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「不具合で隣の個室と連動」コミュ力が試されると話題のウォシュレット、実はイタズラ 実際起き得るかメーカーに聞いた

5年前の画像が出回り、SNSで話題になっていました。

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 「CAUTION! このウォシュレットは不具合により、隣のウォシュレットと連動してしまいます」とトイレに貼られた張り紙がSNS上で話題になっています。しかしこの張り紙、5年前に名古屋大学の学生が行ったイタズラでした。


名古屋大学トイレ張り紙 名古屋大学のトイレに貼ってあったという張り紙を再現したもの(編集部作成)

 話題になっているのは名古屋大学・工学部5号館のトイレ内に貼られていたという張り紙。「隣の個室に人がいる場合のご利用は、お互いの意志の疎通を図り、気持ちよく利用しましょう」などとお知らせしています。 

 しかしこの張り紙が発見されたのは2012年4月のこと。当時名古屋大学の学生がFacebookに画像を投稿していましたが、最近になって別のユーザーが画像をツイート。再び話題になっています。

名古屋大学が語る、張り紙発見当時の状況

 それにしても気になるのは、「本当にトイレに不具合が発生していたのか」。名古屋大学工学部にお話を聞きました。

 担当者によると、確かにそうした話は聞いたことがあるとのこと。当時「張り紙が貼られている」との情報が工学部・総務課に寄せられ、職員が急行。状況を確認したところ張り紙に書かれていたような不具合は確認されなかったため、職員が面白いなと思いつつ剥がしたそうです。

 担当者は「現在その画像が話題になっているということは知りませんでしたが、当時の学生による遊び心を持ったイタズラだったのではないかとみています」と語りました。

トイレメーカーに聞く、「シャワートイレ連動」の不具合はあり得るのか

 名古屋大学では幸いそうした不具合は起きていなかったようですが、実際に「リモコンの不具合で、別の個室と動作が連動してしまう」ということはあり得るのでしょうか。シャワートイレを取り扱うメーカーを取材しました。

 まずお話を聞いたのは、話題になった画像にも写っていたINAX製品を展開するLIXIL。担当者によると、パーテーションと天井の間が大きく開いている場合、赤外線の信号が天井に反射し、他の個室に届いてしまうことは「あり得なくはない」とのこと。ただし通常はそうした不具合が発生しないよう、隣り合った個室同士ではチャンネルを別々に設定し、近くのトイレへ誤った信号が行かないようにしているようです。

 また今回話題になった画像については把握していたといい、編集部が「名古屋大学に確認したところ、実際には不具合は起きていなかったようです」と伝えたところホッとした様子でした。


名古屋大学トイレ張り紙 LIXILのシャワートイレリモコン(LIXIL公式サイトより)

 次にお話を伺ったのは「ウォシュレット」の商標を登録しているTOTOです。TOTOもLIXILと同様に、トイレが連立する場合で赤外線を採用しているときにはリモコン信号のパターンを変えているとのこと。

 ウォシュレットのリモコンの種類は大きく分けて、赤外線タイプと無線タイプの2種類に分類されているといい、無線タイプの場合は本体とペアリングをするため、基本的に混線の心配がないのだといいます。

 また赤外線タイプのリモコンの場合も、LIXIL同様、隣あったトイレは別々のリモコン信号に設定するため、混線の心配はないとのこと。ちなみに機種にもよりますがリモコン信号は約10パターンまで設定でき、個室の数が増えても対応できるようになっているそうです。


 なお両社ともにチャンネル設定は設置者(施工業者など)にしか操作できない仕様になっているため、使用者が故意にチャンネルを変えてイタズラするというのも考えにくいとのことでした。

ウォシュレットはTOTOの商標です。

(Kikka)

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不具合 | 名古屋大学 | 温水洗浄便座 | LIXIL | TOTO


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