インタビュー

変遷していくゲームマスターの立つべき場所は……どこ?モビーダ・ゲームズ 栗原 哲氏インタビュー(1/2 ページ)

昨年12月、ビー・ビー・サーブから分社化して誕生したモビーダ・ゲームズ。そこでゲームマスターとして運営リーダーを務める栗原哲氏に、“忙しさ”のワケを聞いてみた。

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はじまる前から運営が忙しいとはこれいかに?

 昨年12月1日、ソフトバンクグループでオンラインゲーム事業を展開するビー・ビー・サーブは、各部門を順次分社化した上で持ち株会社制に移行。「MOVIDA HOLDINGS」(モビーダ・ホールディングス)に社名を変更した。それに伴いオンラインゲーム運営事業は「MOVIDA GAMES」(モビーダ・ゲームズ)となったのは記憶に新しい。

 オンラインゲームのプロデュースと運営に特化した会社として始動したモビーダ・ゲームズは、自社がプロデュースするオンラインゲームの準備に余念がない。その中でも、現在“なぜか”忙しく働いている運営チームのリーダーでもあるモビーダ・ゲームズ 取締役 コンテンツオペレーション室 室長 栗原 哲氏に話を聞いてみた。 現在、モビーダ・ゲームズがプロデュースすると公表している「ベルアイル」や「真・三國無双BB」は、まだサービスが開始されていない。それなのに運営チームが忙しいと栗原氏は語る。本来、運営チームが忙しくなるのはサービス開始後のはずだが、その真意とは?

 そもそもビー・ビー・サーブ時代に、これからの運営の形を紹介する場ともなった「ベルアイル」の発表記者会見の際、運営チーム「Trinity」(トリニティ)が紹介されていた。まさに三位一体となるべく、「開発」と「ユーザー」の間を埋める、「ものを言う攻めのゲームマスター」という3本目の柱となるべく理念を持って設立されている。ユーザーの目線に立ち、開発にゲーム内容や仕様を意見するという、はじめから運営を念頭に置き、従来のゲームマスター(以下、GM)よりも食い込んだ立場であるという。公式サイトのコンテンツの見当であったり、課金システムの調査&課金など、発表されている以外のタイトルについても面倒をみているとなると、運営がはじまる前から忙しいと言うのも頷ける。

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モビーダ・ゲームズ 取締役 コンテンツオペレーション室 室長 栗原 哲氏。栗原氏は、現在のGMを表現するのにキャプテン翼を引き合いに出し、自分は「若林よりは若島津」という、分かるような分からない比較をする(参考までに、若林は“鉄壁の守り”タイプのゴールキーパーで、若島津は“自分も積極的に攻撃に加わる”タイプ)。「実際にサービスが開始されると運営チームの規模は拡大する。今は少数精鋭。だから忙しいというのもあるんですけど」と打ち明ける

 各社によってGMの定義は微妙に違うと栗原氏は続ける。栗原氏自身、「ウルティマオンライン」の頃からGMをやっているが、当時はGMコールをとったり、イベントをやったりと、ゲーム内でのプレーヤー対応が中心だったと振り返る。

 「最近は企画に口を出したり、よりゲーム開発に食い込んだものもGMの仕事と言えるようになってきている。単なるカスタマーサポートスタッフとしてのGMでは、なかなかキャリアアップにはつながらなかったものが、重要性が増し、GMを経て先にある将来が見えてきた」と、業界全体での潮流となっていると語る。「運営全体の監督」「プロデューサー」「オンラインゲームの企画」など、GMをやっていると考えられるキャリアの選択肢が増えてきたようだ。

 そもそもGM自体、業界への入口としては間口が広いこともあり、比較的簡単にGMにはなれる環境にある(腕がいいか悪いか別)。しかも、幸運なことに1からゲームを作れる状況にもなってきている。モビーダ・グループが進めるオンラインゲームファンドを活用できれば、運がよければゲームを立ち上げるスタッフの中核となりうるのだと言う。これからの時代、運営の要となりえるGMへのウェートはますます上がると予想される。

 GM自体は昔と何ら変わることはない。ただ、圧倒的な違いがあるとすれば、GMのタレント化が挙げられる。プロモーションツールとしてGMの存在を前面に押し出しているタイトルも増えてきているという。また、ゲームのプログラマーやディレクターなどの開発サイドとユーザーとの距離を埋めるスーパープレーヤーとしての位置づけを持ち始めており、ユーザーの意見を吸い上げてまとめて意見してくれるGMの言うことは、我の強い開発陣でもけっこう言うことを聞くという傾向もあるのだとか。

それでも悩みはある

 栗原氏にとってGMの悩みは3つあるという。1つはキャリアパスが示せないため、GMのモチベーションが下がって1年くらいで辞めてしまうということ。2つ目は、タレント化が進む傾向にあるが、GM主導のイベントに参加できるのは少人数だった場合、居合わせることができない人にとって不平等ではないかという点。すべてのユーザーに平等であれという理念に立っている栗原氏にとっては、サービスとどう両立できるかにジレンマを感じるという。GMのサポートを前提にしていながらも、ビジネス的に物足りなさを感じさせない誰にでも平等なイベントでなくてはならない……。それには確固たるGMの方法論のようなものが必要になってくるのだが、それがまだ確立していないのが3つ目の悩みと明かす。

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