「イース」シリーズから考察する最新作「イースIV」は特別な存在(1/3 ページ)

タイトーからリリースされる「イースIV」は、従来発売されていたスーパーファミコン版・PC Engine版とも違ったゲーム内容となっている。以前に発売されていた両機種版共に、賛否両論が渦巻いていると言うこともあり、PS2版がどうなっているのか、気になる人も多いはず。そこで、その詳細をチェックしてみた。

» 2005年05月25日 14時19分 公開
[J.O.宍戸,ITmedia]

シリーズの中でも特別な存在だった「イースIV」

 今でも、数多くのファンを魅了し続けてやまない作品、イースシリーズ。1987年当時、ちまたに氾濫していた“あまりにも難しすぎるゲーム”へのアンチテーゼとして誕生したイースIは、今では日本のPCゲームを代表するシリーズへと成長を遂げたことは、間違いない。

 そんなイースシリーズは、大別するとI〜III、IV〜V、VI以降の3つに分けることができる。I〜IIIはパソコンで発売されたシリーズで、IVとVがスーパーファミコンとPC Engine。VI以降やリメイク作品はWindowsプラットフォームとなっている。IやII、IIIなどはコンシューマ機でも発売されているが、ここではこのように定義しよう。そう考えると、パソコン版しか知らないユーザーには、IIIの後はいきなりVIとなってしまう。つまり、その間の作品がどのようにして発売されたのかを、全く知らずに現在へと至ることになる。そこで、まずはIVがどのような経緯で世に出たのかを紐解いてみよう。

 IIIをパソコンで発売したファルコムはその後、コンシューマ機でIVを出すことを決めるのだが、当時は3機種が競い合っていた。任天堂のスーパーファミコン(SFC)、NECホームエレクトロニクスのPC Engine(PCE)、そしてセガのメガドライブだ。ファルコムは、これら3機種すべてでイースIVを発売することを考え、原案のみを制作。各社に打診した。それを元に開発、発売されたのが、SFC版とPCE版のイースIVとなる(なお、メガドライブ版のイースIVは、さまざまな事情により発売はされなかった)。

 以上の経緯で発売されたSFC版イースIVだが、これまでは開発をトンキンハウスが手がけたと言うこともあり、どちらかというとPCE版が正史と考えられてきた。しかし、イースVIに付属するイースIVがSFC版であることや、ファルコム自身がPCE版をアナザーストーリーと表現していることから、現在ではSFC版が正当なイースのIV作品目となっているようだ。

全てが新しくなったタイトー発の「イースIV」

 そのような背景をもつイースIVだが、今回タイトーからPS2用として発売される「イースIV」は、サブタイトルに“a new theory”とついていることからも分かるように、全く新しくなっている。

タイトル画面に追加されている“a new theory”の文字が、新作であることを示している。ちなみにMASK OF THE SUNとは“太陽の仮面”との意味で、本作のラストでその正体がわかる。

 ちなみに、theoryは理論や学説という意味の他に“説”という意味も持つことから、さしずめ“新説・イースIV”というところだろう。正史となっているSFC版は見た目やシステム、効果音など、パソコン版をプレイしていたユーザーからは“プレイするに耐えられない”との声も聞かれていたほど、あまり良い評判を聞かなかった。もっとも、それは一部のユーザーに限るかもしれないが……。

 ともあれ、そういった部分から、今回のイースIVにも心配しているパソコンユーザーは多いはず。だが、そんな心配は全く無用だ。新説というサブタイトルは伊達ではなく、本当に全てが新しくなっているのだ。

 全てというのは見た目だけでなく、ゲームシステムやストーリー、音楽までと、まさに何から何までもが新しい、完全なる新作として生まれ変わっている。中でも、すぐに分かるのが見た目とゲームシステムだろう。

 SFC版ではパソコン版と同じく、手前から見下ろした感じの視点でゲームが進み、敵への攻撃は主に、半キャラずらしでの体当たりだった。それがPS2版はフル3Dポリゴン表示になり、攻撃方法も剣を振って敵にアタックするシステムへとなっている。

3Dフィールドで、剣を使い敵を攻撃する。狙いを定めづらそうに見えるが、大体の位置さえ合っていれば、あとは自動的に敵に当たるようになっている親切設計

 ストーリーは、ベースとなる部分は他機種と同じものの、各所に違いが出ている。BGMもイースシリーズらしくなり、宝箱を開けたときの効果音もお馴染みのものになった。これならば、SFC版に落胆していた人でも納得できる出来栄えだろう。事実、SFC版でがっかりした筆者も、非常に満足できる内容となっていた。早速、その詳しい内容を見ていこう。もちろん、主役は赤毛の少年・アドル=クリスティンだ。

