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話題の「バーチャルYouTuber」はなぜ突然ブレークしたのか? 今、このバーチャルYouTuberを見逃すな!あのキャラに花束を

バラバラに出たのに、みんなで1つに見える不思議。

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画像 キズナアイさんは、やはりかわいい

個性が激強いバーチャルYouTuberたち

 前回はバーチャルYouTuber輝夜月がものすごい爆心地になって人気出ている件を書きました。

 あれから1週間くらいで(※)、チャンネル登録者数7万近く増えて、27.5万人(1月5日現在)になってるんですがなんだこれは……(※編注:前回の記事は2017年12月31日執筆)。

 昨年の末から開始したバーチャルYouTuberの数は多く、みんなそろって一斉に大ブレイク中。今回はその一部をご紹介します。



キズナアイ

 登録数120万超え、日本では多分初のバーチャルYouTuberは、さすがの先輩格。さすがの親分格。そしてトップクラスのポンコツ愛されA.I.。ほんわか天然な頭脳と、それに追い付かない身体と、高いテンションと空回りっぷり。いやあ、YouTuberってよりアイドルと言っていいと思う。

 動画の数が尋常じゃなく、もう一つのA.I.Gamesでも実況プレイを載せているというものすごい更新スピード。

 へっぽこなプレイがかわいすぎてくせになる。「なんで!」「ふぁっきゅー!」。その分じわじわうまくなっていて、乗り越えた時の「やったー!」感も心地いい。

 「バーチャルYouTuberよくわかんないけどどれから見ればいい?」って人には安心しておすすめできます。

 キズナアイ オフィシャルウェブサイトでは3Dモデルも配布されており、早速さまざまな動画が有志によって作られています。

 新年早々の、怒りながら感謝をする動画で、早速輝夜月に熱烈ラブコール。これは……コラボの予感!?


「これから5分以内に死にます」という自信のなさ

怒りながら褒めるAI

画像 コラボしてええええ!!!

輝夜月

 前回紹介した、バーチャルYouTuberの爆弾娘、輝夜月(かぐや・るな)。あんまりにも人気の広がるスピードがはやすぎてすごすぎて。動画が(1月6日現在)ミリオン達成が3本あるのですが、ミリオン超えのバーチャルYouTuber動画ってキズナアイの6本だけですよ。ブッこみすぎでしょう。でもわかるの、中毒者がリピートしてるから。ぼくもだから。

 超絶ハイテンション、一度聞いたら忘れられない声、うざ可愛さ満点のトーク。まー他に類がない。これバーチャルYouTuberという素材に本当にぴったり。どのキャラと絡ませても面白いことになりそうなムードメーカーあるいはムードブレイカーなので、二次創作バンバン出ています。Twitterの異様なテンションも、キズナアイとの仲良しっぷりも必見。



画像 本性見たり

ミライアカリ

 ミライアカリプロジェクトとして活動をはじめたバーチャルYouTuber。キャラデザが初音ミクのKEIさんなので、パッと見て覚えやすいかも。明るくハツラツとした様子は、YouTuberというよりもアイドル的。

 無茶振りなお題を振られては、体当たりでこなしていく、という超芸人気質。たとえ無視されようと、キズ○○○と間違えられようと戦う、強靭すぎるメンタルで誰とでもコミュニケーションを取れるコミュ力モンスターです。エゴサーチが趣味らしく、めちゃくちゃ早いのも特徴。生放送でエゴサーチするというおっかないことしているチャレンジャー。ヤバイネタも拾っちゃう切り込み隊長。

 彼女がVRチャットに臆せず乗り込んで、世界中の人の中に突っ込んでいき、どんどん輪をつないでいく様子は、本当に未来感あるので必見。演出もうまく、自撮りしているかのようなアングルと手ブレがリアル。あとインターネットスラングや下ネタが平気でどんどん突っ込んでいけるのも、芸人っぽくてポイントが高い。あと衣装が際どい、特に島○っぽいパンツの食い込み。一般の人相手に奇跡のような展開になった動画がこれ。


強い、強いよ、精神が!

