レビュー

宇宙世紀を振り返り、直感的なマップで作られる新「ガンダムシミュレーション」「エンブレム オブ ガンダム」プレイリポート&インタビュー(4/5 ページ)

本作は、全く新しいアプローチでガンダムを題材にしたシミュレーションゲームだ。歴史家の視点、プロヴィンスマップ、バトンでつなぐ物語……さまざまな試みが盛り込まれたタイトルをプレイし、かつ、開発者である芝村裕吏氏に話を聞いてきたりもした。プレイのご報告とインタビューが織り成すハーモニーをどうぞ。

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そして戦闘開始

 実際の戦闘は、敵ユニットと味方ユニットが同じエリアに入った場合に自動的にスタートする。攻戦の戦闘力、防戦の戦闘力、キャラのスキル、地形効果などが加味された上で、戦闘前にどちらが何機破壊されるのかが算出される。それを踏まえて戦闘を開始すれば、迫力ある戦闘アニメが映し出された後、結果が表示される、という流れだ。

 最初に算出される結果予測はあくまでも予測。多少の誤差はあるし、たまに発動するクリティカルで思わぬダメージが出ることもある。戦略と運にかかっているので、戦局がうまく運んでいる時にセーブをして、思わぬクリティカルをくらったらリセットしてやり直す、というようなプレイも、時には必要かもしれない。

 戦闘の勝敗が決まった後は、各ユニットがさらに行動できる場合がある。同じエリアに別の敵ユニットがあれば連戦するし、時には前進、時には後退を余儀なくされる時もある(後退が発動したのにどこにも後退できない場合は、そのユニットは完全に破壊されてしまう、というルールもある)。それらの動きも計算に入れてプレイしていけば、百戦危うからず、だ。

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戦闘前に算出、予測された通りの結果になるとは限らない
自軍は1機生き残るはずだったのに、フタを開けてみたら全滅してしまった! ということもたまに……
キャラのいるユニットが撃破されると、そのキャラクター“おなじみ”のセリフをつぶやいて去っていく

――本作のプロヴィンス型マップは、どのようにして生まれたんですか。

芝村 シミュレーションゲームでは、「へックスを導入すると売り上げがよくない」というジンクスがあるらしいですね。おそらくヘックスマップが敷居を高くしているんです。抽象化されていてよく分からないんでしょう。「大戦略」シリーズも面白いんですけど、女性の方の中には「マップ画面を見ただけでダメ」と言う人もいるでしょう。

 こうした中で、ストーリー的に分かりやすいマップ描写がいいし、具体的な地名が出る方がいい、と。具体的な地名が出やすいシステムを検討した結果、マップ形式が現在の形に変わったんです。例えば、月を舞台にしたマップなどでは、「グラナダにはキシリアがいるから戦力が厚いな」というように、実際にグラナダへ戦力が集結しているのが見える方が面白いです。

 ゲームデザイン側としてはヘックスマップのメリットはあるんですが、このメリットを別のシステムで分かりやすく出せないかな、と思いました。ヘックスマップであれば、移動力の計算を、山は通りにくい、川は通れない、という移動コストで表しますよね。でもこの方式では、“ぱっと見”で人間が計算できない。移動計算がめんどくさいから、弱いユニットを並べて戦線構築という戦い方ができなくて、ヒーローがぐんぐん進んでいくプレイになってしまう。可能な限り簡単にしたかったから、移動コストは廃止しました。

 そこで“コスト概念”を分かりやすくするためにも、移動しやすい宇宙空間はそのままマップを広く、逆に狭い地形、移動力が狭いところはマップそのものを小さくしてしまえばいいわけです。これを取り入れることで、マップを描く手間やテクスチャーを作る手間は格段に上がるんですが、ユーザー本位で考えれば“あり”だなと。現場ではもう、すったもんだがあったんですが(笑)、それもこれもゲームのためでした。

――ヘックスだとどんどん進んでいくプレイになりますが、本作だと待っていた方が有利なことがあります。これは特徴的ですよね。

芝村 機動戦士ガンダムは第2次世界大戦のオマージュから成り立っている作品ですよね。古今の歴史上の教訓で“防戦側3倍有利”というのがあります。地球連邦軍はそれで勝ったようなものでしょう。守って守って補給物資やMSが投入できるようになったところで相手を握り潰す、という戦法ですね。

 ただ、ガンダムというMSに関しては、そのルールが適用されないようにしたかったですね。全体のルールとして、ガンダムという例外を中心にゲームを作るか、世界を中心にしてガンダムを例外にするか……。今回は背景に出てくる“名もなきユニット”を基準にルールを作って、ガンダムがいかにそれを破るか、という方にしました。「ガンダムがアムロの強さの秘密だ」と言って、「俺もガンダムに乗れば……」というキャラはたいてい失敗しています。ガンダム自体を高性能化すると、カイ・シデンが乗ったガンダムでもいいということになっちゃいますよね。そこをアムロとガンダムという組み合わせが最高だということにしたかった。

 とはいえ、原作通りにしてもしょうがない。ガンダムに部下を率いさせて高い戦力を得る、ということもできる。原作を守れるようにもできる。ガンダムに部下を率いさせると補給物資を多く使うというデメリットもある。コアブースターを1機をお供にして走り回るという、原作通りな動きができるようにもしました。

――ブライトのキャラクタースキル「弾幕薄いよ」はツボにはまりました。

芝村 ブライトの悲しいところは、補給戦が延びると補給物資を多く使うということ。みんなが守りに入って補給物資のために動けない、という局面で、ガンダムを大暴れさせるためにはついていかなくてはいけないんですね。艦船を戦いに出すのは悪手ですけど、ホワイトベースも戦わなくてはならないんです。

――まわりを囲まれてしまったときに「後退」スキルが発動されて、それができないユニットが破壊されてしまうのはユニークですね。

芝村 一年戦争で敵が逃げていくだけの話があるんですよ。それをうまくやろうとしたときに、包囲戦になると損害がはねあがるという大戦以来の伝統があるので、“包囲せよ、然るのちに殲滅せよ”という戦術が使えるようにしよう、と。コアブースターなどは足が早いので、相手が逃げられなくなったところで後ろから回りこんで囲める。ランバ・ラル戦とかはそうですよね。

 攻撃したら後退するスキルを持つキャラクターもあるので、そういうユニットは攻撃させずにその場にいさせたりする。ガンダムといけにえの機体を引き連れることもできます。アムロと戦場に行くと死亡フラグが立つ、という原作のお約束を表現しています。

――個人的に感じたことなんですが、ジョブ・ジョンって強いですよね。

芝村 一応彼はガンダムの副パイロットなんです。カイ・シデンとかを押しのけて副パイロットになった人なので、若干強めに設定しました。

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