レビュー
» 2005年12月14日 09時00分 公開

任天堂が僕たちにくれた、せまくて広い最高の遊び場「おいでよ どうぶつの森」レビュー(1/5 ページ)

どうぶつたちが住む村の中で、自由気ままな生活を楽しめる人気シリーズ「どうぶつの森」の最新作がニンテンドーDSに登場。その名も「おいでよ どうぶつの森」。満を持して提供されたニンテンドーWi-Fiコネクションで、遊びの幅はぐんと広がった。さあ、楽しいどうぶつたちと一緒にスローライフを始めよう。

[仗桐安,ITmedia]

コミュニケーションを意識してきた「どうぶつの森」シリーズ

画像

 「どうぶつの森」シリーズは過去に3作品がリリースされている。初代「どうぶつの森」は2001年4月14日にNINTENDO 64で発売。同ハード最後の任天堂タイトルとなった「どうぶつの森」は、そのゲーム性の斬新さも話題を呼び、じわじわと売れ続けたヒット作品だった。架空の村のなかで自由に生活をしてどうぶつたちと交流をするという基本内容は、ここですでに完成されていたと言っていいだろう。たくさんのどうぶつとの愉快な会話、たくさんの家具、さかな、虫などの収集要素、そして特に目的がなくても毎日プレイできるリアルタイムな情景やイベントの数々は、どうぶつの森独特のものだった。

 2作目の「どうぶつの森+」はプラットフォームをニンテンドーゲームキューブに移して2001年12月14日に登場。コトブキ村長や、仕立て屋を営むハリネズミ姉妹あさみときぬよ、島への渡し守を務めるカッパのカッペイなどの新キャラ新要素が追加され、より賑やかになった。加えてゲームボーイアドバンスとの連携要素も搭載され、GBAケーブルによる新しい遊びが提示された。

 3作目は2003年6月27日にゲームキューブで発売された「どうぶつの森e+」。基本的には前2作と変わらないが、全体的なボリュームアップが図られ、カードeリーダー+による新要素が追加された。どうぶつの森カードe+という実際のカードを読み取ることでどうぶつの追加やデザインの追加ができるようになったのだ。加えてSDメモリーカードの読み込みにも対応。村で撮った写真をプリントアウトできるなど、テレビゲームの範疇を超えた面白さを体験することができた。

 そして本作「おいでよ どうぶつの森」は、ニンテンドーWi-Fiコネクション対応タイトルで、遠くにいるともだちとも簡単に交流できるような機能が搭載されている。基本的なゲーム内容は、前述したように1作目でほぼ完成されている。そのうえで作品を重ねるごとに、コネクトすること、コミュニケートすることに関して模索を続けてきた感のあるこのシリーズにおいて、いよいよインターネットを介しての遊びが導入されたわけだ。本作の目玉要素であるニンテンドーWi-Fiコネクションについては後述するが、ニンテンドーDS本体同士の通信だけでなく、遠くの友達とも気軽に遊べるようになったことは大きい。この点が、本作の一番大きな違いなのだ。

画像 村での生活はなんでもあり

村への引っ越し、そしてたぬきちとの出会い

画像

 前作まではシリーズを通して、列車に乗る主人公にみしらぬネコが話しかけるということで最初の設定が行われていたが、本作の導入は全く違うテイスト。突然の雨の中、タクシーに乗っている主人公に、カッパの運転手が話しかけるというもので、このとき答えた選択肢によって主人公の性別や見た目が変わる。「みしらぬネコは出てこないのか……」とがっかりしたファンの方もご安心あれ。みしらぬネコはすれちがい通信の画面で登場するのだ。

 主人公が村に着いた頃には雨があがっている。さあ、いよいよ村での生活のスタートだ。ここからの展開は前作までとほぼ同様。家が用意されたあとにたぬきちが登場し、「家の借金を返してほしいだも」「まずはうちでアルバイトするだも!」(「だも」はたぬきちの口癖)という展開になる。ただしこのアルバイトは、いわばチュートリアル。アルバイトをこなし、依頼を1つずつやり遂げていくことで、本作の基本操作や、村で何ができるのかが分かるようになっている。

 アルバイトが無事に終われば、晴れて自由の身。とは言うもののたぬきちへの借金があるので、何はなくともお金を稼がなくてはならない。まあこれは1つのベクトルではあるが、実は究極的にはお金を返さなくても暮らしていくことはできる。稼いだお金を何に使うかは自由だし、お金を稼ぐために行動しない、という生き方もある。とにかく何をやってもOKなのだ。

画像

 ただ普通にプレイをしていけば、おそらく「今の家だと狭いな。もっと家具とか物を置きたいな」という気持ちがわいてくるはず。そうなればやはりたぬきちに借金を返すべきだろう。無事に返済しきるとたぬきちから「家をもっと大きくしてあげるだも」という提案がある。これを承諾すればさらなる借金を抱えることになるが、代わりに部屋が広くなったり、部屋の数が増えたりという増築が行われるという寸法だ。借金は返すたびに額が増えていくので、結局は返し続けねばならない。現実的に考えたら大変なことだが、ここはまあゲームの世界のことだし、少しずつお金を返していくことが家のレベルアップにつながるという成長の面白さも味わえるので、楽しみながら気長に返していけばいいだろう。

 それにしても個人的にまずビックリしたのが、移動マップのグラフィックの変化である。前作まではキャラクターや建物が3Dで地面は平坦なグラフィックだったが、本作では地面の表現も3D化しており、奥行きの感じられる画面になっている。下画面上に地面の地平があることで、その先の空の部分を上画面で表現できるようになっているほか、奥行きもさることながら縦の空間を感じることもできる、秀逸な画面構成になっていると言える。前作に慣れていた筆者は最初戸惑ったが、慣れるとこの移動マップのほうが快適になってくるから不思議だ。