画像 こういう新人芸人の番組、ネットTVであるある。ちなみに後日談で、本当にヤバい人につながっちゃったという、怖い裏話も

電脳少女YouTuber シロ Siro

 ゲーマーからの強い支持を受け、「シロ組」と呼ばれるファンから熱烈な人気を誇る、癒し系戦闘AIシロイルカ……いやすいません、アイドル志望のキュートな女の子。非常にソフトでマイペースなしゃべり方なので、見ていてほっこり。ところがセリフが時々突拍子もなさすぎて、どこまでが素なのか本当にわからない。やさしい声でしれっと過激な発言をするのがキュンとくる。やるネタの中にはトンチンカンなものも多く、ツッコミどころを通り越してツッコめない領域の発言も多々あり、そこがクセになる。

 シロさん、ゲームがものすごくうまい。「PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS」や「Dead by Daylight」における冷静沈着な動かし方と殺し方、絶対ネット対戦玄人だから。しゃべりながら的確に動けるとかないから。スモークやフラッシュバン投げられて平気っておかしいから! かわいい声でつぶやく「シロ、殺人鬼の才能あるかも」「ここは初めて人をKILLしたので聖地と呼びたい」は名言。下の動画の3分くらい、最初のキルをしたあとのダメ出し、かわいい女の子の口からしれっと出ると怖い。シロイルカとよく言われるのは、笑い声と悲鳴を聞けばわかります。ヘッドフォンで聞く時は音量に気をつけよう。


シロさんガチゲーマーなのがちらほら見える

画像 しれっと笑いながら硬派なプレイをする様子にファンも多い

バーチャルのじゃロリ狐娘YouTuberおじさん

 ケモミミのかわいらしい女の子だと思って再生したら、声が男性。なんでや! と思ったら、コンビニバイトの世知辛さを話してくるという、ファンシーな見た目から現実を流し込んでくるすごい子。っていうかこれバーチャルじゃなくて、普通に中の人。

 初めてのゲーム実況が、過去に作った自分のゲームという、オタクが心をえぐられていく感じは、他に類がない。

 男性が女の子キャラ使いたくなる性転換的願望と、ネコミミで巫女さん風でのじゃロリという属性過多な感じと、「女の子かわいいけど中身おじさんな方が安心できるよね」感満たしてくれる空気がそろってしまった。ある意味「バーチャルYouTuberとはなんなのか?」という評論が出てしまった気がします。

 とってつけた「のじゃ〜」がかわいい。全部1人で作っている作者さん。このバーチャルYouTuberで人生変わっていく様子が動画で如実に見ることができ、ドラマチック。「何者かになりたい」人ならきっと、勇気づけられます。


レジ打ちシーンがナチュラル。世知辛すぎる

画像 中の人の、YouTuberはじめてからの人生の変化は本気で泣けるので応援したい

富士葵

 バーチャルYouTuberの多くがアニメ調の造形なのに対し、富士葵は教科書に出てくる女の子のような独特の作り。みんなの人生を応援したい、というコンセプトの、健全度高い子です。声が妙に幼くて、演技がリアルな女子高生っぽい。教育番組的なトークが多くほっこり。

 何より歌がうまい。とにかく下の動画見て聞いてほしい。いやいやホント難しい曲をチョイスして歌いこなす。高音の伸びが半端じゃない。お父さん目線で娘を見ている気持ちになるバーチャルYouTuberです。真剣に応援団的な方向に頑張っているキャラなので、これから上がる動画が楽しみ。人生相談とかをどんどんやってほしい。今は「きれいになりたい!」ということで色々意見募集しているみたいです。


12月31日現在で5曲。もっと聞きたい

画像 日本中世界中色んな場所に行ってます

ときのそら

 キャラクターに会えるライブ配信アプリ「hololive」から生まれたバーチャルYouTuber。ライブ配信が売りだったので、ライブアーカイブ多めです。

 元気いっぱいの明るい女子高生……なのですが、やさしい空気の持ち主で、声質がソフトだからなのかなんなのか、ファンからは「ママ」「お姉さん」と呼ばれる事が多く、バブみキャラというねじれた個性ができはじめています。いいと思います。「百合」とか「止まるんじゃねぇぞ……」などインターネットスラングを全然素で知らない無垢さがさらにバブみある。弟がいます。お姉ちゃん……。

