ITmedia ガジェット 過去記事一覧
検索
ニュース

日産の「行列を自動で移動してくれる椅子」に乗ってきた! まさに行列アトラクション

楽しかったー。

advertisement

 日産自動車の自動運転技術から着想を得て製作された動く椅子「プロパイロットチェア」が羽田空港のカレーうどん店に一日限定で設置されました(関連記事)。誰でも体験可能といわれれば行くしかないですよね。動く椅子を体験して、ついでにカレーうどんも食べてきました。開発者にお話を聞くこともできましたよ!

プロパイロットチェアのチラシ これに乗りに行くのだ

 プロパイロットチェアが設置されたのは、羽田空港第1ターミナル2階出発ロビーにあるカレーうどん店「cuud(クウド)」の店頭。羽田空港って第1ターミナルと第2ターミナルがあるんですね。当初間違って第2ターミナルに行ってしまい全く動く椅子を見つけられず、何かのまやかしにあったかと思いましたが、空港内を30分以上歩きまわって見つけました!

これに乗るのだ

 先頭のお客さんがお店に入ると、自動で先頭の椅子が後ろに移動し行列が進みます。並んでいるお客さんは座っているだけでいつの間にか行列の先頭です。前が空いたからといちいち立ったり座ったりして詰める必要がないんです。

プロパイロットチェアに乗っているみなさん 椅子が勝手に動いてます

 向かって右側に制御用のPCがありましたが、椅子が動いている間特に操作はしていませんでした。今日は何かあったら緊急停止するために人がいただけだそうです。

制御用ぽいパソコン 本当に何も操作していない

 そして、なんと体験していた方のなかに「ねとらぼの記事を見て来たんです」とうれしいことを言ってくださる方が! 感想を伺ったところ「ちょうど空港に用事があったので寄ってみたんです。今日はいい体験できました」と笑顔で答えてくれました。カレーうどんもちょっと変わった味でおいしかったそうです。よかった。よかった。

開発担当者に仕組みを聞いてみた

 椅子が自動で動く仕組みをお伺いしました。イメージセンサーが椅子の足元部分4方向についています。RGB以外にも赤外線センサー、距離を測るデプスセンサーも使っているので暗い場所でも動作するそうです。

椅子足元の黒い箱の真ん中が光っている 緑に光っているところがセンサー

 さらに体重を量るセンサーで人が立ったり座ったりするのを感知できるようになっています。椅子自身のステータス情報(隣の椅子を追従しているところです、など)もWi-Fiで発信していて、相互にその情報を読み取ったりもしているそうです。

 これらのセンサー情報を元に動作がプログラムされています。今回の「行列を自動で詰めてくれる」という動きであれば、(1)右に椅子があれば追従(2)右側の赤いコーン(行列の先頭)に一定距離まで近づいたら停止して前進(3)左(行列の最後尾側)に赤いコーンがあれば左へ移動(4)左の赤いコーンと一定距離になったら後進、というプログラムで実現しているそうです。なので急に途中の席の人が立ち上がっても、真ん中の椅子が後ろに回ることはなく、空席が先頭まで行く、という動き方をします。

赤いコーンに近づく椅子 赤いコーンと一定の距離に近づくと止まるのだ

左の赤いコーンに向かって動く椅子 奥の赤いコーンを目指してます

 タイヤは360度動けるようになっているので斜めにも動けます。バッテリーで動作しているせいもあって、その重量はなんと椅子1個で40キロもあるそうです。自動で動いてくれなかったら、自分では動かせないですね。

羽田空港の担当者に聞いてみた

 羽田空港の担当者に「動く椅子」を設置した理由を伺ってみると、「Haneda Robotics Labという羽田から技術を発信していく取り組みをしているところでした。動く椅子は退屈な行列を楽しいアトラクションに変えられる。そういう発想は今までになかったなと感じたので応募しました」とのこと。今回体験した方々が皆さん一様に笑顔があふれていたので、本当にやって良かったと思うと話していました。

Haneda Robotics Labの説明 今後もおもしろいロボットイベントあるのかな

 ちなみにこのお店、実は普段あまり行列ができることはないそうです。空港なので時間に余裕がない人も多く、並んでいると他の店に行ってしまう傾向も強いので、行列ができたとしてもお昼の混雑時間帯くらい。今回はそんなことより、行列アトラクションを楽しんでもらいたいという目的だったそうです。

