FF生みの親の参加で次世代Xboxはどう変わるのか

あのファイナルファンタジーの坂口博信氏との契約や日本市場に向けての戦略など、次世代Xboxについての多くのエピソードを、Microsoftの責任者ムーア氏が語る。(IDG)

» 2005年03月02日 21時36分 公開
[IDG Japan]
IDG

 米Microsoftで、Xboxを主軸とするホーム&エンターテインメント部門のコーポレートバイスプレジデントを務めるピーター・ムーア氏に、ファイナルファンタジーの作者坂口博信氏と結んだ契約について、さらに詳しい話を聞くことができた。

―― (坂口氏の会社)ミストウォ−カーに最初にアプローチしたのはいつですか。

ムーア かなり前からです。私は個人的には昨年の4月から働き掛けていました。坂口さんに最初に会ったのは、日本市場でもっと成功するために必要と思っていることの可能性を話し合うためでした。重要だったのは、次世代ゲームのあり方についてのビジョンを共有できるかどうかでしたが、私たちは確実に共有できます。当社は坂口さんと4、5回話し合い、この非常にカリスマ性があり、意欲的なゲーム業界の偉大なスターの1人と長い時間を過ごしました。外部に向けてこうした話を始めるのはわくわくします。次世代の作品についての話を始めるのはね――当社が次世代について、本当に具体的な発表をするのはこれが初めてですから。

―― この話を持っていったときの、坂口氏の最初の反応はどうでしたか。

ムーア 彼は、また仕事に戻りたくてうずうずしているのだけれど、このジャンルで本当にやりたいことを実現できるプラットフォームでしか、やるつもりはなかったのだと思います。Microsoftが今後のXboxについて持っているビジョンが自分のビジョンと重なるかどうかを、確認したがりました。彼はこれまで、Xbox関連の仕事はしていなかったものの、Xboxとその開発アーキテクチャの大ファンだったのです。このアーキテクチャはゲーム開発者に、大作ゲームソフトを簡単かつ合理的な方法で市場に送り込む手段を与えるからです――はっきり言えば競合他社との比較でね。

 坂口さんは、Microsoftが日本でも使っている英語のXboxスローガン「it's good to play together」を非常に気に入っています。彼は、PCに向かって1人で何日もゲームをする時代は終わり、ゲームはまさに、2〜4台(のXbox)で、あるいは彼自身も大ファンのXbox Liveで行う、社会的活動になったと考えています。

 彼は次世代がどうあるべきかの具体的なビジョンを持った、実に素晴らしい人物です。そして、彼と当社のビジョンは非常に良く合っています。

―― では、今度の2本のRPGゲームにはLiveコンポーネントが含まれるのですか。

ムーア もちろんLive対応になります。しかし、私が自戒していることの1つは、ゲーム開発者にビジネス戦略――この場合はXbox Liveのことですが――を強要しないことです。彼らがそれをゲームにとって正しい戦略だと判断するかどうかは別の話です。そうしたことはもう少し先に決まるでしょう――でも私はその選択を、私のようなビジネスマンではなく、クリエーターに任せるつもりです。

―― プレスリリースにはミストウォーカーは次世代Xbox専用のRPGを制作するとありました。これは同社が、別のジャンルのゲームなら、ほかのゲーム機用の制作ができるという意味ですか。それとも、今回の発表でニンテンドーDS用ゲームを制作するという同社の計画は変わるのでしょうか。

ムーア 同社がどうやって、この2つの大掛かりな開発プロジェクト以外のものにリソースを割くのか、私は知りませんし、そのことは、当社にとって大きな問題ではありません。当社にとって気掛かりなのは、適切な開発リソースが得られるかどうかです。なにしろ、RPGをエンジンからストーリーやキャラクターまで、つまりゼロから制作するのですから。時間が空いたからほかの作品も作ってみようというような話ではありません。私たちはリソースを築くことに大きな力点を置いています。実際、現状のリソースでは不十分で、ゲームの完成に向けて、もっと投入することになるでしょう。

 しかし、RPGについては、坂口さんは次世代Xboxプラットフォーム専任です。ミストウォーカーはニンテンドーDSのタイトルに携わっています。また同社が、別のジャンルに参入したければそれもいいでしょう。坂口さんに実際その計画があるかどうかは非常に疑わしいと思いますが。

―― Xboxを日本市場にもっとアピールするために、ほかにどんな方策を講じますか。現在のXboxの主な問題はデザインですが。

ムーア 当社が本当に満足な結果を出せなかった領域があるとしたら、最も問題があるのはコンテンツだと思います。このプラットフォーム専用の魅力的なRPGゲームがあれば、多くの問題を解決できます。2番目の問題が、ゲーム機自体のデザインが、日本人のような好みのうるさい消費者の趣味にかなわなかったことだと思います。次世代Xboxのハードウェアデザインをどのようなものになるにせよ、私は常に、デザイン、フレア、スタイル、テクスチャ、色などについての日本人のリトマス試験をパスすることに最大の注意を払っています。それは明らかに――「次世代ゲーム機に関してあまり意欲的でないアメリカ人」ととらえられているかもしれない――当社が、力を入れている部分なのです。

―― “Xbox 360”の噂が飛び交っていますが、これについてコメントをいただけますか。

ムーア やれやれ、インターネットってやつは――私も情報はみんなインターネットで集めるんですが(笑)。最終的にどんな名前になるかなど、そのプラットフォームにどんなゲームが載るかという問題に比べれば、取るに足らないことでしょう。面白いゲームがあれば、それがどんな名前だろうと、人は買うものです。名称が“Xbox 2”だろうが“Xbox Next”だろうが“NextBox”だろうが、またどこかの誰かが夜中にPhotoshopで細工した画像をインターネットで公開しようが、現時点での私たちの戦略にとって、重要なことではありません。その時が来れば名称は分かるし、好きか嫌いかも分かります――でも、人々がそれよりもっと関心を持つのは、そのゲーム機でどんなゲームができるのかということでしょう。

―― 次世代Xboxは今年発表されますか。Xboxユーザーは2台目のゲーム機を買うでしょうか。

ムーア 発表時期について言うつもりはありませんが、次世代Xboxの立ち上げ準備が整うときは、高品位のゲームが呼び物となるでしょう。例えば、私が初めて高解像度でフットボールの試合を見たとき、もう普通の放送でフットボールを見る気にはなれませんでした。ゲームが面白く、斬新でこれまでにない独創性を持っていれば、そして画質が従来のものより優れていれば、消費者の支持は得られると思います。

―― E3では次世代Xbox関連で何かやりますか。

ムーア さあ、E3には行きますよ(笑)。



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