オンラインコミュニティを活用した総合エンターテインメントビジネスをガンホーは目指すガンホー森下社長インタビュー(1/4 ページ)

「グランディアオンライン」や「北斗の拳オンライン(仮)」と、新しいタイトルを続々と発表するガンホー・オンライン・エンターテイメント。今後の展開について、同社社長、森下一喜氏に話を聞いてみた。

» 2005年09月21日 16時58分 公開
[聞き手:今藤弘一,ITmedia]
画像 ガンホー・オンライン・エンターテイメント 森下一喜社長

――昨年の東京ゲームショウで「コードネーム:GO」として発表され、今回の「東京ゲームショウ2005」で正式に「グランディアオンライン」としての発表となったわけですが、社長自身のグランディアにかける思いが強い、と発表会の席でもおっしゃってましたね。

森下 そうですね。個人的には、今回のグランディアオンラインに関しては、ゲームアーツの宮路洋一さん(社長)とツートップでエグゼクティブプロデューサーを務めることもあり、話し合いながらコンセプトや方向性を決めましたので、個人的にも思い入れは強いですね。ガンホー・オンライン・エンターテイメント(以下、ガンホー)としても、「グランディア」は家庭用ゲーム機で200万本をセールスしているタイトルですし、グランディアファンがそこにいる、ということが前提にあるので、その期待に応えていかなければいけないですから。

 ガンホーとしては、開発元、そしてパブリッシャーとしての両側面も持っていますので、生むことも大事ですが、オンラインゲームは“育てること”が大事です。グランディアオンラインは正統派の冒険ゲームとして、“アツく燃える”世界を追っていきたいですね。こう話していくと、力が入ってきてしまうんですが(笑)。

 ただしガンホーとしては、パブリッシャーという観点からは、すべてのタイトルに対してフラットに考えているのはもちろんです。

――ゲームアーツとは、そもそもグランディアというタイトルを持っていたから提携した、ということなんでしょうか。

森下 いえ、そういうわけではありません。ガンホーとしても、開発チームを強化していかなければならないという命題がありましたので、開発スタジオとの関係を構築する必要がありました。その中で、ゲームアーツとは資本的な形での提携となりました。

 ビジネスとしては、オンライン事業とパッケージ販売の事業と、両方ともやっていかなければいけないと思いますし、多岐にわたるプラットフォームへ向けての“出口”を増やすことも重要です。ゲームアーツには、これまで20年培ってきた「職人芸」のような匠の技があります。これを、オンラインゲームにおけるパラダイムシフトの中で生かしていきたいと思って、資本的な関係を結びました。また、ゲームアーツを経営的にバックアップして、いいものを生み出せる状況を作ろう、ということもありました。

 そしてその上で、ゲームアーツと作る処女作はなんだろう、と話をしていたときに、グランディアだよね、となったわけです。ゲームアーツには「ルナ」や「シルフィード」、「ガングリフォン」といったゲームがありますが、中でもグランディアという作品は看板タイトルですし。

 ただし、これをオンライン化するということはかなりリスクが伴います。シリーズものを提供しているメーカーはどこも同じだと思いますが、コンテンツの寿命を縮めてしまうのではないか、という危惧があるわけです。しかし今回はあえてオンライン化し、その上で“原点回帰”をうたって、世界観としてもグランディアの少し前の時代を舞台にしましたし、さらなる原点回帰として、オンラインならではのコンテンツを提供していこうと考えています。

 グランディアオンラインについては、ガンホーとゲームアーツの共同開発になりますが、開発資金はガンホーから100%出します。ある意味「開発スタジオ」という位置づけになりますが、ガンホーからも開発者を選出し、一緒に開発を進めていくことになります。

 ジー・モードもガンホーが筆頭株主となっていますが、社長の宮路武さん(編集注:グランディアの監督)にも今回の経緯をお話した上で、社長としての仕事が忙しいですので、スペシャルアドバイザーとして加わっていただきました。グランディアに対するこだわりというものを、オンラインの中でどう表現するかを是非一緒に考えて欲しい、ということで、宮路武さんにも9月16日の発表会に参加していただいたわけです。

――ゲームアーツと提携したのは、技術力に期待されたからでしょうか。それともそのほかのタイトルにも魅力があったからですか?

