タイトル復活にてお呪い申し上げます――新世代のドラキュラで年を越せ「悪魔城ドラキュラ 〜闇の呪印〜」レビュー(2/3 ページ)

» 2005年11月24日 16時27分 公開
[篠崎薫,ITmedia]

 また、武器による違いは、攻撃方法だけに影響するわけではない。冒険の途中、特定の場所で悪魔精錬を行うとイノセントデビルが手に入る。イノセントデビルはヘクターと行動を共にする忠実な下部で、通常はAIによって行動をするのだ。イノセントデビルによっては、敵が近くにいれば戦い、またヘクターのHPが少なくなれば回復してくれるものもいる。

 そんな彼らは、敵を倒したときに出現する進化クリスタルを取ることによって、新たなステップのイノセントデビルへと進化することができるのだ。その際にキーとなるのが、ヘクターの装備している武器。ヘクターがどの武器で敵を倒したかによって、出現する進化クリスタルが変わってくるため、イノセントデビルの進化形態も変化していく。ゴーレムであれば、剣で倒すと攻撃力の強いものへ、斧なら素早いものへと進化するといった具合だ。最終形態に満足しなければ、イノセントデビルが時々落とす魔力の結晶を使い、新しくイノセントデビルを生み出してイチから育て直すことも可能。

 この、イノセントデビルの育成というのも、今作の醍醐味と言えるだろう。成長のさせ方は相当数あるため、最近流行りのシミュレーションRPGに負けないぐらいのやり込み要素である。実際、中盤ちょっと手前でイノセントデビルが成長しきってしまったため、別なパターンを試したくなり再び育て直したほどだ。しかも、新しいパターンで成長させるためには、これまでとは違う武器で敵を攻撃する必要もあるため、以前に歩いた場所でも新鮮に感じられるのもうれしい。ドラキュラシリーズのファンだけでなく、やり込みゲーが好きな人もハマれるだろう。

イノセントデビルは、イベントで入手できる。最初は1種類だけだが、後には自ら創り出すことも可能。なお、イノセントデビルのHPはハートを取るごとに増え、ダメージを受けたりして0になると、一時的にフィールドから消える。ハートを一定量以上集めると復活する
最初に部下となる妖精タイプのイノセントデビルは、ヘクターのHPを回復させる特技を持つ。プレイヤーが任意で回復させたいときは、イノセントデビルの行動パターンをオートではなくコマンドを選択して、△ボタンを押せば回復の特殊技を使ってくれる。ただし、特殊技を使用するとハート(HP)が減るので、残量に注意
敵を倒した後に出現する進化クリスタルを回収していくと、イノセントデビルは進化していく
途中で協力者となるジュリアのお店にて、条件を満たせば新しいイノセントデビルを生み出すことができる。またここでは、アイテムを購入することも可能だ

アクションは多彩だが、それらがプレイを優しい方面へと導いている

 ゲーム全編を通しての難易度は前作ほどではないため、それほどアクションゲームが得意ではないという人でも、問題なく遊べるだろう。それを手助けしているのが、ヘクターがもつ数々のアクションではないだろうか。R1ボタンを押しっぱなしにしていれば、敵の攻撃をほぼ完全にガードしてくれる。さらに、R1を押しながら×ボタンを押すことで、回転中は無敵となる側転やバク転を繰り出せるのだ。これを覚えてしまえば、そう簡単にゲームオーバーになることはない。中盤になると素早い敵なども登場するが、焦らず敵の攻撃をガードしてから反撃すれば、ほぼノーダメージで倒せる。実は、意外にアクションゲーム初心者向けに出来ているのでは? と思ったほど、前作と比べても簡単になっていると思えた。

R1でガード。連続攻撃を食らわない限り、ダメージを受けることはまずないので安心
前作にもあったクイックステップ。転がっている最中は無敵なので、多用すれば敵の攻撃を受けずに済む

 なお、ヘクターとイノセントデビルは、どちらかが敵を倒すと等しく経験値を入手する。それが一定値になるとレベルアップし、各パラメータが成長するようになっているのだ。純粋なアクションゲームだった前作と比べると、難しい場面でもレベルアップしてから戦いに挑めば何とかなる、ということもあるので、このような観点からも前作より難易度が下がったと言えるのではないだろうか。

前作にはなかった、EXP(経験値)というパラメータがあるのが分かる。Nextの数値だけ経験値を稼げば、次のレベルへとアップ

 また、攻撃は□ボタンで行うのだが、それとは別に○ボタンを押すと強力なフィニッシュ攻撃を出せる。□ボタンを連打するだけでも大ダメージを与えられるが、最後にフィニッシュ攻撃を繰り出せば、さらに戦闘を有利に進められるのだ。□→○や□→□→□→○など、コンボの種類も数多くあるので、それを探すのも楽しみの1つになっている。しかも、武器によって攻撃回数やアタックパターン・攻撃範囲などが異なってくるため、取り替えるたびに“どのような攻撃方法があるのだろう?”と、探す楽しみが生まれるはず。とはいえ、どのような武器を選んでも、□→○は出が素早いうえにお手軽なので、非常に役に立つのだけは変わらない。

攻撃のパターンは色々。これは、両手剣を装備したときの□→○攻撃。出が素早いのに加えて、当たれば大きな敵以外は吹っ飛ばすことが出来るので、その後の展開も有利に運べる

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