“小宇宙”と書いて“コスモ”と呼ぶ――「聖闘士星矢 聖域十二宮編」で燃えろ三十路(2/2 ページ)

» 2005年04月07日 17時32分 公開
[J.O.宍戸,ITmedia]
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まぶしいぐらいの黄金聖闘士に怖じ気づかず、攻撃を見切ろう

 各宮まで来ると、テレビ版と同じシーンが、CGレンダリングされた聖闘士達によって再現される。例えば、木戸沙織の胸に黄金の矢が刺さってしまう場面なども思わず「あー、そんな場面があったあった」と言いながら、ついつい眺めてしまった。個人的には当時のアニメをムービーで再現してほしかったところだが、時代背景を考えるとしょうがないのかもしれない。懐かしいストーリーを思い起こした後、ついに黄金聖闘士達との戦いが始まる。

黄金十二宮編の始まり、木戸沙織の胸に黄金の矢が撃ち込まれてしまうシーンも、そのまま忠実に描かれている

 自キャラと対戦相手は、物語と同じく場所によって変わるので、各キャラごとの特徴を活かした戦い方をしたいところ。序盤は楽勝なのだが、中盤を過ぎると相手が鬼のように強くなる。敵の攻撃に合わせてガードをすると、相手が一瞬硬直するため攻撃を入れ放題になるのだが、この技を中盤過ぎからコンピュータが多発してくるのだ。

 攻撃に合わせてガードをするのは、人間にはそんな簡単にできない。しかし、それをかなりの高確率で出されるわけだから、途中でイヤになってしまう。もっともHPを0にされてしまっても、一定時間内に左スティックを回しボタンを連打すれば、女神の加護で復活できるので、そんなに苦労するわけではないのが救い所。とはいえ2回、3回と負けるとドンドン復活しづらくなり、4回目で完全に息絶えてしまう。そうなる前に、力押しで敵を倒してしまいたいところだ。

 幸い、敵の攻撃パターンはそれほど複雑ではないので、相手の行動を見切って技を出せば、終盤もなんとか勝てる。それでも、格闘ゲームをプレイしない人にとっては、かなり厳しい戦いになることは間違いない。あらかじめ難易度設定を変更し、“やさしい”にしておくことを勧める。また、大技を叩き込んで大ダメージを与えたい思いに駆られるのだが、勝つだけならば小技を地道に当てて手数勝負したほうが、分が良かった。標準難易度でも、もう少し優しくしてくれても良かったと思うのだが……。

 最終的には教皇を倒し、目的を果たせばエンディングを迎えられる。その後にもう一度プレイすれば、新しいストーリーが追加されるため、何度も遊べる仕組みになっているのはありがたい配慮だ。繰り返しプレイすれば、対戦時に使えるキャラやコレクションが増えていくのも、収拾壁がある人には魅力的だろう。

小宇宙(コスモ)を感じ、小宇宙を爆発させよ!

 聖闘士星矢といえば、なんと言っても小宇宙を利用した派手な必殺技が見物。敵を攻撃したり、ダメージを受けると小宇宙ゲージが溜まっていき、最大レベルの3になると強力な技も出せる。また、MAXまで小宇宙を溜めた後、○ボタンを押し続けるとさらに小宇宙をチャージでき、そのレベルに応じてビックバンアタックと呼ばれるスペシャルアタックが使える。これで敵のHPを0にしてしまえば、二度と復活してこない。

各キャラとも、固有の必殺技を持っている。星矢であれば、もちろんペガサス流星拳。複数のパンチが、相手に向かって飛んでいく。全部当たれば十数Hitする、強力な技
星矢のビックバンアタックは「ペガサス彗星拳」。これを喰らってHPを0にされてしまうと、甦ることができない。発動させると、ものすごく派手な演出が展開される

 何度も立ち上がってくる黄金聖闘士たちは、この技でトドメをさせばイチコロだ。もちろん、そんな簡単に小宇宙をチャージできるわけではなく、○ボタンを押し続けるチャンスを見つけて発動させる緊張感とスリルが、絶妙のバランスで保たれている。そのため、戦いの最初から最後まで気が抜けないのだ。

 全体的には当時の雰囲気を残すことに成功しているのだが、残念ながら各キャラのCGレンダリングがイマイチだったり、戦闘時の敵思考ルーチンのバランスが強すぎる点などに不満を感じた。しかし、コレクターアイテムとして考えればかなり上出来で、各種名場面が忠実に再現されていることもポイントが高い。大まじめな対戦格闘ゲームと考えずに、当時の思い出を再現させたい人や、まだまだ聖闘士星矢にハマっているという人向けのタイトルだろう。

 最後に、お約束のセリフを一つ……「キミは、小宇宙を感じることができるか?」

瞬が氷河を抱きしめて(!)暖める、女性ファン必見のシーンも、もちろん完全再現されている。これで萌えてしまう人は、オタクの素質あり!?
聖闘士星矢 聖域十二宮編
対応機種PlayStation 2
メーカーバンダイ
ジャンル小宇宙対戦アクション
発売日2005年4月7日
価格7140円(税込)
(C)車田正美/集英社・東映アニメーション(C)BANDAI 2005


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