「グランディアIII」 〜グランディアという名の躍動感〜(2/2 ページ)

» 2005年08月04日 14時48分 公開
[仗 桐安,ITmedia]
前のページへ 1|2       

Gサーチという名の不思議能力

 「グランディア」シリーズの伝統でもある、LRボタンでのマップ回転は「3」でも継承されている。見事なグラフィックと相まって「まさにそこにいる」という臨場感は相当なもの。

 同じくスクウェア・エニックスから発売された「ドラゴンクエストVIII」で得られた“移動=冒険”の感覚。奇しくも、あれと似たような操作感覚があるのだ。しかし残念なのはLとかRでグリグリできるがために自分の方向を見失いやすい点。後方視点にすぐ戻せるボタンがあったり、カメラワークにもっと工夫があったりすればなおよかった。

 「3」で採用されたGサーチはなかなか便利。□ボタンを押すことで周囲の宝物やチェックすべきポイントが一目瞭然で判るので無駄足を避けることができる。また、民家に入ってモノを物色しなくてもよいというスタンスは個人的に気に入っている。メダルとかやくそうを探すのもオツなものだが、そういった要素がばっさりとないのも他のことに集中できるので精神衛生上よいものだ。

 なお、「X」ではセーブポイントがかなり限定されていて困った経験があるが、「3」ではダンジョン途中にもほどよく置かれているのでセーブで困ることはなさそうだ。

3D酔いに注意!

アルティメットアクションシステムという名の発明

 さて。お待たせしました。って待ってないか。そう。「グランディア」シリーズといえば……アルティメットアクションシステム! 敵味方が入り乱れての緊張感ある戦闘が楽しめるこのシステムは、IPゲージによって行動の順番を見きわめて次の行動を決める戦略性の高さが売り。

 クリティカルや必殺技を駆使したキャンセル(敵側のコマンドを無効にしてピンチを回避すること)などは健在なうえに「3」では空中コンボなる新システムも導入。これが半端じゃなく楽しい。コマンド選択形式であるにも関わらずアクションゲーム、ともすれば格闘ゲームをやっているような錯覚に陥ることがあるくらいに、爽快感と躍動感溢れるアクティブなものなのである。

 であるにも関わらず、プレイ自体はアクション性が高いわけじゃないので、アクションが苦手な方でもまったく問題なし。さらにはSAS(ストラテジーアドバイスシステム)という機能があり、これをオンにすると仲間が最適な行動をアドバイスしてくれたりする。オンオフは自由で、オフは上級者向けである。

 戦闘を重ねるごとに技を覚えたり、技の秘訣を掴んだりするので戦闘へのモチベーションも高いところでキープできる。かくいう筆者は今回の「3」のプレイで戦闘がたるくて逃走したことは一度もない。AIによる自動戦闘も選択できるし、それにしてもとにかく戦闘そのものが面白い。

 通常の戦闘がこれだけ自由で戦略性があるうえにこれだけスピーディーだというのは他では見られない、ちょっとした発明に近いものがあるなと思う。「2」では魔法エフェクトに時間をとられてもっさりしていた戦闘シーンであったが、「3」ではその点もあまり気にならない。「X」の戦闘からの正常進化であると言えよう。

 また、戦闘時に駆使する魔法やスキルのために街の店で魔法生成やスキル生成ができたりしてこれもまた楽しいわけだが、特に楽しいのがマナエッグ合成。まだ見ぬエッグを作るために「あれとこれを掛け合わせたら……」と考えるのがたまらなく面白いのである。各キャラにどの魔法どのスキルをつけるかという自由度もかなり高く、カスタマイズの結果はおそらく十人十色になるものと思われる。

グランディアという名の躍動感

 というわけで長々とその魅力についてお伝えしてきた「3」、もとい「グランディア」シリーズ。いかがだっただろうか。

 個人的に特筆すべきはグラフィックと戦闘システム。RPGのRPGたるところは「戦闘」絡みだと常日頃から思っている筆者にとって、「3」との出会いはとても嬉しいものだった。もちろんRPGに物語とか劇的な展開を求めている方にも「3」は答えてくれる。DVD-ROM2枚組という点からもお察しいただけるかと思うが、ボリュームもかなりのもので、やり応えのあるものに仕上がっている。スクウェア・エニックスの、そしてゲームアーツの底力を見た! といった感じだ。

