ITmedia ガジェット 過去記事一覧
検索
ニュース

各国のアイデアが面白い! 「Imagine Cup 2014」優勝チームにはビル・ゲイツへプレゼンのチャンスが

「Imagine Cup 2014」世界大会で印象的だった4つのチームのプレゼンテーションをレポートする。

PC用表示 関連情報
advertisement

 米国時間7月29日から8月2日までの5日間、マイクロソフト主催の学生向けITコンテスト「Imagine Cup 2014」世界大会がシアトルで開催されている。米国時間7月30日には、ワシントン大学で各国の代表チームが審査員らの前でプレゼンテーションを行った。同コンテストの結果発表は8月1日(米国時間)。その前に印象的だった4つのチームのプレゼンテーションをレポートしたい。


カナダ:演奏をリアルタイムに楽譜に書き起こすシステム

 カナダの代表チーム「claVision」は、キーボード演奏をリアルタイムに楽譜に書き起こすシステム「claVision(Visual Automatic Piano Music Transcription)」を開発。claVisionは、楽譜(5線譜)の記譜法の知識がなくてもキーボードで演奏した音を瞬時に楽譜に書き起こしてくれるシステムだ(デモンストレーションはこちら)。

画像

 claVisionは、「音」ではなく「キーボードの動き」をカメラで認識して楽譜を書き起こす仕組み。これまでにも、キーボード演奏を楽譜に書き起こすシステムは多く存在しているが、このclaVisionのように鍵盤の動きをカメラで認識して譜面に書き起こすという仕組みは前例がないとして注目を集めている。

 このシステムでは、鍵盤の数やカメラの細かな角度に左右されずに記譜が可能。そのため、ライブコンサート会場などでのさまざまなシチュエーションでの使用が想定できる。ただし、現状では周りの光の加減でうまくキーボードを認識できないなど課題もあるようだ。

画像

 実際にデモを体験してみると、わずかな演奏時間のズレで想定している音符の長さが記譜されなかったり、隣の鍵盤に少し触れてしまっただけで楽譜に触れてしまっただけの音が記載されてしまうなどといった問題点も見えた。しかし、キーボードで弾いた音がカメラ認識によりリアルタイムで瞬時に楽譜に反映されるという新たな体験には、ゾクっとするほどの感動を覚える。さらに、その楽譜が紙として印刷されるのもうれしい。


バーレーン:好きな色のマニキュアを作れるミキサー

 最近日本でもネイルアートが流行っているが、女の子はちょっとした色の違いにもこだわりがある。同じ黄色でも「もう少し明るい黄色がいい」とか「緑に近い黄色にしたい」とか、わずかな色の違いにも敏感だ。

 しかし、ネイルサロンや市販のマニキュアに置いてある色は限られており、理想となるべく近い色で妥協することもしばしば。そんな女子たちの指先のおしゃれに、今小さな革命が起きようとしている。

画像

 バーレーンの代表チーム「ButterFly」は、好きなマニキュアの色を作れるミキサー「Nail Polish Mixer」を開発した。写真などの画像やカラーチャートから色を選択するだけで、わずか50秒たらずで好みの色のマニキュアが自宅やサロンで作れるという。さらに、その選択した色データが蓄積され自分の好きな色のデータベースも作成される。

 プレゼンテーションではNail Polish Mixerのプロトタイプを持参するだけでなく、販売を想定して段ボール素材のラッピングも用意。「本当にゼロから手作りなので、Nail Polish Mixerは私たちのベイビーのような存在です」(バーレーン代表チーム)。そのプロトタイプの完成度の高さとアイデア、思いの強さに会場はうなった。

画像
1番始めのプロトタイプ
画像
5番目に作成した最新のプロトタイプ。初期のものに比べ、大幅な小型化が進められている

キプロス:電化製品と連動し、節約プランを提案してくれるサービス

 キプロスの代表チーム「ij Developers」は、家庭内電力を調整できるシステム「LADYBUG」を開発した。LADYBUGは、照明などの電化製品と連動することで電気の消費時間のデータを収集し、節約プランを提案してくれるサービスだ。

 さらに、デバイスに関係なくブラウザ上で電源管理ができ、Windows Phoneに付属されている音声認識機能「Cortana(コルタナ)」を使えば、「電気を消して/つけて」という音声に反応して遠隔からも操作できる。

画像
「LADYBUG」
画像
動画が取得できませんでした
過去のプレゼンテーション動画

日本:ぬいぐるみをインターフェイスにした遠隔コミュニケーションシステム

 日本代表チーム「kazokugurumi」は、ぬいぐるみをインターフェイスにした遠隔コミュニケーションシステム「Cuddly Connect」を発表した。テレビ通話を行う際に従来用いられていスマートフォン端末やPCといったインターフェイスを「ぬいぐるみ」とすることで、子どもでも楽しみながらコミュニケーションがとれるようになる。

画像

 Cuddly Connectでは、ぬいぐるみの鼻部分に内蔵されたカメラによって子どもとテレビ通話ができるだけでなく、相手がKinect越しに手を振るとそれに合わせてぬいぐるみの手が動く。

画像
「Imagine Cup 2014」世界大会の日本代表チーム「kazokugurumi」のプレゼンテーション

 Imagine Cup 2014への応募国数は34カ国、応募総数7491、応募チーム数1万1658、応募学生数1万6892人。この世界大会の各部門優勝チームには5万ドルの賞金が、その中から勝ち抜いた最優秀チーム(ワールドチャンピョン)にはビル・ゲイツ氏へのプレゼンの機会が与えられる。結果発表は、米国時間8月1日。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る