IT戦士、「デス バイ ディグリーズ」で鉄拳ニーナに憧れる:ITmedia GAMES NINA PROJECT No.2
格闘ゲーム「鉄拳シリーズ」のキャラクター、ニーナが主役のPS2ゲーム「デス バイ ディグリーズ」をプレイしたIT戦士。強く美しいニーナに憧れ、ニーナになり切るという暴挙に出た。
「ニーナみたいになりたい」――美人スイーパー、ニーナ・ウイリアムズが主人公のPS2用アクションアドベンチャーゲーム「デス バイ ディグリーズ 鉄拳:ニーナ ウイリアムズ」をプレイし、記者はニーナにあこがれた。豪華客船に単独で潜入し、襲い来る男性をバッタバッタと倒すニーナ。ITの力で世界平和を目指す“IT戦士”の記者としては、彼女のような強さと美しさを是非身につけておきたいところだ。
事の始めはこの記事だ。将来、断っても断っても四方八方から男たちがプロポーズに押し寄せるとも限らない。指先(スティック)ひとつ弾いて倒すニーナに惚れた。いや、むしろ私がニーナだ。ここはひとつ、ニーナを見本に華麗な技と、女の魅力を磨かなくてはならないと、電車に飛び乗るのだった。
しかしどうすればニーナみたいになれるのだろうか。見当もつかなかったので、まずはニーナの魅力を探ろうと、同ゲームを開発したナムコCTクリエーターグループの坂上プロデューサーに話を聞いた。
「ニーナの魅力は媚びないところ。目的のためなら手段を選ばず任務を遂行する意志の強さです」と坂上プロデューサー。なるほどそうか。クリスマスにサンタ服を着たり、男と見れば誰彼構わず告白するのはむしろ逆効果だったのか。
「ニーナの動きは基本的に、白人女性のモーションキャプチャを利用していますが、強さを演出するため、戦闘中の動きには一部、各国の女性スタントマンによるモーションキャプチャを利用しています」――女性の弱さを徹底的に排したキャラ作りを行ったという。戦闘シーンは複数の敵と同時に戦える全方位バトルを採用。何人もの屈強な男性に、たった一人で立ち向かう。
「2本のスティックを使った操作方法にしても、「鉄拳」が1対1の格闘ゲームだったのに対して、1対多を想定した時どういう倒し方があるのかと考えたんです。大技の時に全方位の敵を倒すといったことではなく、あくまでも通常の攻撃で。そんな時、ふとコントローラのスティックを弾けばいいんじゃないかと思いつき、その結果がこの独自の攻撃方法となりました」――なるほど女性も個性が求められるように、攻撃方法ひとつとっても独自性は重要ということか。ゲーム中にある内部破壊に関しては、ビジュアル的に表現するのに開発陣にイメージ伝える際に、必殺シリーズを例に挙げたとか。時にはわかりやすさも“個性”か、ふむふむ。
その一方で、戦ううちにストッキングが破れたり、しばらく何も操作しないでいると、スカートのお尻の部分を直し、髪をかきあげるなど、セクシーな動きを見せてくれる。強さと女性らしい色気――このギャップが魅力につながるようだ。
インタビューを続けるうち、ニーナの魅力を熱く語る坂上さんが、ニーナ以上に魅力的に見えてきた。彼は私みたいな女、好きだろうか。ドキドキしながら聞いてみた。「どんな女性がタイプですか?」。即座に返ってきた答えは、「ニーナみたいに強い女性です」。
やはり……こんなこともあろうかと、記者はニーナ風の金髪カツラを準備しておいたのだ。おもむろにカツラを装着し、さっそうと上着を脱ぎつつニーナの決め台詞を一発。「WHO DARES WINS!」(危険を冒すものが勝利する)。
――完璧だ。われながらニーナそのものだ。坂上プロデューサーも記者に惚れたのか、困ったような半笑いだ。
ここであと一押し。記者の強さを見せ付けて、完璧に惚れさせよう。インタビュー会場の会議室の机を隅に追いやり、ニーナの構えで決闘を申し込む。「レッツ、ケットー、プリーズ!」。
まずは大技、ディバインキャノンを繰り出す。ニーナのごとく勢いよく足を振り上げ、坂上さんに大ダメージを与え……ようとしたが、足がプルプルして上がらない。あ、ピキって音が。つ、つった……
キックがダメなら腕ひしぎだ。坂上さんを無理やり押し倒して手をつかみ、締め上げる。「ぐっ」――坂上さん、本当に痛そうだ。よし、あと一押し!
とどめだ。ファールキックで急所に一撃。
「うっ」と呻いて床に崩れ落ちる坂上さん。……し、しまった、本当に倒してしまった。
ぐったりした坂上さん。記者に惚れることなど、当然なかった。
「強い女は孤独なのね……」。
坂上さんをその場に残したまま、記者はニーナの魅力をもう一度確かめるべく、家に帰ってゲームの続きをプレイ。実戦で経験値をためてしまったのか、スティックさばきも慣れたものでステージもサクサク進む。いつの間にやらボス戦に突入すると、なにやら髪型が個性的なオジサマが出現した。これくらい歳が離れていてもいいかもしれない……と、対象年齢も広げてくれたニーナに感謝するのだった。
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