一足お先に次世代機気分――HDTV+5.1chで現行機を遊ぶススメ Part3:Xbox編(3/3 ページ)
怖すぎてプレイ続行不能?「FATAL FRAME II」
続いては、この連載をお読みいただいた方からのリクエストにお応えして、「FATAL FRAME II」(テクモ)をご紹介したい。メールをくださった「Ky」さん、ありがとうございます。
このFATAL FRAME IIは、プレイステーション 2では「零」シリーズとして展開している和テイストのホラーアドベンチャーで、プレイステーション 2版の2作目「零〜紅い蝶〜」に新要素などを加えたリメイク作品。基本的なストーリーはプレイステーション 2版と同じだが、Xbox版は480p対応(ワイドには非対応)で、サウンドもドルビーデジタルに対応しており、プレイステーション 2版以上に恐怖感が増幅されているという。
あらかじめお断りしておくと、私は映画でもゲームでもホラーものがとにかく苦手で、特に心霊系はまるでダメなのだ。このFATAL FRAME IIについての感想も、一般の方以上に過剰反応を示している可能性があるので、3割くらい差し引いてお読みいただいた方がよいかもしれない……。
まず映像については、先述の通り480p出力に対応しており、Xboxが持つ高度なグラフィック機能を使い切ったかのような濃密かつ繊細な描写が見事だ。とりわけ、光源処理を巧みに用いた光と闇の対比表現が素晴らしく、懐中電灯の灯りが破れた障子を抜けて奥に射し込むなど、何気ないところにも不気味さを感じさせる演出が多々見られる。
連載Part1の際にも、費用対効果の観点でブラウン管のHDTVをあえてオススメしているが、FATAL FRAME IIをプレイするなら断然ブラウン管がいい。液晶テレビでは、バックライトの光が漏れてどうしても黒が浮いてしまうが、ブラウン管なら純度の高い黒が出て、このゲームで見られる漆黒の闇の表現力がいっそう引き立つからだ。
この映像と相まって恐怖感を煽るのが、ドルビーデジタルによるサラウンド音響だ。FATAL FRAME IIは、センターチャンネルを使わない4.1chサラウンドだが、極めて微細な音に包み込まれる感覚があって、そこに淀むような空気感さえも感じる。
ドルビーデジタル対応といっても、すべてが5.1ch出力というわけではなく、このソフトのように4.1chのものや、2.0chという場合もある。Xbox用ソフトでは、サウンド出力に関するパッケージ表記が統一されていないようで、単に「ドルビーデジタル対応」とだけ書かれているものが5.1ch出力だったり、「ドルビーデジタル5.1ch対応」と書かれていながら実は4.1ch出力だったりするのがややこしい。中には、シーンによって5.1chと4.1chを使い分けているものもある。
チャンネル数の多い方が音の移動感や定位感を明確に表しやすいが、最終的にはそのゲーム内容とマッチした音響効果であるかどうかや、サウンドデザインの巧拙にも左右されるので、4.1chだからといってサラウンド効果が劣るわけではない。5.1ch出力でも、フロント側をメインに鳴らして、リア2chはアンビエント的に使うケースもままある。
FATAL FRAME IIのサラウンド音響に関して言えば、さまざまな環境音を極端に低いレベルで鳴らしていて、主人公の双子(澪と繭)の話し声も消えいりそうなほどに弱々しく、各音の発信源が特定しづらい。だが、これも意図的な演出の一環なのだろう。よくよく耳をそばだてると、虫の声、床板の軋む音、遠雷の音などが聞き取れたりするが、それ以外にも風の音なのか、考えたくはないが怨霊の叫びなのか、よくわからない音がいろいろと鳴っている。この「何か得体の知れない音がどこかでかすかに鳴っている」という感覚が想像力をかき立てて、やたら怖い。
静寂といっても無音ではなく、実は様々な音があちこちで鳴っている。何度か、自分の横を何かが通り過ぎるようにかすかな音の移動を感じたが、「そんな音は収録していない」とテクモさんに言われると怖いので、あえて確認はしないでおこうと思う……このゲームは、サラウンドヘッドホンで楽しむのもまた一興かと思う。このところ人気が高まっているワイヤレスタイプのサラウンドヘッドホンを使うのもいいだろうし、あるいは5.1chシステムのAVアンプに手持ちのヘッドホンをつないで、「ドルビーヘッドホンモード」に切り替えてもいい。ヘッドホンでプレイしてみると、5.1chシステムではよく聴き取れなかった音も拾えるようになり、場面によって実に様々な音が鳴っていることが分かるはず。
パイオニアのワイヤレスサラウンドヘッドホンの最上位機種「SE-DIR2000C」。赤外線を用いた非圧縮デジタル伝送方式で、ワイヤレスながら音質の劣化を感じさせない。50mm径の大型ドライバーを採用し、微細な音もしっかり聴かせるところが特徴。ドルビーデジタル、DTS、プロロジックII、AACなど、主要なサラウンドフォーマットにはすべて対応しているふと思ったのだが、このゲームで一番怖い音響効果は、実はXboxのDVDドライブ駆動音じゃないのかと。プレイ中に読み込みが頻繁に行われるためか、時折「カタカタカタ」とドライブが忙しなく音を立てるので、むしろその音にドキリとさせられる。まさか、そこまで計算して作られているわけではあるまいが。
さて、今回はかなり長くなってしまったが、HDTV+5.1ch環境でぜひプレイしてほしいXboxソフトはまだまだあるので、次回もXbox編の続きをお届けしたい。Xboxを代表するあのソフトはもちろんだが、あまり話題にはならなかったが実は720p対応のソフトなど、幅広くカバーしたいと思っているので、次回もどうぞお楽しみに。
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