」といった感想も女性たちの間では聞かれるそう。

しびれる手前の辛さに調節した日本人向けの味

 私も麻婆豆腐定食をいただいてみた。鉄の器の中で煮えたぎる熱々の麻婆豆腐……見ているだけでヨダレが出てしまいそう。ネギは具材として入っているだけではなく、上にもたっぷりと載せてあり、さわやかな香りが広がる。いただきます!


麻婆豆腐定食

 一口目で「うまいが普通に辛い!」と感じた。正真正銘、おいしい麻婆豆腐の味。でも不思議なことに、辛いと思った後の嫌なヒリつき感が一切ない。これまでは辛い麻婆豆腐を食べると、普通は水を飲んでもごはんを食べても、舌全体がびりびりしてたまらなかった。ところがその感覚がゼロ。「しびれる一歩手前の辛さにしている」という鶴保さんの説明に納得する。


熱々の麻婆豆腐

 辛いのに箸が進む。ごはんも進む。ちなみにおすすめの食べ方は、ごはんの上に麻婆豆腐を載せて食べること。少しずつ載せて「麻婆豆腐丼」にしていただいてみる。どうしてもごはんが足りなくなり、お代わりさせてもらった(お代わり無料)。この間、汗がにじみ出てくるのは、身体中がポカポカしてきたせいだ。冷え性が改善されそう。


ごはんに載せて

 途中で大根のスープで一休みする。やさしい味わいだ。刺激はないとはいえ、辛くて身体中が熱くなるので、休憩は必要。それにしてもおいしい。これほどさわやかな味わいで、ごはんに合う麻婆豆腐は初めてかも。ごちそうさまでした! おいしくいただきました。

 昔は日本ヒューレット・パッカードで営業職をしていたという鶴保さん。人が作ったものを売るのではなく、自分で1から作ったものを売りたいと30歳で料理の道を志した。「おいしいものは変わらない」をモットーに作り続けられる麻婆豆腐を一度味わってみてほしい。


夜は麻婆豆腐以外のメニューも少しある

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