森下 それは両方の側面がありますね。我々の考える資本政策、M&Aのポリシーとしては、第1にそのカテゴリーでNo.1であること、もう1つは、その開発力であったり、その資産を含めて考えます。そして、これは資産と同じかもしれませんが、その会社が持っているリソースです。今回の件に関しては、資産にも魅力があった、ということです。ただし主な目的として「開発力の強化」がありましたので、スタジオを抱えたい、と考え、提携したわけです。

――そうなると、“第2、第3のゲームアーツ”も考えていらっしゃるのではないですか?

森下 それはあり得るかもしれません。ただ、基本的にはお互いのビジョンと将来的な目標が一致することが大前提だと考えています。宮路洋一さんとも「これからこのようなことがしたい」と話し合い、一致したからこそ提携したわけです。

 もっとも宮路洋一さんとは以前の知り合いで、ゲームビジネスについて教えてもらったりと、ガンホーを立ち上げた時にもお世話になっていますので、そういった意味では、お互いに今後の方向性について、気持ちを一致させることができたわけです。

       1|2|3|4 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/15/news031.jpg ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. /nl/articles/2412/18/news145.jpg “月収4桁万円の社長夫人”ママモデル、月々の住宅ローン支払額が「収入えぐ」と驚異的! “2億円豪邸”のルームツアーに驚きの声も「凄いしか言えない」
  3. /nl/articles/2412/16/news079.jpg “プラスチックのスプーン”を切ってどんどんつなげていくと…… 完成した“まさかのもの”が「傑作」と200万再生【海外】
  4. /nl/articles/2412/17/news060.jpg 100均のファスナーに直接毛糸を編み入れたら…… 完成した“かわいすぎる便利アイテム”に「初心者でもできました!」「娘のために作ってみます」
  5. /nl/articles/2412/17/news197.jpg 「巨大なマジンガーZがお出迎え」 “5階建て15億円”のニコラスケイジの新居 “31歳年下の日本人妻”が世界初公開
  6. /nl/articles/2412/17/news078.jpg 鮮魚コーナーで半額だった「ウチワエビ」を水槽に入れてみた結果 → 想像を超える光景に反響「見たことない!」「すげえ」
  7. /nl/articles/2412/18/news059.jpg 「奥さん目をしっかり見て挨拶してる」「品を感じる」 大谷翔平&真美子さんのオフ写真集、球団関係者が公開【大谷翔平激動の2024年 「妻の登場」話題呼ぶ】
  8. /nl/articles/2412/18/news015.jpg 家の壁に“ポケモン”を描きはじめて、半年後…… ついに完成した“愛あふれる作品”に「最高」と反響
  9. /nl/articles/2411/25/news189.jpg 「理解できない」 大谷翔平と真美子さんの“スキンシップ”に海外驚き 「文化は100%違う」「伝説だわ」
  10. /nl/articles/2412/18/news056.jpg 日本人ならなぜか読めちゃう“四角形”に脳がバグりそう…… 「なんで読めるん?」と1000万表示
先週の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  4. 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
  5. 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
  6. 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  7. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  8. ある日、猫一家が「あの〜」とわが家にやって来て…… 人生が大きく変わる衝撃の出会い→心あたたまる急展開に「声出た笑」「こりゃたまんない」
  9. 友人のため、職人が本気を出すと…… 廃材で作ったとは思えない“見事な完成品”に「本当に美しい」「言葉が出ません」【英】
  10. セレーナ・ゴメス、婚約発表 左手薬指に大きなダイヤの指輪 恋人との2ショットで「2人ともおめでとう!」「泣いている」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」