インタビュー
» 2005年09月22日 15時13分 公開

作品を支えるのは子供たち!?――テレビアニメ「capeta」アフレコ取材

「月刊少年マガジン」にて連載中の「capeta」が、この秋からテレビアニメとなって登場する。そのアフレコ取材に行ってみたのだが、いつもと違う光景にちょっとビックリ!?

[ひろいち,ITmedia]

 カートに魅せられた少年・平勝平太(たいらかっぺいた)の成長と活躍が描かれていく「capeta」。「月刊少年マガジン」にて好評連載中で、発売されているコミックス1〜8巻の売り上げが累計115万部を突破したという人気漫画が、10月4日にテレビアニメとして登場する。

 本作の主人公は小学4年生の男の子・平勝平太――通称・カペタ。父子家庭に育った彼は、仕事が忙しい父親に対して気丈に振舞ってはいるものの、寂しく退屈な日々をすごしていた。そんなある日、カペタの気持ちに気付いていた父が、廃材などを利用して作った手製のレーシングカートをプレゼントする。カートを走らせるため、さっそくサーキットへと向かうカペタたち。ところが、カートに乗り込んだカペタは、それが真っ直ぐに走らない代物だと気付く……。

平勝平太 -KAPPEITA TAIRA-(声/安藤直人)
小学4年生の男の子。通称カペタ。幼いときに母親を亡くしたため、父親と2人で暮らしている。父親から手作りのレーシングカートをプレゼントされたことをきっかけにドライバーとしての才能を開花させていく

安藤伸 -NOBU ANDOU-(声/滝原祐太)
カペタの同級生。密かに茂波に想いを寄せており、いつも茂波と一緒にいるカペタをいじめていた。しかし、とあることをきっかけに、カペタのことを応援するようになる

鈴木茂波 -MONAMI SUZUKI-(声/宮本侑芽)
カペタの幼なじみ。カペタの父・茂雄のことが大好き。そのため、茂雄の息子であるカペタの面倒は自分が見なくてはと思い込み、何かと世話をやく

 本作の原作者は曽田正人(そだまさひと)氏。人命を救うため危険に身を晒す消防士たちの姿を描いて人気を呼び、テレビドラマ化もされた「め組の大吾」や、天才バレエダンサーの日常を描いた「昴」など、ある世界に情熱を傾ける人々を熱く描いて多くのファンを虜にしている。そんな作風の曽田作品であるから、当然本作でもモータースポーツの世界が読者のハートを焦がすほど熱く描かれている。特にアニメーションならではの、白熱のレースシーンがテレビアニメではどのように描かれていくのか、非常に気になるところだ。

インタビューの様子はいつもとちょっと違います

 最初に「capeta」のキャスト表を見たときには、“知らない名前の人が多いな”と感じた。大抵の作品の場合、メインの役どころは有名声優が演じることが多いので、まったく知らない演者ばかりということはあまりない。とはいえ、新人を主役に抜擢することも少なくないので、特に気にはしていなかった。

 ところが、取材のためスタジオに入るとき、少しだけ違和感を覚えた。取材陣の後ろのからついていった際、前の人の肩口からスタジオ内がチラリと見えたのだが、椅子が並んでいるはずのところには三沢監督の顔しか見えなかったのだ。声優さんも中にいるはずなのだが……。

 スタジオに入ってみて、その謎はいとも簡単に解けた。大人の肩口からでは見えないくらいに小さくてかわいらしい少年少女たちが座っていたのだ。ちなみに、平勝平太役の安藤直人くんは小学6年生。安藤信役の滝原祐太くんが中学2年生。鈴木茂波役の宮本侑芽さんにいたっては、なんと小学3年生だ。身長についての言及は避けるが、三沢監督は写真撮影の際に「(中腰でいるため)腰が痛い……」と呟いていたことからも推察できると思う。メインの3人が並んで座っている姿には、あまりのかわいらしさに思わず微笑んでしまったほど。しかし、これでも彼らはすでに洋画の吹き替えなどをこなしている正真正銘のプロ。もちろん、本職であるアフレコは監督絶賛の名演技を見せてくれているようだし、不慣れなインタビューにも一生懸命答えてくれた。ときおりビックリするような核心を突いた発言も飛び出し、監督を驚かせるほどだった。

―― キャラクターを演じてみての印象を教えてください。

安達 カペタはすごく明るくて負けん気が強くて、でも優しくて、しかもカートもすごくうまいヒーローみたいな人だと思いました。

滝原 信は最初、カペタをイジメていたりもしたんですけど、カートに魅かれてカペタに協力するようになったりして、実はとてもいい奴なんだと思います。

宮本 茂波は優しいところもあって強いところもあって、ときどき怒ったりもするんですけど、でもとてもカワイイと思います。

―― 第1話のアフレコを終えてみて、苦労したことはありましたか?