 この夏、暇な人もそうでない人も、RPG好きならぜひ一度やってみてほしい。躍動感溢れる大冒険の数々がぎっしり詰まっている、この「グランディアIII」という作品を。

グランディアIII
対応機種プレイステーション 2
メーカースクウェア・エニックス
ジャンルRPG
発売日2005年8月4日
価格7980円(税込)
(C)1997,1999,2000 GAME ARTS
(C)2005 GAME ARTS/SQUARE ENIX All Rights Reserved.
Character illustration:YOU YOSINARI


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/24/news088.jpg ヤフオクで出品されていた「20万円の引退品」→開封すると…… “まさかの中身”に賛否 「ゾッとしたわ…」「しゃーない」
  2. /nl/articles/2412/25/news115.jpg 辻希美&杉浦太陽、家族6人でクリスマスに豪華料理 長女・希空が作った“プロ級のケーキ”も…… 「凄くいい時間だった」
  3. /nl/articles/2412/24/news092.jpg 「バグってる」 シャトレーゼの“864円で買える”「1人用クリスマスケーキ」に大絶賛の声 「企業努力すごい」
  4. /nl/articles/2412/24/news037.jpg 毛糸で作ったお花を200個つなげると…… “圧巻の防寒アイテム”完成に「なにこれ作りたい……!!」「美しすぎる!」と100万再生【海外】
  5. /nl/articles/2412/25/news152.jpg 「思わず泣きそう」 シャトレーゼの“129円クリスマスケーキ”に衝撃 「すごすぎない!?」「このご時世に……」
  6. /nl/articles/2412/23/news078.jpg そば屋の看板のはずが…… 雪で“別の店”みたいになってしまった光景が北海道の豪雪のすさまじさを物語る
  7. /nl/articles/2412/25/news009.jpg 若かりしころの父と母→36年後…… 苦楽をともにしてきた“現在の姿”に「泣いた」「本当に素敵」と1700万再生突破【海外】
  8. /nl/articles/2412/23/news025.jpg 幼少期から“ディズニー”大好きな2人→25年後…… まさかまさかの“現在”が話題 「映画のワンシーンのよう」
  9. /nl/articles/2412/25/news021.jpg 大型ワンコが猫に育てられた結果…… 驚きの行動連発に「自分を猫だと思っていないっw?」「かわいすぎる!」
  10. /nl/articles/2412/24/news156.jpg 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」される夫婦の苦悩……“年の差33歳差”カップルに反響【個性的なカップル特集2024】
先週の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. 新1000円札を300枚両替→よく見たら…… 激レアな“不良品”に驚がく 「初めて見た」「こんなのあるんだ」
  3. 家の壁に“ポケモン”を描きはじめて、半年後…… ついに完成した“愛あふれる作品”に「最高」と反響
  4. 「庶民的すぎる」「明日買おう」 大谷翔平の妻・真美子さんが客席で食べていた? 「のど飴」が話題に【大谷翔平激動の2024年 「お菓子」にも注目集まる】
  5. 100均のファスナーに直接毛糸を編み入れたら…… 完成した“かわいすぎる便利アイテム”に「初心者でもできました!」「娘のために作ってみます」
  6. “プラスチックのスプーン”を切ってどんどんつなげていくと…… 完成した“まさかのもの”が「傑作」と200万再生【海外】
  7. 「バグってる」 シャトレーゼの“864円で買える”「1人用クリスマスケーキ」に大絶賛の声 「企業努力すごい」
  8. 「昔モテた」と言い張るパパ→信じていない娘だったが…… 当時の“驚きの姿”が2900万再生「おおっ!」「マジかよ」【海外】
  9. トイレットペーパーの芯を毛糸でぐるっと埋めていくと…… 冬に大活躍しそうなアイテムが完成「編んでるのかと思いきや」【海外】
  10. “月収4桁万円の社長夫人”ママモデル、月々の住宅ローン支払額が「収入えぐ」と驚異的! “2億円豪邸”のルームツアーに驚きの声も「凄いしか言えない」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」