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2015年は6月18日〜7月17日! ラマダン(断食月)にイスラム圏に行く人が注意すべきこととは?

自分は断食しないから関係ないと思いきや、実はそうでもないんです……。

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 イスラム暦の9月、ラマダン。イスラム教徒の義務の一つとして、ラマダンの1カ間は、日の出から日没までの飲食を断つことが奨励されています。イスラム暦は太陰暦なので、年によってラマダンの日程は変わります。夏になる年もあれば、冬になる年もあるのが異教徒には難しいところ。また、断食をしているイスラム教徒と接するときに、どんなことに気をつければ良いのかもなかなか判断が難しいですよね。


ラマダンはイスラム教徒にとって神聖な月

 中東だけでなく、アジア、アフリカにも、イスラム教徒が多く住む地域はたくさんあります。2015年のラマダンは6月18日〜7月17日で、中東や北アフリカでは真夏にあたります。真夏の日中に断食をし、水さえ飲めないというのは大変負担がかかること。この期間にイスラム諸国へ渡航する人はどんなことに気をつけるべきか、インターナショナルSOSがまとめました。

昼間、人前で飲食や喫煙をしない

 ほとんどのイスラム諸国では、断食時間(太陽が出ている間)中に人前で飲食や喫煙を行うのは不作法とみなされます。公共交通機関や自家用車で移動する時間も同じです。

 エジプトなど、人前で飲食をしないのが礼儀に過ぎない国もありますが、サウジアラビアやヨルダン、オマーン、UAEなどではイスラム教徒であろうとなかろうとすべての人に義務として課せられているため、レストランやカフェは日中は閉店しています。ホテルなどでは、イスラム教徒以外にだけ、仕切られた飲食エリアやルームサービスで食事を提供していますが、出発前に現地の法律や習慣を確立しておいたほうが良いでしょう。

適切な服装をする

 もともとイスラム圏の多くの国では、透ける服、短すぎる服、襟ぐりが深い服、体のラインが出る服(特にショートパンツ、ミニスカート、ノースリーブ)はNGですが、とくにラマダンの間は気をつけるべきです。

 ラマダンの神聖月は、イスラム教徒にとって、敬虔(けいけん)、質素、節制の時期です。ショッピングモールやホテル、レストランなどを訪れる場合、夕方のイフタール(断食明けの食事)に訪れる場合にも、肌の露出が多い服、体のラインが出る服は避けましょう。

商談はできるだけ午前中に、ランチミーティングはNG

 ラマダン中は多くの国で労働時間が短縮され、業務時間が短くなります。イスラム教徒との商談は、相手が疲れておらず集中できる午前中に予定するのが最適です。また、昼食を取りながらのミーティングをしたり、商談を予定より長引かせないなど、断食を行う人を気遣って配慮すると良いでしょう。

 自分が食事をする場合でも、断食をしている人の前での飲食は避け、離れたところでとること。また、断食中のイスラム教徒から軽食を提供された場合、お断りするのが礼儀といえます。

食事、娯楽のスケジュールは柔軟な対応を

 ラマダン中、多くの場所でライブ音楽が禁止され、ダンスクラブは休業となり、バーは禁酒になります。日中、大きな音で音楽を聴いたり、ガムをかんだりするのも避けるべき。

 また多くのイスラム諸国では、日没前の時間に交通量が多くなり、渋滞が起こります。ラマダンによる低血糖で運転中の集中力が落ちるため、事故率が高いのもこの時間帯。移動は避けたほうが無難です。そして夕方はショッピングモールも非常に混雑します。

 日没後は多くのレストランがイフタールの給仕で忙しくなります(日中は断食をしている分、日が暮れてからごちそうを食べます)。ラマダン期間中はレストランで夕食の予約をとるのは避けた方がいいでしょう。


ラマダン期間中、ショッピングモールは夕方から大混雑します

 このように、ラマダン期間中は渡航者の行動がいろいろと制限されます。自分は断食をしなくても、断食中の人たちに配慮した行動を取りたいものですね。

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