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洗濯機に黒いカビが……洗濯機の掃除方法を教えて!

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 洗濯物に何か黒いホコリのようなものがついている……なんて経験はありませんか? これは洗濯機内部に繁殖してしまったカビで、洗濯機を掃除していないと発生することがあります。今回は、洗濯機の掃除の必要性とその方法について説明します!

【訂正あり】記事初出時、「酸素系クリーナー」を「酵素系クリーナー」、「過炭酸ナトリウム」を「過酸化ナトリウム」と誤った記載がされておりました。お詫びして訂正いたします(2018年5月11日10時追記)



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洗濯機の掃除って必要なの?

 「洗剤を入れて水で洗って流しているんだから、そもそも洗濯機ってそんなに汚れないのでは? 掃除の必要ってあるの?」と考える方も多いようです。

 しかし実は、洗濯槽に以下のものが蓄積していきやすいため、洗濯機に雑菌が繁殖しやすく黒カビが生えやすいのです。

  • 衣類についていた汚れやホコリ
  • 水垢
  • 洗剤の残りカス

 加えて、普段蓋を閉めていることも多い洗濯槽は湿度が高く、お湯をすすぎに使ったり乾燥機を使ったりしたあとは温かい空気がこもりやすい場所です。

 カビや雑菌は、ホコリと湿気、高めの温度が大好物。まさに洗濯機内部はカビや雑菌にとって理想の環境というわけです。

 多くの洗濯機には脱水のために洗濯槽の内側に穴が開いていますが、この穴の奥にカビ菌が入り込んで繁殖するケースが多くあります。

 最近では、穴の中に汚れや黒カビを発生させない、穴なしの洗濯槽も増えてきていますが、槽内の糸くずフィルターや底面にたまったゴミや水垢、洗剤の残りカスから黒カビが発生することがあります。


洗濯槽の汚れが引き起こす被害

 カビや雑菌の温床となった洗濯機で衣服を洗ってしまうと、衣服にカビがつくだけではなく、肌荒れなどの健康被害を受けることも。

 さらに、洗濯物を部屋干しするとカビの胞子が部屋中に舞い広がり、カーテンや壁紙、カーペットなどに付着することでカビが生えやすい部屋になってしまうと同時に、家族が息をするたびにカビ菌を体内に取り込んでいるという大変な事態に。

 そんな状態が続いてしまうと、健康な人でもアレルギーやぜん息を発症してしまうこともあります。


洗濯槽の掃除に使える洗剤

 洗濯機の掃除用の洗剤はさまざまなものが市販されていますが、初めて掃除する方はどれを選んだらいいのか迷ってしまいますよね。

 洗濯機掃除に使える洗剤には、以下のようなものがあります。

  • 塩素系クリーナー
  • 酸素系クリーナー
  • 重曹

 市販の洗濯機クリーナーは、塩素系と酸素系に分けられます。どちらも洗濯機を洗浄する効果が高いですが、価格の安さと安全性では重曹に分があります。

 それぞれどんな場合に選んだらよいのかを見ていきましょう。

塩素系クリーナー

 強い殺菌効果があり、カビを分解して除去してくれます。見えないカビ菌もしっかりと殺菌してくれるため、もっとも効果の高いクリーナーです。

 ただし、「混ぜるな危険」の注意書きの通り、酸性のものと混ざると有毒なガスが発生するので、取り扱いには気を付けなければなりません。

酸素系クリーナー

 過炭酸ナトリウムが主な原料で、強い発泡力があり、その泡でこびりついたカビを根こそぎ剥がし落としてくれます。洗浄後は取れたカビが目に見て分かりやすく浮いてくるので、カビが取れた実感がわきやすいです。

 殺菌効果は塩素系には劣りますが、使用しても衣類へのダメージは少なく、洗剤独特の臭いも少ない点が魅力的です。

 ただし、剥がれて浮いたカビを途中で取り除くという作業が発生するため、洗濯中に蓋を開けられないタイプのドラム式や二層式では使用できない場合も。使用前に洗濯機の取り扱い説明書をしっかり確認する必要があります。

