頼みは己の腕前のみ――ようこそ、狩って狩って狩りまくるハンティングアクションの世界へ「モンスターハンター2(ドス)」レビュー(3/3 ページ)

» 2006年03月06日 17時48分 公開
[池谷勇人,ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

オフラインも充実。ジャンボ村の発展に協力せよ

 前作まではあくまでオマケ程度の存在にとどまっていたオフラインモードも(「モンスターハンター ポータブル」は除く)、本作ではぐっとボリュームを増し、ようやくひとつのゲームとして十分に遊び込めるものになった。

 オフラインモードでは、プレーヤーは「ジャンボ村」を訪れた1人のハンターとなり、村人からさまざまなクエストを請け負いながら、村の発展のため働いていくことになる。レベルや経験値による成長要素は一切存在しない本作だが、オフラインモードでは代わりに、住人の依頼をこなすことで村がどんどん成長する。最初は住人も少なく、「回復薬」すら買えないと、雑貨屋の品ぞろえも悪いが、発展してくると住む人も少しずつ増え、村の施設や店の品揃えも充実していく。装備品集めなども合わせて行っていくことを考えると、これだけでも100時間以上は遊べるボリュームとなっているだろう。

photo 村人からの依頼内容はさまざま。少しずつ発展していく村を見守るのが楽しい
photo 最初は買えなかった回復薬も、依頼をこなしていくと入荷されるようになる

 ただ、オンラインモードでのみでしか入手できない上位素材があるなど、相変わらず「オンライン優遇」の感があるのは否めない。当然、これらの素材を使った上位装備品などもオフラインでは作成できないため、やはり本作を100%楽しみたいのなら、オンラインデビューは必須と言える。また前述の通り、そもそも本作は4人プレイが前提のバランスとなっているため、シングルプレイだと回復薬すら使うヒマがなかったり、ヘタをすると起き上がりに連続攻撃を重ねられてハメ殺されたり、といったことも少なくない。せめてNPCと一緒に戦えるようにするなど、少しでもモンスターの狙いを分散させる工夫があると、うれしかったのだが……。

 とは言え、オフラインでできることは格段に増えており、相変わらずのオンライン優遇体制も、前作までに比べればずいぶん緩和されている。逆に村の発展など、オフラインモードならではの楽しみもあるので、すでにオンラインデビューを果たしたプレーヤーも、たまにはジャンボ村をのぞいてみるといいかもしれない。

MHPとの連携でますます楽しく

 MHPとの連携についても触れておきたい。PSP本体とMHPを持っているプレーヤーは、USBケーブルを使って両作品を接続することで、さまざまな恩恵を得ることができるのだ。目立ったものとしては、「新種・イャンガルルガの出現」、「新たな生産レシピの追加(普通より安く作れるものが多い)」、「行商ばあちゃんの取り扱い商品が変化」などで、いずれもMH2、MHPの両方に影響がある。細かなところでは、MHP側にさすらいの料理ネコが村にやってきたり、MH2側だと髪型変更時に選択できる髪型が増えたりといったものもある。

photo 両作品のメニュー画面から「CONNECT」を選べば連携が可能だ
photo 新種・イャンガルルガ。早くから戦えるが、討伐するのは難しい

 ただ、実際に連動させてみた感想としては、いずれもちょっとうれしいオマケ程度といった感じだ。一部でもいいからキャラクターデータやアイテムの持ち越しを期待していた身としては、ちょっと肩透かしを食らったような気分ではあったが、貴重なイャンガルルガ素材が序盤から入手できるのはありがたく、両タイトルを持っている人はぜひ連動させてみることをオススメしたい。

「弱肉強食」の意味を体に刻め

 正直に言うと、本作は数十時間程度のプレイではまったく底が見えてこない。筆者もまだまだ見たことがないモンスターや、見たことがない装備、試したことがないスキルが山ほどあり、ハンターとしてはまだまだ駆け出しのヒヨっ子だ。今さらではあるが、このレビューではまだほんの「入り口」をのぞいただけ、という点を改めて断っておく。

 ネット上では早くも“難易度高すぎ!”、“ドスファンゴ強すぎ!”、“回復薬売ってねぇ!”といった悲鳴があちこちから聞こえていたりするものの、個人的には“それでこそMH”だと思っていたりする。たしかに最初は“こんなのムリ!”と感じるかもしれない。しかし、注意深くモンスターの動きを観察し、行動パターンを把握し、スキを見つけ、せっせとアイテムを集めて下準備をして、苦労と試行錯誤を山のように積み重ねれば、どんなにアクションゲームが苦手でも、いつかは絶対にクリアすることができる。そして、その時のよろこびは、ほかのゲームでは絶対に味わえないものになるはずだ。

