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「そうだ難民しよう!」 シリア難民を「不法移民」扱いするイラストが物議、元写真の撮影者からは怒りの声

Facebookに画像の削除を求める署名活動も行われています。

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 Facebookに投稿された、ある1枚のイラストが大きな話題となっています。シリア難民の一部に「不法移民」の疑いがあるとし、「他人の金」で安定した暮らしをしようとしているのではないかとするものです。




移民難民問題

 薄汚れた幼い中東系の女の子が描かれ、その周りには次の文章が書かれています。「安全に暮らしたい。清潔な暮らしを送りたい。美味しいものが食べたい。自由に遊びに行きたい。おしゃれがしたい。贅沢がしたい。何の苦労もなく生きたいように生きていきたい。他人の金で。そうだ難民しよう!」

 同イラストは投稿後から賛否さまざまなコメントが送られましたが、次第に「差別的な表現である」「シリア難民の実情を分かっていない」など、公開自体を問題視する意見が多数集まったことにより炎上、一時的にFacebook運営によって強制的に非公開にされました。しかしその後、投稿者自身が非公開処置が不服であると申請したところ、Facebook運営はこの申し立てを受理。再度公開され、その後は「問題ない」として通報を一切受け入れていません。



 しかし、今なおFacebook運営の再公開処置に納得のいかないユーザーも多く、非公開を求める署名運動にまで拡大。賛同者も多く集まり、今なお騒動が続いています。


シリア 署名サイト

 イラストの投稿者は本件についてFacebookで、「当該イラストは芸術作品です。芸術とは様々なものの見方ができるものです。ですので自分が導き出した解釈が気に入らないからと言って、作者に自分の意見を押し付け撤回させるのはナンセンスです」「当該イラストが色々賛否両論交わされていますが、私はそれはそれで良いと思います。日本は言論の自由があります。皆さんが法の許す範囲内で自分の主張を展開するのは実に健全な姿であると思うからです」とコメントしています。

 また、同イラストには差別に関すること以外にも、もう1つ問題点があります。それは、同イラストが海外で撮影された難民の写真をトレースしたのではないかと言われており、トレース元と思われる写真の撮影者が「このような邪悪な偏見のために無垢な子どもの写真が使われたことに、ショックと深い悲しみを覚えます」「シリアの人々が苦境に立たされているのにこんな間違った表現をするとは、何という恥知らずだ」と苦言を呈したのです。







 イラストの投稿者は差別問題にはコメントしていますが、こちらの問題については現在のところコメントをしていません。いろんな意味で物議を醸している本件、どのような形で決着するのでしょうか。

※10月7日 一部内容を修正いたしました



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