育てたモンスターでネット対戦を実現〜モンスターファーム

携帯育成ゲーム「モンスターファームPOP」が、ネット対戦に対応した。開発にあたっては、携帯ならではの無線通信の仕組みに悩まされた。

» 2005年08月24日 21時01分 公開
[杉浦正武,ITmedia]

 テクモの携帯版モンスター育成ゲーム「モンスターファームPOP」が通信対戦に対応した。携帯で育てたモンスター同士、どちらが強いかオンライン上で戦わせようという単純明快なコンセプトだが、そこにいたるプロセスは単純ではなかったようだ。

Photo (C)TECMO,LTD. TECMO Lab

 ネット対戦の仕組みを、テクモのブロードバンド&モバイル事業部プランナー 伊藤雅隆氏に聞いた。

ルームに参加してのマッチング方式

 今回、モンスターファームPOPに追加されたのがネット対戦用のβ版アプリ「バトルオンライン」。900i/901iシリーズで、いままでモンスターファームPOPを利用できていたユーザーなら追加料金なしでダウンロード可能だ。

 ユーザーはまず、本編アプリで育成したモンスターを「登録」する。モンスターのデータ自体はサーバに保存されているから、これを通信対戦アプリに移す作業になる。

 登録が済んだら、ユーザーはほかのユーザーが集まるルームに赴く。ゲームの世界では大まかに「バトルエリア」が設定されており、各エリアで20人区切りのルームが用意されている。

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 このようにゲーム世界を分割したのには、2つ意味がある。1つは、対戦相手のリストが縦に長々と並べないようにすること。もう1つは、プレイヤーのレベルごとに居住区を分けたい、という考えがある。

 例えば、あるバトルエリアは高レベルのプレイヤー同士が腕を競い合う場。またあるエリアは、初心者が集まってバトルを楽しむ場――といった差別化を考えているという。

 「初心者がちょっと上級者の世界をのぞきたくて、いつもと違うエリアに足を踏み入れるのもいい。逆に、高レベルユーザーが初心者のコミュニティに乱入するのも、面白いかもしれない」(伊藤氏)

 戦闘のマッチングには、携帯のメールを活用する。これにより対戦相手がアプリを起動していない場合でも、ほかのユーザーからの挑戦を受けることができる。

 「iアプリDXの仕組みを利用し、通常のiモードメール宛にゲームの通知を送れるようにしてある。通知無用で『無条件に挑戦を受ける』という設定や、特定の時間帯だけ指定して通知メールを受信する……といった設定も可能だ」

無線通信ならではの悩み

 マッチングが済んだら、ユーザーはWebにアクセスして「戦闘を開始」する。自分のモンスターと相手のモンスターが繰り広げるバトルを、ハラハラしながら見守ることになる。

 実は、マッチングが決まった時点でサーバ上のAIエンジンが計算を行い、瞬時に結果を出している。ユーザーはサーバにアクセスして、この結果を「視聴」しているわけだ。

 伊藤氏は、やはりリアルタイムマッチングの部分で苦労が多かったと話す。「例えば、複数のユーザーが1人のユーザーに同時に対戦を申し込んだらどうなるのか。複数の社員がボタンを『せーの』で押して、チェックするなどした」

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 携帯は環境によって通信が切れるのも悩みどころだった。対戦は、基本的に各端末がサーバとやり取りしながら行う。ある瞬間にサーバに「対戦可能」とデータを送った端末があると、サーバ側では対戦可能と判断するしかない。

 しかし、そのタイミングで運悪く携帯側が圏外になっていることもある。そうすると、サーバでマッチングの処理を進めていって、ある瞬間に不整合が生じることがある。この場合、携帯アプリは固まってしまう……ということになる。

 「いろいろとバグ出しをしながら、チームメンバー総出で解決していった」

 ともあれ、いよいよ「バトルオンライン」が始動し始めた。伊藤氏はこの仕掛けが、「もっとモンスターを強く育てたい」というインセンティブになるだろうと期待する。

 「各エリア単位での1位、それを達成したらワールド全体での1位を目指してほしい」

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