安達 カペタは怒ったり笑ったりびっくりしたり悔しがったりと、他のキャラクターよりも表情の変化が多いので、その表現が難しかったです。

滝原 アニメのアフレコは初めてだったので苦労しました。アニメ独特の息遣いというのがあって、それに慣れるまでがとても大変でした。

宮本 茂波はすごく強がりなんだけど優しいところもたくさんあって、ただ強がっているだけじゃないという演技が難しかったです。

三沢 3人とも洋画の吹き替えなんかのお仕事はしているんですが、アニメの声というのは初めてらしいので、そのあたりも苦労していましたね。「どうして効果音が入っていないんですか」なんて、鋭い突っ込みもされてしまいました。

―― では洋画の吹き替えとアニメのお仕事での違いで、どのようなことに苦労されましたか?

安達 最初は慣れるために練習用のビデオをいただいて家で練習していたんですけど、台本のどの場面なのかもわからなくて練習もあせりながらやってました。

滝原 元の声が入っていないので、最初のうちはセリフをあわせるのが本当に難しかったです。どのタイミングでセリフを言っていいのか全然わかりませんでした。

宮本 最初に、絵の口だけが動いているのを見たときはびっくりしました。

―― 三沢監督にお伺いしますが、3人の演技はいかがですか?

三沢 もうバッチリです。とても自然な感じが出ていて、すごくいいものが出来ています。もちろんアニメらしい演技の要求というのも少しはしてしまうのですが、自然な演技がウリのひとつだと思いますよ。普段の声優さんとは違う、子供ならではの素の部分、特徴というのが存分に出ていると思います。この作品は彼らが支えているといっても過言ではないと思います。

―― では、本作の見どころを教えてください。

三沢 第14話までが小学生編ということになっているのですが、それまでは彼らが声を担当してくれます。カペタと同じくらいの年齢の子たちが一生懸命に頑張って表現してくれているリアルな演技をぜひ聞いていただきたいですね。あとは、お話ももちろん素晴らしいですし、カートが走っているレースシーンなんかにもぜひ注目していただきたいです。ちなみに私は「capeta」のお話をいただいてから、嫌と言うほどカートに乗らせていただきました。そのあたりの実際に体験してわかった感覚なんかも、うまく映像に反映できていればいいなと思いますね。

―― それでは演じられる3人にお伺いします。自分のキャラの見どころを教えてください。

安藤 カペタの場合は、ライバルの源奈臣と対決するところは見どころじゃないかなと思います。

滝原 カペタをいじめていた信が、カートに魅かれて変わっていくところは一番見てほしいです。

宮本 茂波はカペタのお父さんの茂さんのことが好きみたいなので、最初にそれを知ったときは驚きました。監督は「茂波は3人のなかで一番大人」だと言ってくれるので、そんな茂波の恋のお話も注目してほしいです。

―― 最後に、ファンの方々にひと言お願いします。

安達 どんなふうに声が入ってできあがるのか、本当に楽しみにしています。たくさんの人たちに楽しんでもらいたいです。

滝原 ファンの方々というよりも、実は自分が一番オンエアーを楽しみにしているんです。僕も一緒になって、アニメの放送を楽しみたいと思います。

宮本 絶対に見て欲しいと思います。よろしくお願いします。

三沢 見ろと。もう本当にそれだけです。現在も鋭意製作中ですが、必ずいいものができあがると思いますのでぜひ見てください。よろしくお願いします。

前列左から、滝原祐太くん、安藤直人くん、宮本侑芽さん。後ろは三沢伸監督。監督は写真撮影のあいだずっと中腰でいたため「腰が痛い……」と呟いていた。写真撮影が長くなってしまってスミマセンでした
  • 10月4日よりテレビ東京ほかにて毎週火曜日18時から放映開始
  • スタッフ:監督/三沢伸 シリーズ構成/上代務 キャラクターデザイン/興村忠美 音楽/佐橋俊彦 アフレコ演出/三ツ矢雄二 ダビング演出・音響効果/遠藤隆 音響制作/デルファイサウンド 制作スタジオ/スタジオコメット
  • キャスト(小学生編):平勝平太/安藤直人 安藤信/滝原祐太 鈴木茂波/宮本侑芽 平茂波/小手伸也 源奈臣/内籐玲 源奈々子/大輝ゆう
(C)2005 曽田正人・講談社/マーベラスエンターテインメント・エイベックス・エンタテインメント・創通エージェンシー・テレビ東京