 生放送が多いため、ファン(通称・そらとも)の応援がとても熱い。ときのそら本人とファンが一緒に育てていこうという、あたたかい空気感あふれるバーチャルYouTuber。コメント欄に参加したくなる子です。なおスマホのhololiveを使ったときのそらのAR技術はものすごいので、こちらも必見。


ま、ママー! おねえちゃーん!!

画像 なにがどうなってママと呼ばれるようになったかは、ライブ配信の様子を見るとわかります

ばあちゃる

 自称世界初の男性バーチャルYouTuber。ハイテンション系配信者で、トークやネタのキレがよいのも人気な、とにかく動く馬。まるで映画泥棒のキャラクターのような動きが大変くせになります。動画をあげるペースも早く、チャンネル登録者数も多いのですが、3ヶ月前から活動を停止。そして12月31日に帰ってきました。

 その休んでいた間にドカーンとバーチャルYouTuber人気が膨れ上がり、配信者もドドンと増えた。彼の早すぎた感、今は歯がゆい。2018年はバリバリ活躍していただき、男性バーチャルYouTuberの星となってほしい。バーチャルのじゃロリ狐娘YouTuberおじさんとのコラボ、してください。期待してます。


復帰動画がちょうど自己紹介&今のバーチャルYouTuber業界の俯瞰話になっていて、面白い

画像 どんどんコラボしてほしいですねえ

藤崎由愛

 2017年10月4日からスタートしており、今いるバーチャルYouTuberの中では比較的長い方。「普通の女子高生」と最初から明言しており、AIとかではないキャラクターとして配信しています。

 ほわーんとしていて耳にやさしい声質と、ものすごい巨乳のせいか、見ていて「ちょっとドジなお姉さん」感が尋常じゃなく、癒やし度満点。やたらポンコツなところもあれば、かなりしっかりしているところもある、正統派アイドル感あるバーチャルYouTuber。なお開発はExys、衣装デザインはAKBの衣装を作っているオサレカンパニー、モデリングはデジタル・フロンティア、スーパーバイザーが「めちゃイケ」「ガキ使」「ダウンタウンDX」などの高須光聖さんと、ガッチリ作られています(参考)。


ポンコツと落ち着きのバランスがいいんですよ

画像 おっぱい大きいなあ……

のらきゃっと

 聞いての通り、人間が普通にしゃべっていない。ボイスチェンジャーでもない。テキストのソフト読み上げでもない。音声認識させたものをテキスト化し、VOICEROID東北ずん子の合成音声に、ゆかりねっとを使って変換しながら、同時に字幕を付けている、というテクニカルなことをやっています。

 なのでたまに誤認識するのが、よりバーチャルっぽい。動きはKinect、表情はWiiコントローラで操作。技術を見せることが一つの目的になっているバーチャルYouTuberです。元々はニコ生でやっていたところ「乗るしか無いこのビッグウェーブに!」と始めたそうなので、以前からのファンも多いのでは。

 3万円でスタートしたとのことで、お金をあまりかけず、誰でもバーチャルYouTuberになれるよ、という技術提供をしているので、興味のある方は要チェック。


動画が取得できませんでした
コレを見ていると、真面目にバーチャルYouTuberやってみたくなります

画像 VRの進化を味わうなら、ミライアカリVRChatと、ときのそらのライブ放送と、彼女を見るのがオススメ

霊電カスカ

 幽霊のバーチャルYouTuber、という完全なりきり型YouTuber。3DCGであることをフルに利用して、YouTuberをネタにしたコント動画をあげています。もうだってねえ、幽霊だもん普通になんていかないでしょ。12月28日にはじめた新人さんで、トークはだいぶ控えめ。幽霊だから。なおはじめたばかりだけどちゃんとアキネーターが判定しているのにびっくり。

