狙ってるのか、本気なのか。ゲーマーを震撼させる衝撃作:「高速機動隊 World Super Police」レビュー(2/5 ページ)
幅寄せしてくる一般車両、味方を誤射する隊員たち
忌憚なく言わせていただくが、このゲーム、ビジュアルは旧世代機並みで、解像度は低いし、フレーム数も妙に不安定。決して褒められるような出来ではない。いやいや、ゲームのおもしろさは見た目だけで決まるものではないから、と一抹の不安を振り払おうとするも、ゲーム性がこれまた強烈でクラクラしてしまう。
ゲームの流れを大まかに説明しておくと、まずミッションに関するブリーフィングがあり、次に出動させる隊員やパトカー、装備する武器などを選ぶ。複数台のパトカーを引き連れ、ミッション内容に応じてフォーメーション(隊列)を切り替えていくことがこのゲームの要となる。
ミッションごとにその目的やクリア条件は異なるが、まずは高速走行でターゲット車両に追いつき、捕捉したらフォーメーションを展開して撃破するというものがほとんど。中には、護衛や偵察などの任務もある。
ところが、慣れるまではターゲット車両に追いつくだけでも至難の業。ほかの一般車両がこちらに向かってくるわ、激突して速度が大きく落ちると「TARGET LOST」となってゲームオーバーになるわ、条件がやたらシビアなのだ。実際は一般車両も道を空けようとしているのだが、こちらが少しでも同じラインにかかると再び車線を変更しようとするのが裏目に出る。あまりに邪魔だったのでガトリングガンで一般車両を吹き飛ばしてみたこともあったが、局長以下、誰からも何にもおとがめなし……。それでいいの?
ターゲットに追いついたら、横に広がるフォーメーションに切り替えて一斉射撃。ここが本作の醍醐味であると同時に、難儀するところでもある。ただでさえ敵の攻撃は激しいのに、味方であるはずの隊員たちがちっとも役に立ってくれないのだから。隊員らのパトカーは、半ば強引にフォーメーションを維持しようとするうえ、周囲の状況などお構いなしに撃ちまくるばかりなので、敵の銃撃を避けたつもりが、味方の弾でダメージを負うこともしばしば。最悪のケースは、仲間のパトカーに後ろから追突され、その弾みで敵の前に押し出され、敵味方双方の銃撃で蜂の巣にされたこと……。そのバカバカしさといったら、年がいもなく一人で笑い転げてしまったほどだ。
しかしそのとき悟った。このゲーム一番の難敵は“味方”だと。
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