イースシリーズといえば、主人公は言わずとしれたアドル。IVはIIとIIIの中間の物語という位置づけになっているので、この時のアドルは18歳の設定だ

プレイしていて飽きないシステムに感心

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2410/25/news108.jpg 「ふざけてる」「作品を知らないのになぜ?」と怒りの声 マクドナルドと「HUNTER×HUNTER」コラボの“PR施策”が物議【台湾】
  2. /nl/articles/2410/26/news025.jpg 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた
  3. /nl/articles/2410/22/news162.jpg たった築8年で“ぶっ壊れた”マイホームのリアル おそろしい戸建て事情に「声出た」「我が家もそうでした」
  4. /nl/articles/2410/24/news052.jpg 大家に「好きにしていいよ」と言われて薄暗い部屋をDIY改装したら…… あまりの変貌に仰天「すっげえええ」 投稿者に話を聞いた
  5. /nl/articles/2410/25/news019.jpg 【今日の計算】「3+3÷3−3」を計算せよ
  6. /nl/articles/2410/13/news082.jpg 荒れ放題の“悪夢の庭”をたった1人で11時間掃除したら…… あっぱれすぎる働きぶりに「あなたはヒーロー」と称賛
  7. /nl/articles/2410/25/news207.jpg 一度も髪を切ったことがない女性が、髪をほどくと…… 美容師も驚がくのスーパーロングヘアに470万いいね「リアルラプンツェル!」【海外】
  8. /nl/articles/2410/26/news028.jpg 生後0日→1歳10カ月の赤ちゃん成長ビフォーアフターが衝撃の700万再生 それから2年たった現在は…… さらに驚く姿に反響
  9. /nl/articles/2410/26/news023.jpg 2歳娘が一時保育に行ってる隙に“空き巣”が…… まさかの正体に「留守を狙ったんですね」「かくほしちゃうぞ」
  10. /nl/articles/2410/23/news154.jpg 自宅の犬小屋に住み着いた野良猫が、1年後…… まさかまさかの“現在”に「うわあ!よかったねえ!」「お幸せに」と100万表示
先週の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  3. 「Snow Man」の映像が中国で物議→公開停止 所属会社「歴史的事象に対する配慮に欠けた」と中国語と日本語で謝罪
  4. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  5. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  6. 「かわいいってこういうこと」 生後1カ月の子猫が暖をとる場所は……幸せしかない姿に「この角度から見るのが最幸」
  7. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  8. 「ボットン便所を簡易水洗にしたい」→「どれどれ……」 建設会社スタッフが驚がくした“歴史的遺物”に大反響 「相当貴重なもの」
  9. 「その手があったか!」 ほぼ卵焼きだけの弁当?→“まさかのサプライズ”が800万再生 「天才すぎて泣いた」
  10. 飛行機で傷口が感染し「身体の一部を切除」 133万フォロワーの元アイドル「痛みで涙が止まらない」悲痛の現状報告
先月の総合アクセスTOP10
  1. “緑の枝付きどんぐり”をうっかり持ち帰ると、ある日…… とんでもない目にあう前に注意「危ないところだった」
  2. 「しまむら」に行った58歳父→買ってきたTシャツが“まさかのデザイン”で3万いいね! 「同じ年だから気持ちわかる」「欲しい!」
  3. 友人に「100円でもいらない」と酷評されたビーズ作家、再会して言われたのは…… 批判を糧にした作品が「もはや芸術品」と490万再生
  4. 高校3年生で出会った2人が、15年後…… 世界中が感動した姿に「泣いてしまった」「幸せを分けてくださりありがとう」【タイ】
  5. 「ま、まじか!!」 68歳島田紳助、驚きの最新姿 上地雄輔が2ショット公開 「確実に若返ってる」とネット衝撃
  6. 荒れ放題の庭を、3年間ひたすら草刈りし続けたら…… 感動のビフォーアフターに「劇的に変わってる」「素晴らしい」
  7. 食べた桃の種を土に植え、4年育てたら…… 想像を超える成長→果実を大収穫する様子に「感動しました」「素晴らしい記録」
  8. 「天才!」 人気料理研究家による“目玉焼きの作り方”が目からウロコ 今すぐ試したいライフハックに「初めて知りました!」
  9. 「エグいもん売られてた」 ホビーオフに1万1000円で売られていた“まさかの商品”に「めちゃくちゃ欲しい」
  10. 義母「お米を送りました」→思わず二度見な“手紙”に11万いいね 「憧れる」「こういう大人になりたい」と感嘆の声