画像 たぬきちは主人公の心強い味方。いろいろ売っていろいろ買ってカタログを充実させよう!
       1|2|3|4|5 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2311/29/news051.jpg 900万再生のワンコに「電車で笑ってしまった」「つられてめちゃくちゃ笑っちゃうw」 “突然魔王になった犬”に腹を抱える人続出
  2. /nl/articles/2311/29/news033.jpg 秋田犬が娘の宿題を見守ると……「驚くほど美脚すぎる!」と900万再生 「立ち方凄い」「人にしか見えない」
  3. /nl/articles/2208/06/news075.jpg 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  4. /nl/articles/2311/28/news159.jpg サントリーのウイスキー値上げ額詳細が公開されSNSでも嘆きの声 「もう買えない……」「今ですら厳しいのに」
  5. /nl/articles/2311/29/news146.jpg “ベスト級に美しい芸能人”、出会った上沼恵美子が大絶賛 あまりの完璧超人ぶりにほれぼれ「人間として魅力を備えてて」「頭がいい育ちがいい」
  6. /nl/articles/2311/29/news022.jpg 留守番中の子猫を見守りカメラで確認したら…… 何度も「ママぁー!!!」と泣く姿に「切ない」「一目散に帰らなければ」
  7. /nl/articles/2311/29/news116.jpg 32歳になった河北麻友子、“家族そろった記念ショット”を出産後初公開 幼子抱えて大笑いの夫婦に「最高だねえって言いたくなる」
  8. /nl/articles/2311/28/news170.jpg DAIGO、コンビニで“大物スター”とまさかの遭遇 2日連続の出会いに「すごい奇跡」「これは運命」
  9. /nl/articles/2311/29/news043.jpg マックで「プレーンなバーガーください」と頼んだら……? 出てきた“予想外の一品”に驚き「知らなかった」
  10. /nl/articles/2311/29/news028.jpg 寂しくて「えーんえーん」と泣くワンコ、後ろにいる飼い主に気付くと…… 激変する表情のギャップがたまらない
先週の総合アクセスTOP10
  1. 大好物のエビを見せたらイカが豹変! 姿を変えて興奮する姿に「怖い」「ポケモンかと思った」
  2. 「3カ月で1億円」の加藤紗里、オーナー務める銀座クラブの開店をお祝い “大蛇タトゥー”&金髪での着物姿に「極妻感が否めない」
  3. 愛犬と外出中「飼いきれなくなったのがいて、それと同じ犬なんだ。タダで持ってきなよ」と言われ…… 飼育放棄された超大型犬の保護に「涙止まりません」
  4. ミキ亜生、駅で出会った“謎のおばさん”に恐怖「めっちゃ見てくる」 意外な正体にツッコミ殺到「おばさん呼びすんな」「マダム感ww」
  5. 永野芽郁、初マイバイクで憧れ続けたハーレーをゲット 「みんな見ろ私を!」とテンション全開で聖地ツーリング
  6. 道路脇のパイプ穴をのぞいたら大量の…… 思わず笑ってしまう驚きの出会いに「集合住宅ですね」の声
  7. 柴犬が先生に抱っこしてほしくて見せた“奥の手”に爆笑&もん絶! キュンキュンするアピールに「あざとすぎて笑っちゃった」
  8. 病名不明で入院の渡邊渚アナ、1カ月ぶりの“生存報告”で「私の26年はいくらになる?」 入院直後の直筆日記は荒い字で「手の力も入らない」
  9. 小泉純一郎元首相、進次郎&滝クリの第2子“孫抱っこ”でデレデレ笑顔 幸せじいじ姿に「顔が優しすぎ」「お孫さんにメロメロ」
  10. デヴィ夫人、16歳愛孫・キランさんが仏社交界デビュー 母抜かした凛々しい高身長姿に「大人っぽくなりました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 病名不明で入院の渡邊渚、3カ月ぶりSNS更新で「表情に違和感」「そこまで酷い状況とは」 ベッド上で「人生をやり直すこともできません」
  2. 動かないイモムシを助けて1年後のある日、窓の外がありえない光景に 感動サプライズが「アゲハ蝶の恩返し」と話題
  3. 「スカートはないわ」「常識無視の番組でびっくり」 山下リオ、登山中の服装批判巡って反論「私が叩かれているようですが」
  4. 「千鳥」大悟、大物美人俳優にバッグハグされた表情に注目集まる 「マジ照れのお顔ですね」「でれでれやん」
  5. 渋谷駅「どん兵衛」専門店が閉店 店内で見つかった書き置きに「店側の本音が漏れている」とTwitter民なごむ
  6. 神田愛花アナ、拡散された女子中学生時代ショットにスタジオ騒然「ヤバい」→“アネゴ感”でSNSもざわつく
  7. 「生きててよかった」 熊谷真実、美麗な初“袋とじ”グラビアで63歳の色気全開 真っ赤なドレス着こなす姿に「すごいプロポーション」
  8. 尻尾がちぎれた小さな子猫をサーキット場で保護→1年後“ムキムキ最強生物”に 驚異の成長ビフォーアフターに注目集まる
  9. 双子モデル・吉川ちえ、美容整形後のひたいが“コブダイ”状態へ 多額の費用要した修正手術で後悔も「傷がこんなに残りました…」
  10. 「犬ぐらい大きくなれよ」と願い育てた保護子猫が「まさか本当に犬ぐらいになるとは」 驚異の成長ビフォーアフターが192万表示!