「王様ゲーム」アプリを開発するモブキャストってどんな企業?(2/2 ページ)

» 2005年11月17日 01時10分 公開
[杉浦正武,ITmedia]
前のページへ 1|2       

 モブキャストはほかにも、一発ネタで終わらないゲーム性の高いアプリも用意している。同社の新作ゲーム「スワロウテイル 闇の黄金伝説」は、「真・女神転生」で知られる岡田耕始氏が企画、監修した携帯向けRPG。1996年にヒットした岩井俊二監督の映画「スワロウテイル」の世界観をもとにしたゲームだ。

 同社は携帯ゲームのほかにも、携帯向け映像コンテンツの配信事業「min.Jam 〜1分間連続シネマ〜」を手がけている。この関連で映画業界との人的コネクションもあったため、スワロウテイルの携帯ゲーム化に成功した。「岡田氏にいくつかゲームの案を出したところ、スワロウテイルがいいという話になった。同氏が開発する初のオリジナル携帯ゲームだ」(藤崎氏)

Photo

 開発にあたっては、映画のどこかアンダーグラウンドな雰囲気を再現するように注意したと石井氏は話す。例えばゲーム内には「高価なお酒の空きビン」「偽のお酒」などが出てくるが、これらを「合成」すると「高級酒」が誕生するといった具合だ。

 もう1つ注意したのが「映画をそのまま再現しないこと」。映画をテーマにしたゲームというと、ついキャラクターやストーリーなどをそのままなぞった構成にしがちだが、それではだめなのだという。

 「たとえばヒーローが登場する映画のゲームでは、皆がヒーローとしてプレイしたくなる。しかしそれでは、引きは強くてもゲームとして面白くならない。そうではなく、映画の“世界観”だけを採用するのがいい」。携帯ゲームでは、映画のキャラクターは一切出てこない。ただし、ゲーム内でプレイヤーが捜し求める“大金”とは映画の登場人物が手にした大金を思わせる作りにしてあるという。

Photo ほかにも、独特の感覚を持つゲームを手がけている。写真の「セクシ〜尻相撲」は、南の島を舞台に美女たちが尻をぶつけあって相手をはじきとばす“尻相撲”がテーマのゲーム。石井氏は「グラフィックはハイクオリティだ」と力強く話す

 モブキャストの携帯ゲーム全体に共通するのは、「携帯向けゲームを開発しよう」という姿勢だ。携帯アプリの中には、家庭用ゲーム機を携帯に移植したタイトルも多い。そして実際に、そうしたタイトルがユーザーの人気を集めがちだ(4月1日の記事参照)。しかしそうではなく、携帯ならではのクリエイティブな要素を含んだゲームを開発したい……というのが石井氏たちの思いだ。

 取材中、印象的なひとコマがあった。次々紹介される独特の味わいのゲームに、記者が思わず笑って「くだらないですねー」と口を滑らせてしまったのだ。このとき2人はすかさずこう返した。

 「ありがとうございます、それは我々にとって、ほめ言葉です」

(C) mobcast inc. 2005 All Rights Reserved.


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2404/18/news134.jpg 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  2. /nl/articles/2404/18/news025.jpg 生後5日の赤ちゃん、7歳のお姉ちゃんから初めてミルクをもらうと…… 姉も驚きの反応がかわいい
  3. /nl/articles/2404/18/news057.jpg 9カ月の赤ちゃん、バスで外国人の女の子赤ちゃんと隣り合い…… 人生初のガールズトークに「これは通じあってますね!」「ベビ同士の会話、とろけます」
  4. /nl/articles/2404/17/news037.jpg 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  5. /nl/articles/2404/17/news034.jpg 「妹が入学式に着るワンピース作ってみた!」 こだわり満載のクラシカルな一着に「すごすぎて意味わからない」「涙が出ました」
  6. /nl/articles/2404/18/news155.jpg 大谷翔平選手、ハワイに約26億円の別荘を購入 真美子夫人とデコピンとで過ごすかもしれないオフシーズンの拠点に「もうすぐ我が家となる場所」
  7. /nl/articles/2404/17/news179.jpg 「ケンタッキー」新アプリに不満殺到 「酷すぎる」「改悪」の声…… 運営元「大変ご迷惑をおかけした」と謝罪
  8. /nl/articles/2404/16/news192.jpg 「ゆるキャン△」のイメージビジュアルそのまま? 工事の看板イラストが登場キャラにしか見えない 工事担当者「狙いました」
  9. /nl/articles/2404/17/news129.jpg 「ハーゲンダッツ硬すぎ!」と力を入れたら……! “目を疑う事態”になった1枚がパワー過ぎて約8万いいね
  10. /nl/articles/2404/16/news175.jpg 「そうはならんやろ」をそのまま再現!? 「ガンダムSEED FREEDOM」のズゴックを完全再現したガンプラがすごすぎる
先週の総合アクセスTOP10
  1. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  2. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  3. 安達祐実、成人した娘とのレアな2ショット披露 「ママには見えない!」「とても似ててびっくり」と驚きの声
  4. 兄が10歳下の妹に無償の愛を注ぎ続けて2年後…… ママも驚きの光景に「尊すぎてコメントが浮かばねぇ」「最高のにいに」
  5. “これが普通だと思っていた柴犬のお風呂の入れ方が特殊すぎた” 予想外の体勢に「今まで観てきた入浴法で1番かわいい」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評
  8. お花見でも大活躍する「2杯のドリンクを片手で持つ方法」 目からウロコの裏技に「えぇーーすごーーい」「やってみます!」
  9. 弟から出産祝いをもらったら…… 爆笑の悲劇に「めっちゃおもろ可愛いんだけどw」「笑いこらえるの無理でした」
  10. 3カ月の赤ちゃん、パパに“しーっ”とされた反応が「可愛いぁぁぁぁ」と200万再生 無邪気なお返事としぐさから幸せがあふれ出す
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」