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2311/27/news041.jpg 大好物のエビを見せたらイカが豹変! 姿を変えて興奮する姿に「怖い」「ポケモンかと思った」
  2. /nl/articles/2311/28/news172.jpg バイクでケーキを持って帰ったら…… ミュージカル俳優、思わぬ形になったケーキに「見たことないほどズタボロ」
  3. /nl/articles/2311/25/news015.jpg 道路脇のパイプ穴をのぞいたら大量の…… 思わず笑ってしまう驚きの出会いに「集合住宅ですね」の声
  4. /nl/articles/2311/27/news095.jpg 『ちいかわ』通称“島編”が最終話へ 絶望色が強すぎて阿鼻叫喚 想像に任せるオチに“存在しない劇場版”を幻視する読者が続出
  5. /nl/articles/2311/27/news024.jpg 葛藤の末、野良の黒猫親子を保護して1カ月後…… 幸せを見つけた家族の光景に「本当に良かった」「癒やされます」
  6. /nl/articles/2311/28/news037.jpg 愛犬の大切なおもちゃを洗濯したら→「お友達が……!」 悲しい鳴き声をあげる姿に「家の子も一緒だ」「健気で癒されます」
  7. /nl/articles/2311/27/news076.jpg ミキ亜生、駅で出会った“謎のおばさん”に恐怖「めっちゃ見てくる」 意外な正体にツッコミ殺到「おばさん呼びすんな」「マダム感ww」
  8. /nl/articles/2311/27/news093.jpg 『キン肉マン』ゆでたまご・嶋田、ヘルプマーク使用を報告も…… 「正義はないのかこの日本」理解の低さに苦言
  9. /nl/articles/2311/28/news032.jpg 物理学を理解しているハムスター、回し車で遊びたい姉妹へのかわいいイジワルが「強い意志を感じる…」と話題に
  10. /nl/articles/2311/27/news106.jpg エド・はるみ、連日ハードな研究で生活も激変 “18種類おかずの手作り弁当”に影響「数と彩りも無くなり」「忙しく時間がなさすぎて」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 大好物のエビを見せたらイカが豹変! 姿を変えて興奮する姿に「怖い」「ポケモンかと思った」
  2. 「3カ月で1億円」の加藤紗里、オーナー務める銀座クラブの開店をお祝い “大蛇タトゥー”&金髪での着物姿に「極妻感が否めない」
  3. 愛犬と外出中「飼いきれなくなったのがいて、それと同じ犬なんだ。タダで持ってきなよ」と言われ…… 飼育放棄された超大型犬の保護に「涙止まりません」
  4. ミキ亜生、駅で出会った“謎のおばさん”に恐怖「めっちゃ見てくる」 意外な正体にツッコミ殺到「おばさん呼びすんな」「マダム感ww」
  5. 永野芽郁、初マイバイクで憧れ続けたハーレーをゲット 「みんな見ろ私を!」とテンション全開で聖地ツーリング
  6. 道路脇のパイプ穴をのぞいたら大量の…… 思わず笑ってしまう驚きの出会いに「集合住宅ですね」の声
  7. 柴犬が先生に抱っこしてほしくて見せた“奥の手”に爆笑&もん絶! キュンキュンするアピールに「あざとすぎて笑っちゃった」
  8. 病名不明で入院の渡邊渚アナ、1カ月ぶりの“生存報告”で「私の26年はいくらになる?」 入院直後の直筆日記は荒い字で「手の力も入らない」
  9. 小泉純一郎元首相、進次郎&滝クリの第2子“孫抱っこ”でデレデレ笑顔 幸せじいじ姿に「顔が優しすぎ」「お孫さんにメロメロ」
  10. デヴィ夫人、16歳愛孫・キランさんが仏社交界デビュー 母抜かした凛々しい高身長姿に「大人っぽくなりました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 病名不明で入院の渡邊渚、3カ月ぶりSNS更新で「表情に違和感」「そこまで酷い状況とは」 ベッド上で「人生をやり直すこともできません」
  2. 動かないイモムシを助けて1年後のある日、窓の外がありえない光景に 感動サプライズが「アゲハ蝶の恩返し」と話題
  3. 「スカートはないわ」「常識無視の番組でびっくり」 山下リオ、登山中の服装批判巡って反論「私が叩かれているようですが」
  4. 「千鳥」大悟、大物美人俳優にバッグハグされた表情に注目集まる 「マジ照れのお顔ですね」「でれでれやん」
  5. 渋谷駅「どん兵衛」専門店が閉店 店内で見つかった書き置きに「店側の本音が漏れている」とTwitter民なごむ
  6. 神田愛花アナ、拡散された女子中学生時代ショットにスタジオ騒然「ヤバい」→“アネゴ感”でSNSもざわつく
  7. 「生きててよかった」 熊谷真実、美麗な初“袋とじ”グラビアで63歳の色気全開 真っ赤なドレス着こなす姿に「すごいプロポーション」
  8. 尻尾がちぎれた小さな子猫をサーキット場で保護→1年後“ムキムキ最強生物”に 驚異の成長ビフォーアフターに注目集まる
  9. 双子モデル・吉川ちえ、美容整形後のひたいが“コブダイ”状態へ 多額の費用要した修正手術で後悔も「傷がこんなに残りました…」
  10. 「犬ぐらい大きくなれよ」と願い育てた保護子猫が「まさか本当に犬ぐらいになるとは」 驚異の成長ビフォーアフターが192万表示!