“優しい”「イースIII」をしながら、微妙なお年頃ゲーマーは「イースIV」を思う(2/2 ページ)

» 2005年05月09日 08時00分 公開
[J.O.宍戸,ITmedia]
前のページへ 1|2       

ライトなRPGユーザーが、まさに“手軽に”遊べる1本

 オリジナル版からの違いは数多いものの、アクションRPGで重要な当たり判定はしっかりしているし、クリア後にはタイムアタック付きのボスラッシュも用意されている。簡単になったことについては賛否両論あるかもしれないが、少なくともライトなRPGユーザーにとっては、打ってつけのタイトルだろう。クリアまでの時間も短いので、気軽に遊べる点もうれしい。今までアクションRPGに抵抗を感じていたという人には、入門のための1本としてお勧めできる作品に仕上がっている。

 しかし、オリジナル版を知り尽くしている人にとっては、不満の残る出来なのは否めない。あの当時にできたことが現在のハードで再現されていないと言うのは、やはり残念なこと。当時に思い入れのある人ほど、そう思ってしまうのではないだろうか。できれば、オリジナル版そのままも収録して、1本で2度おいしいタイトルとしてリリースしてほしかった。今月末に同社から発売される「イースIV Mask of the Sun ‐a new theory‐」に、改めて期待したい――と、締めるはずだったが……。

一足早く「イースIV」がやってきた!

 と、ここまでの原稿を書き終えて一段落していたとき、タイミング良くイースIVのROMが手元に届いた。発売に先駆けて、その内容を簡単に紹介しておこう。今回、イースIVのPS2版をプレイするにあたり、事前に「イースVI」に付属していたイースIVをプレイしてみたのだが、スーパーファミコンで発売されたオリジナル版の出来に落胆した。もし、これが忠実に移植されていたらどうしよう……と思いつつ、おそるおそるプレイしてみると、中身はまったく違うものになっている。

 物語は、イースI、IIの半年後。アドル18歳の時の冒険記で、手紙の入っている瓶を拾い、そこに書かれていた文章を読んだことから物語が始まる。ストーリー展開が若干変わっているものの、大筋はほぼオリジナル版と同じ。登場キャラのデザインは、イースIIIと共通になっている。フィールドは見下ろし型から3Dへと変わり、攻撃方法がオリジナル版は伝統の半キャラずらし体当たりだったのが、PS2版では弱・中・強と3段階に設定された剣で攻撃するようになった。

まったく変わった画面構成。オリジナル版には欠けていた、Ysらしい繊細なグラフィックとなっている

 若干分かりづらかったフィールドも整理され、迷子になる心配は皆無。敵を倒して先に進んでいけば、サクサクとレベルが上がるバランスに調整されているので、誰もが遊べるようになっている。特に大きく変わったのは見た目で、イースの名前に相応しい、繊細な3Dグラフィックがプレーヤを魅了してくれる。剣は、ボタンの組み合わせで最大5連続での攻撃が可能となっているため、アクションの腕に自信がある人なら、さらに楽しめるのは間違いない。

タイミング良く攻撃ボタンを押せば、最大で5Hitコンボになる。出ると、なかなか気持ちがいい

 ストーリーの流れも自然で、BGMも内容に相応しい美しいものに仕上がっている。登場人物のセリフは、一部を除き声が当たっているので、非常に盛り上がるイベントへと変わっている。タイトルに“New Theory”とついているように、ストーリーが同じで中身は別物の、生まれ変わったイースIVというのが正しい考え方だろう。「かなりおもしろい作品に仕上がっている」というのが、筆者の現時点での偽らざる本音だ。

ストーリーが進むときは、謎の人物たちの視点で語られる。彼らの正体は、物語が進むと明らかになっていくのだ
タイトルにある“New Theory”が、まったく新しくなったイースIVを表している
イースIII 〜ワンダラーズ フロム イース〜
対応機種PlayStation 2
メーカータイトー
ジャンルアクションRPG
発売日2005年3月24日
価格6090円(税込)

イースIV Mask of the Sun -a new theory-
対応機種PlayStation 2
メーカータイトー
ジャンルアクションRPG
発売日2005年5月26日
価格6090円(税込)
(C)TAITO CORP.2004
(C)1993,2004 Nihon Falcom Corporation


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/22/news047.jpg 刺しゅう糸を20時間編んで、完成したのは…… ふんわり繊細な“芸術品”へ「ときめきやばい」「美しすぎる!」
  2. /nl/articles/2412/18/news207.jpg 「理解できない」 大谷翔平と真美子さんの“スキンシップ”に海外驚き 「文化は100%違う」「伝説だわ」【大谷翔平激動の2024年 現地では「プレー以外のふるまい」も話題に】
  3. /nl/articles/2412/21/news040.jpg 友達が描いた“すっぴんで麺啜ってる私の油絵"が1000万表示 普段とのギャップに「全力の悪意と全力の愛情を感じる」
  4. /nl/articles/2412/22/news034.jpg 後輩が入手した50円玉→よく見ると…… “衝撃価値”の不良品硬貨が1000万表示 「コインショップへ持っていけ!」
  5. /nl/articles/2412/21/news019.jpg 毛糸6色を使って、編んでいくと…… 初心者でも超簡単にできる“おしゃれアイテム”が「とっても可愛い」「どっぷりハマってしまいました」
  6. /nl/articles/2412/22/news036.jpg 「これは家宝級」 リサイクルショップで買った3000円家具→“まさかの企業”が作っていた「幻の品」で大仰天
  7. /nl/articles/2412/21/news023.jpg 「人のような寝方……」 “猫とは思えぬ姿”で和室に寝っ転がる姿が377万表示の人気 「見ろのヴィーナス」
  8. /nl/articles/2412/15/news031.jpg ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  9. /nl/articles/2412/17/news042.jpg 山奥で数十年放置された“コケと泥だらけ”の水槽→丹念に掃除したら…… スッキリよみがえった姿に「いや〜凄い凄い」と210万再生
  10. /nl/articles/2412/22/news020.jpg 余りがちなクリアファイルをリメイクしたら…… 暮らしや旅先で必ず役に立つアイテムに大変身「目からウロコ」「使いやすそう!」
先週の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  4. 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
  5. 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
  6. 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  7. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  8. ある日、猫一家が「あの〜」とわが家にやって来て…… 人生が大きく変わる衝撃の出会い→心あたたまる急展開に「声出た笑」「こりゃたまんない」
  9. 友人のため、職人が本気を出すと…… 廃材で作ったとは思えない“見事な完成品”に「本当に美しい」「言葉が出ません」【英】
  10. セレーナ・ゴメス、婚約発表 左手薬指に大きなダイヤの指輪 恋人との2ショットで「2人ともおめでとう!」「泣いている」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」