 バーチャルYouTuberでこういう、完全なりきりの人間じゃない、AIですらないキャラを演じるのはもっとみたいところ。


生き返りたい、らしい

画像 斬新だ……

Hoonie

 台湾のバーチャルYouTuber、Hoonie(フーニー)。正確にはYahooTVでの活動がメインらしいのですが、YouTubeにもチャンネルがあります。

 モデル、動画の作り、声優さん、実況などの見せ方、クオリティが総じて高い。オープニングのガオーがめちゃくちゃかわいい! Fami通台湾ともコラボしてますね。

 しかし日本語字幕はないので、ごめんぼくには理解しきれない……。中国語字幕が入っているので、そこはとても親切な作り。この動画で中国語勉強しよう。


台湾の鉄拳好きの虎っ子

画像 バーチャル配信者としてはベテランな方です

式大元

 世界初っていうか他にないだろう、ドラゴンおじいちゃんバーチャルYouTuber、式大元。そうきたかー。まだできたばっかりのバーチャルYouTuberなのですが、さっそくプリパラやってます。495歳で、ひ孫に教えられてはじめたらしい。

 本来は歌唱合成ツールであるUTAUの音声ライブラリです。バーチャルYouTuberはまだ女性多めなので、こういうベクトルが広まっていくと、みんなそろってファミリーです感あって楽しくなりそう。もちろん式さんはおじいちゃん役。


しゃがれ声ステキ!

画像 かっこいいよおじいちゃん……

DD

 中国語をしゃべる美少年バーチャルYouTuberのDD。ちなみにDDとは「弟弟(didi)」からとられています。ど田舎に住んでいるらしく、ネットを通じて人気者になるためのチャレンジを行う! と意気揚々。ところが年内に100万人登録いかなかったら爆破!(多分活動終了?)という超芸人体質。

 現在まだ一本。日本語字幕もついています。日本のキズナアイ起点に、アジア全土にバーチャルYouTuberが広まったら面白そうですね。弟きたからには、妹とかお兄さんもこないと。お姉さんはときのそらにお願いしよう。


かわいくて生意気な田舎に住む弟分、という感じ

画像 若手芸人か!


まだまだ広がりそうなバーチャルYouTuber文化

 興味深いのは、今出ているバーチャルYouTuberたちがすでに一つのファミリーのように、二次創作で扱われ始めていること。雰囲気としては初音ミク・鏡音リン・レン・KAITO・MEIKOみたいなかんじ。全部作ってるの関係ない人のはずなのに。「YouTube」というチャンネルを通じた、一つの集団っぽく見える。それだけキャラがほとんどかぶっていないということです。

 天然先輩キズナアイ、焦り屋でちょっとエッチなミライアカリ、ハイテンションムードメーカー輝夜月、内気でまじめなバーチャルのじゃロリ狐娘youtuberおじさん、銃を構えて笑顔で殴るシロ。バーチャルYouTuber学園とかできそう。

 バーチャルYouTuberの一番の売りは、自由度が高いこと。逆に弱みは、リアルの線引きが難しいことや、現実と絡ませづらいこと。そんな長所短所を武器にして、あるいはぶっちぎって行くバーチャルYouTuber、2018年は間違いなく増えるでしょう。戦国時代になるでしょう。CG技術は、のらきゃっとさんのような人を中心に広まっていくでしょうから(キズナアイやシロのように、モデル配布をしている人も)、あとはやはりアイデア次第。

 バーチャルのじゃロリ狐娘YouTuberおじさんの言うように「バーチャルYouTuber箱推し(バーチャルYouTuberという文化全体を応援していきたい)」が現在の主な動き。しばらくは続きそうです。皆応援したい。どんどん増えて、どんどんコラボして、横にからんでいくのが見たい。輝夜月とおじさんのコラボも見たい。

 お気に入りのバーチャルYouTuberを見つけたら、2018年頑張れそうだ。


画像 輝夜月が煽ってくれるって思えば、1年間がんばれる

たまごまご


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