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丑の日の代用品で注目 魚のすり身でウナギ再現した「ほぼうなぎ」、お味はどうなのか食べてみた

2017年に話題になった「うな次郎」に続く、ジェネリックウナギ界の新風。果たして食感や味は……?

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 2018年夏の「土用丑の日」は7月20日と8月1日。日本ではこの日にウナギを食べて滋養をとる風習がありますが、2013年にニホンウナギが絶滅危惧種に登録されて以来、ネットではウナギではなく代わりの物を食べるべきだという議論が年々活発になってきています。

ほぼうなぎ レビュー うなぎ カマボコ 魚のすり身 「ほぼうなぎ」で作った“ほぼうな丼”

 そんな中、魚のすり身で“ウナギの蒲焼”を再現した新商品「ほぼうなぎ」を、カマボコの製造販売企業・カネテツデリカフーズ(兵庫県神戸市)が開発。6月19日にお取り寄せ・数量限定で発売しました(すでに予約数に達し受付は終了)。

ほぼうなぎ レビュー うなぎ カマボコ 魚のすり身 「ほぼうなぎ」

 ウナギの蒲焼をイメージしたカマボコは以前から存在し、特に一正蒲鉾(新潟県新潟市)が2016年に発売した「うな次郎」は、ウナギの身のふわふわ食感を見事に形にできていることから大きな話題となりました(関連記事)。そんな“ジェネリックウナギ”界に、「ほぼカニ」「ほぼホタテ」などいろんな魚介類を練り物で再現してきたカネテツが参入。新商品はどれほど“ほぼうなぎ”なのか、取り寄せて実食してみました。

ほぼうなぎ レビュー うなぎ カマボコ 魚のすり身 実物をゲット、さてお味のほうは?(写真は解凍前の状態)

ほぼうなぎ、実食

 解凍して驚いたのは、匂い。レンジを開けた瞬間に立ち込めたタレと焦げの香りが正にウナギの蒲焼です。見た目についても、皮の再現度はいまいちといったところですが、身の部分は細かい切れ込みが無数に入っているなど本物と遜色なし。ウナギの蒲焼を食さんとする気分が高まっていきます。

ほぼうなぎ レビュー うなぎ カマボコ 魚のすり身 身の見た目がリアル!

 説明によると「ほぼうなぎ」は身と皮の部分、それぞれの食感を異なる加工で再現しているとのこと。箸で割こうとすると身の部分までは簡単に箸が通るのに、皮の部分は弾力があってなかなか引きちぎれません。このリアリティは期待値あがる……白飯にのせ、付属のタレと山椒をかけ、“ほぼうな丼”としていただきます。

ほぼうなぎ レビュー うなぎ カマボコ 魚のすり身 いただきます

 口に入れたら、おお、皮にある炭火焼きのような風味とタレの味わいが相まって、ウナギの蒲焼感ある! しかし噛み続けていると、徐々に魚のすり身特有の甘みが顔を出してきます。

 食感も、ウナギがほろほろと崩れて唾液とともに溶け消えていくのに対して、こっちはぷりぷりとした歯ごたえがあります。ウナギならではの脂のまろやかな旨味が欠けている上に、こうしたカマボコの存在感が噛んでいくうちに増していくので、「ほぼうなぎ」というよりは「まぁまぁうなぎ」くらいかな、というのが正直な感想でした。もちろんこれがカマボコだと思うとすごい加工技術なのですが、「うな次郎」のふっくら食感に比べると、まだまだ改善の余地はある……!

ほぼうなぎ レビュー うなぎ カマボコ 魚のすり身

 他にもねとらぼ編集部の6人に食べてもらったところ、次のような感想でした。

初手はウナギ。だけど2回噛んだ後はどんどんカマボコに近づいていく感じですね。炭火で焼いたような匂いとタレのウナギの蒲焼感はすごいと思う」

「うーん、魚のすり身の存在感出ちゃってますね。タレがもうちょっとそれを打ち消せたらよかったかも。“ほぼ”は言いすぎかもしれません。でも、ウナギと違って骨がないから食べやすいと思います」

「口に入れた瞬間は『あっ、ウナギだ』と驚いたんだけど、食感がカマボコ。ほぼ、は言いすぎかなぁ。でも普通に一つの食品としておいしい。あと本物は小骨が多いのが嫌だったから個人的に好き。ウナギ気分を味わうにも十分なので、絶滅危惧種だからウナギを控えたいという人にはいいのでは」

「皮のパリッとした食感、焦げ感、タレまではばっちりなんだけど、身が練り物って感じだった。雰囲気は味わえるけど、まだまだウナギじゃないかなぁ。でもおいしくないというわけではなく、酒のつまみとして全然いける。焼酎飲みたくなった」

「見た目はウナギっぽい。口に入れた瞬間はウナギ、噛むとカマボコといったところだった。どちらかというと“ややうなぎ”」

「自分はウナギの食感を十分出せていると思った。口に入れた瞬間が確かにウナギの蒲焼なので、すり身の風味を感じる前にガツガツ食べたら代用品としていけるのでは」

 ほとんどが「口に入れた瞬間はウナギ、噛むほど魚のすり身」といった意見でした。

 あとは価格なのですが、5パック(1パック2枚入り)で3240円(税込)。つまり1パック648円というお値段。あと数百円出せば本物のうな重が食べられてしまいますし、「うな次郎」が1パック2枚入りで328円であるのと比べると、もっと低価格でがんばってほしいのが本音です。

 ただ「うな次郎」も開発に約8年かけ、発売後も2年間改良を重ね続けて現在の「ほろほろ食感」にたどり着き、世間の評価を手にしています。あの「ほぼカニ」という傑作を生み出したカネテツなら、きっと「ほぼうなぎ」をさらに進化させてくれるはず……そんな期待を抱かせるには十分の新商品でした。ウナギが食べられなくなることへの不安を跳ね飛ばす、ジェネリックウナギ界の盛り上がりはここからなのです!

黒木貴啓


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