頼みは己の腕前のみ――ようこそ、狩って狩って狩りまくるハンティングアクションの世界へ:「モンスターハンター2(ドス)」レビュー(2/3 ページ)
待望の新武器追加。ますます充実の装備品群
ますます多彩になった装備品群にも注目したい。特に武器に関しては「片手剣」、「双剣」、「大剣」、「ランス」、「ハンマー」、「ライトボウガン」、「ヘヴィボウガン」といった前作までの7種類に加え、「太刀」、「ガンランス」、「狩猟笛」、「弓」の4種類が新たに追加されている。合計11種類もの武器カテゴリの中から、自分に合った武器を選択できるようになった。
新武器はいずれも従来のシリーズにはなかった、まったく新しいタイプのもの。太刀は大剣、ガンランスはランス、狩猟笛はハンマーの派生と位置づけられているが、実際に触ってみると従来の大剣、ランス、ハンマーとはまったく違う使い心地に仕上がっていて面白い。狩猟笛にいたっては“笛の音色で仲間をサポートする”という、もはや“こんなのアリ!?”なミラクルウェポンとなっており、武器選択のバリエーションは前作までに比べ格段に広がっている。既存の武器に比べ、必ずしも新武器のほうが上位に位置するというわけではないので(太刀は大剣よりも素早い連続攻撃が可能だが、代わりにガードができないといった具合に、それぞれ一長一短がある)、まずは狩人道場でひと通りの武器を試してみて、自分のフィーリングに合った武器を見つけるのがいいだろう。右スティックを攻撃に使った独自の操作系も、最初は面食らうものの、慣れてくると徐々に“使いこなしている感”が出てきて楽しかったりする。
もちろん、武器だけでなく防具もますます充実している。また、今回は武器同様、防具も素材を集めて強化することが可能になっているほか、組み合わせで発動する「スキル」にも新しいものが多数追加されており、ますますコーディネートを考えるのが楽しくなった。ちょっと数が多すぎて最初は迷ってしまうかもしれないが、あれこれ悩みながら見た目やスキルの組み合わせを考えるのも、MHの面白さのひとつだろう。
気の合う仲間と狩りまくれ
オフラインでも遊べる本作だが、メインはやはり、最大4人協力プレイが可能な「オンラインモード」だ。時には気の合う友だちと、時には顔も知らない通りすがりのハンターと、力を合わせて巨大なモンスターに立ち向かう楽しさは、シングルプレイの比ではない。
実は本作の協力プレイはそれほど高尚なものではなく、むしろどちらかと言えば“みんなで囲んでひたすら殴り(撃ち)まくるだけ”という、わりとシンプルかつ大ざっぱなモノだ。やっていること自体はシングルプレイ時とそれほど変わらなかったりする。敵の攻撃も激しいため、戦闘中のチャットもちょっと難しい。
しかし、それでも“4人いる”というだけで、楽しさのレベルは格段に跳ね上がるのだから不思議なものだ。それぞれ武器も、行動もバラバラでも、ターゲットを倒すというひとつの目標に向かって、4人が一体となって進んでいるというだけで、自分の中のボルテージが一段階上がるのをしっかりと感じる。飛竜の尻尾を切断したり、ハンマーで敵を気絶させた時などに、“ナイス!”、“GJ(※グッジョブの略)”とか言ってもらえると、それだけで“ああ、がんばって良かったな”と思ってしまうし(実際はイイところを見せようと力みすぎて、逆に死亡することのほうが多いのだが……)、苦労の末、4人で勝ち取った勝利は、シングルプレイ時とはまた違った味わいがある。
そもそもオンラインモードが4人同時プレイを前提にバランス調整されているというのもあるだろう。巨大なモンスターを1人で相手にしていると、全部の攻撃が常に自分を狙ってくるため、攻撃はおろか回復薬を使うチャンスさえなかなか見つけられなかったりする。しかし4人いれば、狙われる確率は4分の1だ。誰か1人が狙われている間、ほかの3人はやりたい放題となる。緊張感を絶やせば即、死につながるシングルプレイと、わりと好き勝手に殴りまくれるオンラインプレイとでは、まったく別のゲームと言っていいほど印象が違う。もちろん、シングルプレイのストイックさもいいが、本作が目指したのはやはり、オンラインプレイのワイワイ感のほうだったんじゃないかなと思う。
ただ、ちょっとだけ残念に感じたのが、ネットワークシステムまわりが前作とほとんど変わっていない点だ。相変わらず使いにくいチャットシステムとパーティを組みにくい「ランド」、「エリア」のシステムなど、前作の不便な部分もそっくりそのまま引き継いでしまっている。また、クエストを達成するともらえるポイントで「ハンターランク」を上げていくシステムも、ほかのMMORPGの「レベル上げ」のようで、賛否両論分かれるところだろう。
とは言え、4人協力プレイの楽しさを一度でも体験すれば、これらの不満点はすぐに消し飛んでしまう面白さが本作にはある。もしまだ未体験のユーザーは、今すぐネットワークアダプタを買ってでも、この楽しさ、連帯感を体験してみてほしい。
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