「再現」ではなく「転生」したウルトラマンのかっこよさ「ウルトラマン Fighting Evolution Rebirth」レビュー(3/5 ページ)

» 2005年11月04日 00時56分 公開
[小泉公仁,ITmedia]

眩いばかりの派手な必殺技。これがRebirth仕立てのウルトラマン

 今作一番の見どころは、躍動感あふれる必殺技の演出に尽きる。各キャラクターは固有の必殺技を2つないし3つ持っているが、その表現がTV版とも過去のゲーム作品とも一線を画していて、斬新な解釈が盛り込まれている。

 中でもスペシウム光線などの光線技では、光があふれ出してキャラクターや周囲の建造物などを飲み込んでゆくような表現が多用されていて、そのあまりのまぶしさに目がくらんでしまいそうなほどだ。また、技を決める前には“ため”のポーズが挿入されるなど、原作にはない独自の演出も多々見られる。

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画像 ウルトラマン最強の必殺技「スペシウム光線」では、まず両腕にパワーを集めるかのようなモーションがあり、そしておなじみのポーズへ。“溜め”を作ってから放たれるスペシウム光線は、TV版以上に重さと力強さを感じさせる
画像 スペシウム光線を放つと、ウルトラマン自身も後ろへ仰け反りそうになる。このRebirthに限り、スペシウム光線がそれほど強力な技であるという解釈が後付けされているからだ
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画像 こちらはウルトラセブンの「アイスラッガー」。今作では、まずセブンが上空に高く飛び上がり、そこから敵目がけてアイスラッガーを投げつけるという演出になっている

 こうした過剰気味とも思える今作の演出については、「派手でかっこいい」と思う方と「冗長でテンポが悪い」と感じる方に二分されるかもしれない。私自身は、確かに大胆なアプローチだとは思ったものの、原作の持ち味を崩すほどではなく、カメラワークも特撮らしさが強く意識されていて、むしろ好意的に受け止めた。昭和のウルトラマンをもしも今の時代にリメイクしたら、きっとこんな感じになるのかな、と。

 また、今回のRebirthではウルトラマン勢のモデリングにも変化が見られるほか、先述のように改造怪獣という本作だけの新キャラクターまで登場する。特に改造怪獣については、元来の特徴を生かしつつも、よりどう猛・凶悪な印象に仕上げてあり、大変興味深かった。ただ、せっかく良くできているのだから、「改造ゴモラ」や「改造エレキング」などの安易なネーミングではなく、ひとひねり加えた名前を付けてあげたらいいのに、という気にもなる……。

画像 前作のFE3では太腿の付け根あたりにスーツの皺まで再現され、どちらかというとTV版に近いモデリングだったが、今作のウルトラマンたちは総じて筋肉質で逞しい印象に
画像 Rebirthオリジナル怪獣の1つ「改造エレキング」は、手足がなく蛇のような形。元のエレキングは電撃を発する尻尾でセブンを苦しめたが、その尻尾を誇張したデザインだ。蛇が大の苦手な私にとっては、あんまり戦いたくないキャラになった……
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