 それに、必ずしもメインターゲットを討伐しなくても、より簡単なサブターゲットを達成すればクエストクリアが可能になっていたり、片手剣では抜刀したままアイテムが使えるようになっていたりと、前作よりも親切に、より遊びやすく調整されている部分も多い。面倒だったフィールド系素材の採取も、一度により多くの素材が入手できるようになり、格段に集めやすくなった。狩りの基本は暑苦しい教官が懇切丁寧にレクチャーしてくれる。ここまでしてもらってすぐに音を上げていては、ハンターの名がすたるというものだろう。

 筆者は昨日はババコンガのタックルで一撃死、今日は起き上がりにフルフルの電撃を重ねられ、なす術もなく死亡した。思えばいまどき、これほど死にまくるゲームもないだろう。しかし、何度も失敗を重ね、技術と経験を蓄積していくことで、死亡の確率は確実に減らすことができる。かつてのゲームが持っていた“プレーヤー自身が上達していく楽しさ”を、本作では存分に味わうことができるだろう。レベルや経験値といった見せかけの成長にとらわれない、“真の強さ”を求めて、今日も元気に死にまくってきます!

photophoto オフラインで死ぬのはまだいいけれど……オンラインで死ぬと、さすがにちょっと気まずかったりする
モンスターハンター2(ドス)
対応機種プレイステーション 2
メーカーカプコン
ジャンルハンティングアクション
発売日発売中
価格通常版:7329円(税込)
(C)CAPCOM CO.,LTD.2006 ALL RIGHTS RESERVED.


前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/15/news031.jpg ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. /nl/articles/2412/14/news019.jpg ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. /nl/articles/2412/15/news011.jpg 「懐かしい」 ハードオフで“30年前のPC”を購入→Windows 95をインストールしたら“驚きの結果”に!
  4. /nl/articles/2412/16/news107.jpg 「靴下屋」運営のタビオ、SNSアカウント炎上を受け「不適切投稿に関するお詫び」発表 「破れないストッキング」についてのやりとりが発端
  5. /nl/articles/2412/15/news035.jpg 餓死寸前でうなり声を上げていた野犬を保護→“6年後の姿”が大きな話題に! さらに2年後の現在を飼い主に聞いた
  6. /nl/articles/2412/15/news002.jpg 毛糸でフリルをたくさん編んでいくと…… ため息がもれるほどかわいい“まるで天使”なアイテムに「一目惚れしてしまいました」「うちの子に作りたい!」
  7. /nl/articles/2412/10/news133.jpg 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  8. /nl/articles/2312/15/news032.jpg 放置された池でレアな魚を狙っていた親子に、想定外の事態 目にしたショッキングな光景に悲しむ声が続々
  9. /nl/articles/2412/15/news028.jpg 脱北した女性たちが初めて“日本のお寿司”を食べたら…… 胸がつまる現実に考えさせられる 「泣いてしまった」「心打たれました」
  10. /nl/articles/2412/16/news023.jpg 父「若いころはモテた」→息子は半信半疑だったが…… 当時の“間違いなく大人気の姿”に40万いいね「いい年の取り方」【海外】
先週の総合アクセスTOP10
  1. イモトアヤコ、購入した“圧倒的人気車”が思わぬ勘違いを招く スーパーで「後ろから警備員さんが」
  2. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  3. パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
  4. 高校生のときに付き合い始めた2人→10年後…… 現在の姿に「めっちゃキュンってした」「まるで映画の世界」と1000万表示突破
  5. 大谷翔平の妻・真美子さん、ZARA「8000円ニット」を着用? 「似合ってる」「シンプルで華やか」
  6. 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」 投稿者に感想を聞いた
  7. 高校生時代に父と撮った写真を、29年後に再現したら……再生数1000万回超えの反響 さらに2年後の現在は、投稿者に話を聞いた
  8. 散歩中、急にテンションが下がった柴犬→足元を見てみると…… 「そんなことあります?」まさかの原因が860万表示「かわいそうだけどかわいい」
  9. コメダのテイクアウトで油断して“すさまじい量”になってしまった写真があるある 受け取ったその後はどうなったのか聞いた
  10. 「やめてくれ」 会社で使った“伝言メモ”にクレーム→“思わず二度見”の実物が200万表示 「頭に入ってこない」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」