重曹

 酸性のカビを剥がす効果があり、消臭効果も期待できます。何より体に優しい成分でできているので、安心・安全な点がおすすめポイントです。

 その分、塩素系や酸素系のクリーナーに比べると殺菌効果は弱いです。また、酸素系と同じで取れたカビが分解されずに浮いてきてしまうので、酸素系のクリーナーが使用不可な洗濯機では使わない方がいいでしょう。

 汚れをためないように、小まめに洗濯機のお手入れをしている方には一番おすすめです。


フィルターや糸くずネットの掃除方法



 洗濯機掃除のメインは洗濯槽ですが、その前に掃除すべき箇所がいくつかあります。まずは下記のような外せるパーツを外し、ぬるま湯とスポンジで汚れを落としましょう。

  • 洗剤ケース
  • 乾燥フィルター
  • 排水フィルター
  • ゴミ取りネット

 これらの部分が汚れていると、洗濯物に汚れが付着したり悪臭の原因になったりします。汚れが落ちづらい場合は、台所用中性洗剤と使い古しの歯ブラシを使ってこすれば十分きれいになります。

 次に、洗濯槽のクリーナーが届きにくいパッキンや蓋の裏側、溝をぞうきんで拭いていきます。見逃しやすいですが、洗剤やホコリがたまりやすい場所なのでしっかりと汚れを除去しましょう。


酸素系クリーナー&重曹を使った掃除方法



 洗濯槽掃除に酸素系クリーナーか重曹を使う場合、どちらを使っても掃除の手順は同じですが、洗濯槽の掃除には半日かかるので、時間には注意が必要です。

 朝の洗濯が終わった直後のお昼くらいに行えば、翌日の洗濯に支障がでないでしょう。

 それでは、順に詳しく説明します。

(1)ゴミ取りネットを外す

 ゴミ取りネットを付けたままクリーナーを使ってしまうと、ゴミ取りネット内に残った汚れが洗浄の邪魔をしたり、ネットの中にゴミがたまってパンパンになってしまったりするので、必ず外します。

(2)お湯を溜める

 40〜50度のお湯がもっともクリーナーや重曹の成分が働く温度です。ただし、洗濯機によっては耐用温度が低い場合があるので、取り扱い説明書を確認の上温度を決めてください。

 水でも十分に効果があります。お湯または水は洗濯機の満水の位置まで溜めてください。

(3)洗剤を投入する

 酸素系クリーナーならパッケージに記載された既定の量を、重層なら1カップ(粉末で200g)を洗濯槽に投入します。両方とも、汚れがひどい場合は多めに入れても構いません。

(4)洗濯機を回し、放置する

標準の洗いコースで洗濯機を回します。もし、「念入り」コースや「遠心力」コースなど、汚れがひどい場合に洗えるコースがあるなら、そちらの方が洗浄力が増します。

 5〜6分ほど回したら排水する前に洗濯機を止めて、そのまま5〜6時間ほど放置してください。放置している間に洗浄要素が働いて、どんどん黒いカビが浮いてくるはずです。

 なお、このとき、酸素系のクリーナーを使っていて、洗濯槽の汚れがひどいと、あふれるくらいの泡が立ってしまう場合があります。そのときはいったん洗濯機を停止して、泡やお湯を洗面器ですくうなどして、水位を減らしてあふれないように気を付けてください。

(5)もう一度洗濯機を回し、ゴミを取る

放置後はもう一度洗濯機を5分程度回します。攪拌されて沈んでいたゴミやカビの塊も浮いてきますので、網やゴミすくいネットですくってゴミを除去します。

 細かいゴミもあるのでなかなか面倒な作業ですが、きちんと取り除かないと洗濯機を詰まらせる原因となってしまいます。根気よくゴミを取っていってください。

(6)すすぎ洗い→ゴミの除去の繰り返しで完了

 そのあとは洗濯機を回す→ゴミを取り除くという作業を、ゴミが出なくなるまで繰り返します。目に見えるゴミがなくなったら、ゴミ受けネットをセットして洗いから脱水まで一気に行います。

 すると取り切れなかったゴミがゴミ受けネットにたまっているはずですので、それを捨てて掃除は完了です。このとき、すぐに蓋をしめてしまうと湿気がこもりカビが生えやすくなってしまうので、乾燥するまで蓋は開けておくようにしてください。


