裏技+ファンタジー「ドルアーガの塔」:ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ!」(1/2 ページ)
今回取り上げるゲームは「ドルアーガの塔」(ナムコ)です。このゲームは、ファンタジー世界を舞台とし、エンディングが存在するというシナリオ、そして隠しアイテムを出さなければクリアできないというシステムを持つ、画期的なゲームでした。
今とは別の時間、別の世界のお話。
とある王国で悪魔「ドルアーガ」が復活し、巫女のカイが捕らえられてしまう。
王国の騎士でカイの恋人のギルガメス(ギル)は、ドルアーガを倒し、カイを救うため、たった一人でドルアーガの塔へ挑むのだった。
1984年、ゲームセンターに登場して話題を呼び、翌年ファミコンに移植された「ドルアーガの塔」。前年「ゼビウス」で大ヒットを飛ばした、遠藤雅伸氏の意欲作だ。
当時のパンフレットには、ギルが遠くからドルアーガの塔を見つめるシーンが、ジオラマで表現されていた。
円筒形の茶色い塔は、まるで周囲を威圧するかのごとくそびえ立っていた。
とはいっても、塔が実際どのくらいの高さなのかピンとこなかったので、感覚をつかむため、ドルアーガの塔によく似た建物へ、路面電車に乗って行ってみた。
ドルアーガの塔と同じ60階建ての、サンシャイン60である。
約300メートル離れた地点から撮ったのだが、それにしてもよく目立つ。高さは240メートルだ。
サンシャイン60なら、最上階まではエレベーターに乗ってわずか30秒余りで着くのだが、ドルアーガの塔にはそういった文明の利器はない。ギルは1階から順番に、モンスターたちをかきわけかきわけ、律儀に1階ずつ進んでいくことになる。
裏技・攻略本ブームを作ったゲーム
「ドルアーガの塔」は基本的には、剣と盾を使ってモンスターと戦い、落ちている鍵を取って扉に入り、次の階へ上がっていくゲームである。
だが、各階に用意された宝箱の中にある隠しアイテムを取らないと、クリアできなくなるばかりか、途中でまともにプレーすらできなくなってしまうのだ。
宝箱も、最初のうちは敵をある程度倒せば出現するのだが、上の階へ進むと、「鍵を取らずに扉を通り過ぎる」、「数秒静止する」、「特定の順番でモンスターを倒す」、「セレクトボタンを押す」など、どんどん出し方が複雑になっていく。
アイテムの効果もゲーム中では説明されない。取ると損するアイテムまで存在する。
一方、ドラゴンの動きを止めるアイテムや、炎を通過できるアイテムといった便利なものもあった。これらを取って、強くなったギルを操作できるのが快感だった。
現在なら、こういう説明不足なゲームは多分ヒットしないだろう。
だが、当時は熱心なゲーマーが各地にいて、ドルアーガの塔に敢然と挑み、次々と宝箱の謎を解き明かしていったのだ。
ドルアーガの塔は1985年、ファミコンに移植された。
もともと縦画面のゲームを横画面で移植したため、ファミコン版では縦横比が若干変わっている(迷宮のマス目の数も少し違う)ものの、ゲームそのものは忠実に移植されている。
ちょうどファミコンにおいては、ゼビウスで無敵モードが発見されたのをきっかけに、“裏技ブーム”が起こっていた。
ドルアーガの塔はそんな時期に登場した“裏技を出さないと進めないゲーム”だったこともあって、ゲームがヒットしたばかりでなく、攻略本も爆発的に売れた。
私が持っているのは、勁文社の「ファミリーコンピュータゲーム必勝法シリーズ7 ドルアーガの塔」だが、当時はほかにも数社から、このゲームの攻略本が発売されていた。
ちなみに、1カ月後に発売された「スーパーマリオブラザーズ」でも、攻略本が大ヒットして、出版界を騒然とさせている。
また、ゲーム専門誌もこの時期は、裏技がいちばんの人気コーナーで、どれだけの裏技を載せられるかが、雑誌の売り上げを左右したといわれている。
ファミコン版には、いわゆる“裏ドルアーガ”(隠しコマンドを入力することで現れる、宝箱の出し方がまったく異なるモード)も用意されていて、裏技ブームを一層盛り上げた。
ファンタジーの世界をファミコンユーザーに披露
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展望台から見た池袋駅。ドルアーガの塔には窓がなかったはずだから、残念ながらギルは、このような景色を見ることはできなかったかもしれない
画面中央がギルで、そのすぐ左下に扉。左上には鍵がある。右下のほうにあるのが宝箱だ
宝箱を出すために、あえて難しいことに挑戦せざるを得ない階もある。23階は、壁を突き抜ける呪文を出すウィザードを、全滅させなくてはならない難関だ
裏ドルアーガのタイトル画面。「DRUAGA」の文字の色が、通常の灰色から緑色に変わっている。