「Def Jam FIGHT FOR NY」本日発売レビュー(2/2 ページ)

» 2005年02月24日 21時41分 公開
[宍戸晃男,ITmedia]
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まさに、何でもアリの格闘ゲーム

 実際にプレイして最初に驚くのは、各キャラの動きの滑らかさだろう。見ていて、まったく違和感がない。良くありがちな、キャラ同士が組み合ったときに腕や関節が抜けたりする、などということが見られないのだ。それでいて、処理落ちすることも一切ないのだから、その技術力の高さには敬服する限り。

 また、選んだフィールドによってはギャラリーが配置されるのだが、彼らを利用した戦いができるのも、非常にユニーク。ただし、ギャラリーの使い方はコンピュータが非常に上手く、プレイヤーがやられっぱなしになることが、しばしばあった。

 そんな中で特に際だつのが、登場人物たちのとんでもないセリフ。元がスゴイのだろうけれど、放送禁止になりそうなヤバい用語がたくさん登場している。おかげで、プレイしている身にも乗り移ってしまい、ついつい汚い単語で相手を罵ってしまった。

 デモも圧巻で、銃での撃ち合いあり、地下鉄に轢かれてしまう対戦相手ありと、まさにバイオレンスという単語がピッタリ。それだけに、分別を持った大人以外はプレイしてはいけない……と思ってしまった。

勝負の最後に電車に轢かれてしまう、なんてシチュエーションもある。こんな凶悪なシーンも、洋ゲーならでは

 ただ、主に海外向けのタイトルのためか、1面から敵が強い。日本で販売される格ゲーならば、大概3面までは適当にプレイしていても勝てるが、そういったことがまったく見られないため、コツをつかむまでは難しく感じられる。

 さらに、本拠地である隠れ家に帰ると、自キャラを着飾るためのショップが4つあるのだが、それらの存在意義が今ひとつはっきりしなかった。見た目が、バトル時やイベントで反映されるぐらいで、戦いには関係ないように思える。そこで、これらの疑問を解消するために、直接開発者の方に話を伺ってきた。

最大4人で戦うバトルロイヤルシーンもある。視界が遠くなってしまい、キャラが小さく見づらくなってしまうのがツライところ

「人間臭さのあるCPUを作りたかった」

 答えてくれたのは、本作のバトル部分のプログラムを担当した株式会社アキの矢野氏と、EAの大柳氏。まず、難易度について矢野氏に話を聞いてみたところ、「コンピュータは人間のように、波に従って行動してくる」と答えてくれた。つまり、コンピュータは攻撃する時間と防御する時間という波を持っており、その波にあわせて攻撃ラッシュを仕掛けてきたりガードを固めたりする、とのこと。

 また、「国内の主立った格闘ゲームのように、パターン攻撃を仕掛けないように調整した」とも説明してくれた。そのため、ガチャプレイでは勝てないようになっているそうだ。さらには「小攻撃で相手を倒せる日本の格闘ゲームに疑問をもったので、弱攻撃では敵をKOできないようにした」という、細かい部分にまで配慮して作ったという。

 服装や髪型、入れ墨にアクセサリといったオシャレに関しては、「カリスマ値が設定されていて、それがアップする」と教えてくれた。「カリスマ性が上がると、ギャラリーの反応が良くなり、自分の精神力がアップ。すると、自動的にブレイジング・ゲージが上昇してブレイジング・モードになりやすくなるので、戦いが有利に運べる」という興味深い話も聞けた。

 カリスマ性に関しては、いいものを着て、カッコイイ服装をすることが大事だということで、ストリートファッションを知っている人ほど、優位に戦えるようだ。

自分をコーディネートするのも、重要な要素。どのように着飾るかによって、カリスマ性なども変化する

 日本語ローカライズに関しては「あのすごいセリフは、基本的に英語をそのまま翻訳している」と、大柳氏。元の英語でも「ビッチなんて単語が平気で登場している」とか。そのためではないだろうが「EAとして、初めてM(海外でのレーティングで、18禁を表す)を取ったタイトル(笑)」となったとのこと。音楽に関しても、「ヒップホップを意識した曲を収録しているので、DJの方などにもプレイしてもらえるとうれしい」という話だった。

アキの矢野要二氏

日本向けではないために大味に感じたが

 従来の格ゲーに飽きてしまった人や、その際どいセリフに惹かれた人には、お勧めできるタイトルだろう。ヒップホップが好きな人や、ストリートファッション誌を良く読むような人にも、ピッタリ合うはず。

 その一方で、日本的な格闘ゲームが体に染みついてしまった人には、個人的な意見ではあるが体質的に厳しいかもしれないと感じた。特に、ゲームに慣れているはずの自分がプレイしても最初はなかなか勝てなかったのだが、ストーリーモード中でも難易度設定をイージー・ミディアム・ハードの3段階に変更可能なので、格闘ゲーム上級者でなくても白熱のバトルを楽しんでもらえるだろう。

Def Jam Fight for NY
対応機種PlayStation 2
メーカーエレクトロニック・アーツ
ジャンル格闘ゲーム
発売日2005年2月23日予定
価格6090円(税込)
プレイヤー人数1〜4人
対応周辺機器メモリーカード、アナログコントローラ、マルチタップ
メモリーカード313KB(予定)
メディアDVD-ROM(1枚組)
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