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視界の文字を読み上げてくれるメガネ「OTON GLASS」登場 多くの視覚障害者に届けるべく出資を募集中

父親の失読症がきっかけで開発されたメガネを、より多くの視覚障害者へ。

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 着用すると視界の文字を読み上げてくれるメガネ「OTON GLASS」の開発が進められています。CAMPFIREの慈善事業向けクラウドファンディングサービス「GoodMorning」で資金を募集中。支援額は5000円からとなっており、集まるごとに視覚障害者へ同製品が届けられます。


オトングラス OTON GLASS

 メガネを通して文字を見つつ、フレームのボタンを押すと情報が音声化。内蔵カメラが撮影した文字をクラウドへ転送してテキストデータへの変換を行い、音声として再生する仕組みです。携帯端末を介するよりも手間がなく、ハンズフリーなのでつえなどと併用できるメリットもあります。


仕組み スマートフォンなどを介するよりも、手間なく自然に使える仕組み

 プロジェクトを主催する島影圭佑さんの父親は、2012年に失読症にかかりました。脳梗塞の後遺症で脳の言語野に傷がつき、会話こそできるものの文字を読めなくなったのだそうです。これをサポートするために開発されたのが「OTON GLASS」でした。


父親 父親はリハビリでほぼ完治しましたが、その後も多くの人をサポートするべく、開発は進められました

 リハビリが実を結んで父親は回復しましたが、島影さんは開発のなかでOTON GLASSを必要とする人々に出会い、事業化を決断。現在は受注生産で10台程度を販売し、障害者支援施設への導入や眼科医との共同研究を進めています。日本点字図書館や日本盲人会連合、神戸アイセンターでは、常設の実機で体験できます。


利用者の声 体験者からは、「郵便物の仕分けをヘルパーさんに頼まずとも自分でできるようになり、心理的な負担が減った」といった声が

 今回のクラウドファンディングでは、目標金額を達成しない場合でも集まった支援金を受け取れるAll-in方式を採用しており、支援金は確実に製品開発へ反映されるとのこと。目標額を超えた場合は、より多くの人々へ製品を届けるための製造費として利用されます。


(沓澤真二)


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