塩素系クリーナーを使った掃除方法



 塩素系クリーナーを使う場合、汚れやカビは分解洗浄されるので途中でゴミを取る作業がないため、酸素系クリーナーや重曹を使用する場合に比べて手順は簡単です。

(1)お湯を溜める

 洗濯槽の中にお湯を満水まで溜めます。酸素系クリーナーや重曹の場合と同じで、水温は40〜50度がおすすめ。

 なお、ドラム式の場合はお湯を溜めてから蓋を開けることができないため、洗濯機の電源を入れてすぐにクリーナーを投入し、洗濯ボタンを押す機種が多いようです。

※使用方法は洗濯機やクリーナーの説明をよく読んで確認してください。

(2)クリーナーを洗濯槽に投入する

 既定の量のクリーナーを洗濯槽に入れます。一本使い切りの洗剤も多いようです。

(3)洗濯機を回す

 洗濯槽の洗浄コースがあるならそのコースにし、ないなら標準コースに設定して洗濯機を回します。洗いから脱水まで1コース回せば完了です。そのあと蓋を開けて洗濯槽を乾燥させるのを忘れずに行ってください。

 クリーナーを入れて洗濯機を回すだけなので、酸素系クリーナーや重曹を使った場合と比べるとはるかに楽ですね。これなら洗濯のついでに気軽に行えそうです。


洗濯機をきれいに使うためのコツ

 冒頭でも説明しましたが、気を付けて使っていないと洗濯機にはあっという間にカビが生えてしまいます。

 洗濯機に黒い汚れがついてきたら洗浄する、というやり方では、その前に既に見えないカビ菌が衣服に付いたり部屋中に広がったりしていますし、何より毎回掃除が大掛かりになってしまい大変です。

 そこで、洗濯機を清潔に保つためのコツについていくつか紹介します。

掃除の頻度は月一を目安に

 洗濯槽の掃除の理想の頻度は月に1回です。洗濯機の機種や汚れ具合に合わせて洗剤の種類を選び、洗浄を行いましょう。その際、フィルターやゴミ受けなど小物をきれいにするのも忘れずに。

 月に1回の頻度を崩さなければ洗濯機をきれいな状態で使い続けられるはずですよ。

洗濯機の蓋はできるだけ開けておく

 洗濯後すぐに蓋を閉めてしまうと、カビの大好物である湿気が中にこもってしまうため繁殖の原因になってしまいます。

 中がしっかり乾燥するまでは蓋は開けっ放しにしておきましょう。

 しかし、小さな子供やペットがいるご家庭では、洗濯機の中に入る危険を伴います。そもそも洗濯機を置いている場所に入れないようにしたり、洗濯前にしっかり確認する、蓋を開ける時間を減らすなどしたりして、注意してください。

汚れた衣類は洗濯機ではなく、洗濯カゴへ

 脱いだ服をすぐに洗濯機の中に入れてしまうと、服についていた汗や皮脂などで洗濯槽内の湿度が上がってしまいます。

 汚れた衣類は洗濯機へすぐに入れるのではなく、洗濯カゴに入れるようにして、洗濯直前に洗濯機の中へ入れるようにしましょう。

洗剤・柔軟剤は適量を守る



 汚れがひどい衣類を洗う際、洗剤や柔軟剤を多めに入れたくなりますが、多めに入れたからと言って洗浄力が増すわけではありません。

 洗剤のパッケージや洗濯機の表示にある通りの適量が、もっとも効果のある洗剤の量です。

 洗剤や柔軟剤を多く入れてしまうと溶け残りやすくなり、それが洗濯槽に蓄積してしまうとカビや雑菌の原因となってしまいます。きれいに使うためには、洗剤や柔軟剤の適量を守って使うようにしてください。

乾燥機能を定期的に使う

 ドラム式洗濯機や、乾燥機能のついている全自動洗濯機は、乾燥機能を使うことで洗濯槽全体から湿気を除去できるので、カビ対策につながります。

 普段乾燥機機能を使う必要がない環境に合っても、定期的に使用するのがおすすめです。


どうしても洗濯機がきれいにならないときは

 もし、既に何年も洗浄していなくて取れない汚れがある、洗浄したのに悪臭がする……などという場合は、洗濯槽の裏側など素人では手の出せない箇所までカビの根が浸透しているのかもしれません。

 そんな場合は、自分で分解などは絶対にしないで、プロの洗濯機クリーニング業者に依頼しましょう。

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