動く椅子撤去後の店頭 イベント後に見に行きましたが、普段は椅子を置いていないスペースでした

私も乗ってみた

 さあ、この動く椅子行列アトラクション! 私も乗りたい。乗りたい。是非乗りたい。タンスの中にある洋服をかき集め、プロパイロットチェアのポスターの人に似た洋服を着てきたくらいの気合いの入れようです。YouTuberもビックリのオシャレな雰囲気の動画を是非撮りたいと思って来たのです。私の撮影前には日産の担当の方が映像を撮っていたのですが、それがものすごい美人さんで、私もあんな感じで動画に映りたいと臨んでみたものの、実際乗ってみたらいろいろ余裕がなく、何がしたかったのか分からない動画が撮れました。ごめんなさい。

動く椅子に座ったところ 結構、緊張してます

 目の前を無人の椅子が通り過ぎていったら、そりゃ見ちゃいますというシーンを撮りたかった。

目の前を通り過ぎる椅子 ( ゚Д゚)この顔をしているつもりだった

 格好つけてドヤリングしていても、慣性の法則にはかなわない。椅子が動き始めると進行方向逆側に体が振られます。私体幹弱いのかな。

斜めに座ってドヤリング進行方向逆側に体がふられる F=maに逆らえなくて

 横方向だけでなく微妙に前後にも動くのでドキドキしちゃいます。椅子が動くという非日常的な感覚は羽田の方の言葉通り行列アトラクションでした。待ち時間が楽しくなりますね。あと10回は乗りたい。あと病院にも設置して欲しい。

思ったよりシュールな動画が撮れました

カレーうどんを食べてみた

 動く椅子が設置されたのはカレーうどん店。ここまで来たらカレーうどんも食べたいじゃないですか。羽田空港の方におすすめのカレーうどんを聞いてみるとメニューは「店の前のディスプレイで見られますよ」とのお言葉。確かに、店の前の壁にタブレットが埋め込まれて、押したらメニューやおすすめの食べ方が出てくる!

カレーうどん店前のディスプレイ ハイテクすぎるぞ羽田空港

 最近の羽田空港は「日本の原点に返る」がテーマで、この店は和風だしを使っているのが特徴だそうです。店内に入ると魚系のだしのいい香りがただよっています。まさにだし温浴。しかも、内装がとてもオシャレ。紙エプロンも置いてあるので白い服でも安心です。私はおすすめと言われた「ハーフ&ハーフ(税別1297円)」を注文しました。ハーフ&ハーフはカレーうどんとトマトカレーうどん両方が楽しめます。

ハーフ&ハーフ ハーフサイズのカレーうどん2種とご飯とだしとピクルス

 このカレーうどんには「おすすめの食べ方」があり、この方法で食べると手順を踏むごとにどんどんおいしくなるのです。まずはそのままのカレーうどんを食べます。その印象は「いい食材を使ったカレーうどん」。ここにご飯を入れると「あ、これもいいね! 合う!」とハートが3つ頭の右上に浮かぶ感じです。

カレーうどんカレーうどんにご飯 カレーうどんを楽しんでから、ライスを入れる

 次にだしを入れます。これが、また良く合うんです。カレーは味が濃いめに作ってあるので、最初おいしいカレーもだんだん重くなってきます。そこにだしを入れるといい感じになるのです。そして最後に野菜のピクルスにカレーを絡めて食べると、その酸味で口腔内がスッキリさっぱり。ハマる味でした。

カレーうどんに出汁カレーに野菜を絡めて だしを入れて楽しみ、野菜で楽しむ。どれも合う

 楽しい椅子のアトラクションとおいしいカレーうどんを堪能することができ、ステキな一日となりました。この「動く椅子」の展示、今後の予定を日産の方に聞いてみましたが残念ながら全くの未定とのこと。また乗る機会があったらいいですね!

 今回たくさんのメディアが取材に来ていて注目度の高さがうかがえました。しかし、カレーうどんまで食べたメディアはねとらぼだけ(多分)。取材後展望デッキに遊びに行ったのはねとらぼだけ!(確信)

展望デッキから飛行機の着陸を眺める 搭乗時にスターウォーズの曲が流れるとうわさの「C-3PO ANA JET」かな!?

高橋ホイコ

関連キーワード

椅子 | うどん | 羽田空港 | 動画 | 日産自動車


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る