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大航海時代Onlineにおける3Dクライアント開発 -PCスペックへの挑戦-CEDEC 2005リポート

2005年8月29日から31日の3日間、明治学院大学にて開催されている「CEDEC 2005」において、コーエーの松原健二氏と門脇宏氏が「大航海時代Online」を例にして、幅広いPC動作仕様を実現するべく取り組むべきことを語った。

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 「CEDEC 2005」2日目となる今日は、大規模人数参加型オンラインゲーム(MMO)の開発に興味があり、Windowsアプリケーション開発、DirectX等3Dプログラミングの高速化、クライアント/サーバ各プログラミングの経験あるいは興味がある人間を対象にして開かれた。

 「大航海時代Online」は「信長の野望Online」に続くコーエーのMMO第2弾。コンセプトが“海に翔けるロマン”ということで、開発にあたり海の表現には最大限注力したと門脇氏は振り返る。

 2002年当初から海外展開を視野に入れて開発が進められた「大航海時代Online」は、2005年3月に国内サービスを開始し、現在登録アカウントは18万人、有効アカウントは3.5万人となっている。韓国ではCJinternet社と提携し、7月にクローズドβテストが開始され、9月にはオープンβテストを控えているほか、台湾、中国、北米、欧州と準備を進めている。

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 オンラインゲームをするにあたり、何が重要かというと、“自分が持っているパソコンでそれがちゃんと動くのか”に尽きる。どんなに興味があり遊んでみたくても、動作しないのであれば意味がないのだ。そこでベンチマークと呼ばれる環境動作確認で試すことができるサービスが求められている。ちなみに「大航海時代Online」では、CPUが800MHz、メモリが256MB、VRAMが32MBを必要動作環境としている。

 「大航海時代Online」も例に漏れず、ベンチマークが行えるようになっている。そこでさまざまなPCに対応しているかが求められるのだが、「思った以上にPCは普及しており、PCの発売時期とインストールされているドライバのバージョンはその発売時期にシンクロしていない」などの問題点を上げる。

 ライトユーザーになればなるほど、PCを家電と捉えている傾向にあり、ソフトウェアをアップデートするという概念が希薄だという。そのため、最近購入したPCでも、平気で昔のバージョンのドライバのままであったり、昔購入しバージョンアップすることなく息長く使っているものなどは対応しきれない場合が多々あるそうだ。

 開発において松原氏は、パフォーマンスPCを必要とせず、かつ競合ゲームに匹敵&上回る品質を届けなくてならないと命題を課している。そこで自社ホームページを活用しアンケートをとり、他社タイトル動作環境を調べ、2004年度末の動作環境を予想し、市場の約8割以上カバーできるよう目標を定めたと説明した。


「大航海時代Online」は、2004年度以降もメインストリームとなる動作環境を推測。「855/865」のチップセットを選択し、グラフィックチップも「GeForce2 MX」クラスで動作するようにした。描写システムも当初DirectX8.1で開発していたものを、2004年8月にSDKをDirectX9.0c(2004 summer SDK)へ移行したのも同様な理由

 上記のことあり、3D描写システムの設計思想は、「軽く、より軽く」「多くのGPUを動作対象に」「優れた表現を実現したとしても、ゲームをプレイしてもらえなければ意味がない」と設定し開発してきたと門脇氏。より軽くするための作業が、作業のほぼすべてと言われるほど、その作業には工夫と根気が必要となる。門脇氏曰く、ゲーム開発はとにかくお金がなくても時間がなくても、「気合い」と「体力」だそうだ。

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門脇氏は「大航海時代Online」のヴェネチアを例に、影の処理について説明。バリュークラスPCでも十分な品質を保証するため、ライトや影は焼き付け、人物の影についても単純表現で処理していると説明。“より軽く”と“最適な表現”の両方を兼ねるよう調整したとのこと。質疑応答では、街の時間経過や天候変化が今後あり得るかという質問が出たが、そもそも街には時間変化を反映しない方針とのこと……残念

 3D描写システムの設計においては、「高速化・最適化は一般的な方法論に従い、設計から再チェックするのが一番の基本。各コードをクロック・命令数レベルで最適化するよりも、データを見直し、ボトルネックのポイントになる部分は、まったく別のアプローチのルーチンを別に用意して、実行スペックによって切り替えるのも有効であう」とまとめた。

 前途したとおり、マシンスペックは多岐にわたり、それに対応できるかが命題としている。門脇氏は、常に最先端のスペックでのチャックを怠ることもできないが、「FIRE GL」や「Quadro」などの高性能のワークステーション用PCは、高価すぎて動作確認できないものもある、と会場を笑わせる。PCの普及率は高いが、それをゲーム目的で使用する人の数はそれほど多くないのが現状と前置きし、そこに潜在的ターゲットは確実に存在しているのではないかと続ける。バリュークラスPCでも快適に動き、美しい表現ができ、数世代前のスペックもフォローできる――こうした開発側からのアプローチが、これらのマーケットを発掘できるチャンスとなり得るのではないだろうか、とまとめた。

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