レビュー
» 2006年03月08日 11時30分 公開

世代を超えた国民的アニメをいま一度学べる教科書「機動戦士ガンダム クライマックス U.C.」レビュー(1/2 ページ)

ガンダムを題材にしたゲームは数多く発売されているが、その中から今回は最新作となる本作をピックアップ。「連合vsZ.A.F.T.」以来のアクションゲームとなるが、その出来栄えや内容はどのようなものなのだろうか。気になる部分を見てみよう。

[篠崎薫,ITmedia]

今や豊富なジャンルにまで広がったガンダムシリーズ

クロニクルモードで見られる、作品ごとの時間軸。収録されている7作品は、このような感じで歴史上に並んでいる

 今では数多くのストーリーが作られ、その歴史を語ることができるほど多彩なラインアップになってきた「機動戦士ガンダム」シリーズ。ここまでくると、相当気合いの入ったファンでなければ、歴史順に並べるのすら難しいほどだ。それだけに、ガンダムを題材としたゲームは数多く世に出回っていて、その種類もシミュレーションや対戦格闘など多種多様。昨年末には、俗に言うファーストガンダムを題材にした麻雀ゲームが出るほど、ゲームジャンルも豊富になった。

 そこへ新しく加わったのが、今回発売された「機動戦士ガンダム クライマックス U.C.」となる。本作は1つの時代だけを扱うのではなく、ファーストガンダムからF91までを1つの時間軸上に並べ、そこで起きる物語を連続的に楽しめる作品となっているのだ。もちろん、順番どおりに進めなければならないと言うことはなく、歴史の流れを逆行してプレイすることも可能となっている。

対戦モードも収録されているが、キャラクターやモビルスーツ選択画面を見ると分かるように、多彩な顔ぶれが勢揃いしている

 盛り込まれている作品は年代順に、「機動戦士ガンダム」、「機動戦士ガンダム 第08MS小隊」、「機動戦士ガンダム ポケットの中の戦争」、「機動戦士Zガンダム」、「機動戦士ZZガンダム」、「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」、「機動戦士ガンダムF91」の7本。それぞれに主人公や登場するモビルスーツも異なるが、代表的なものはほとんどが収録されている、豪華な仕上がりとなっている。実際、これだけのぜいたくな顔ぶれが一堂にそろうタイトルは少なく、加えてメジャーどころのモビルスーツが登場する作品は、なかなか貴重といえよう。

2つのメインモードを備え、何度でも遊べる工夫が凝らされている

ビームライフル1、2発でザコ敵は倒せる。このあたりはアニメなどと同じ仕様になっていて、好感が持てる。当然ながら、自機は敵のビーム砲1発でやられたりはしない

 数多いガンダムゲームの中でも、本作は格闘アクション形式を採用した、モビルスーツ同士のバトルが楽しめるタイプになっている。とはいえ、内容はアニメなどに忠実で、主人公の操る機体の攻撃力が非常に強く、ほとんどの敵は一撃で倒せてしまうため気分も爽快。実際に何らかのガンダムを見たことがある人なら分かるとおり、あの光景がゲームの中でも正確に再現されているのだ。プレイしてみると効果は絶大で、ビームライフル1発で倒れる敵を見ていると、プレーヤー自身が本当にモビルスーツのパイロットになって操作している、という気分がわき上がってくる。この気持ちよさこそが、ガンダムゲームらしさなのかもしれない。

 収録されている主なモードのうち、メインとなるのが「プログレスモード」と「クロニクルモード」となる。その名の通り、前者がオリジナルキャラクターを成長させていくモードで、後者が年代順に並んでいるシリーズ作品の、クライマックス部分を体験できるモードだ。個人的には、クロニクルモードで有名な場面を大量に堪能できればいいと思っていたのだが、プログレスモードも一度始めると、ずるずるとプレイしてしまう魅力があった。もちろん、やられてしまえばゲームオーバーになるのだが、すかさずコンティニューできるように作られているため、ついヤメ時を失ってしまう。

 そんなプログレスモードでは、最初に“カムナ・タチバナ”というオリジナルキャラクターを作成し、彼となって1年戦争から年代順に戦いを繰り広げていくことになる。とはいえ、オリジナルのストーリーに影響を与えるような展開はなく、一瞬だけしか表舞台に顔を出さない、あくまでも舞台裏での物語に徹しているのだ。

どちらの陣営を選択するかで、その後の戦いが変化していく

 ユニークなのは、主人公は1部隊を率いる隊長として活躍するのだが、彼らとともに所属できる陣営を選択できる点だろう。最初の1年戦争であれば、地球連邦軍もしくはジオン軍を選ぶことができ、どちらにつくかでミッション内容も変わってくるのだ。これがZの時代になると、最初に地球連邦軍を選んでいた場合はティターンズかエゥーゴ、ジオン軍ならばエゥーゴかアクシズ陣営を選択できる。この仕組みにより、1度ではすべてが味わえないボリュームになっているのだ。

ジオングがアムロと戦う前は、カムナ隊と一戦を交えていたという、意外な事実が明らかに

 さらに、主人公キャラは複数作れるため、それぞれ別ルートで平行進行することも可能。実際、そのように進めたほうが、展開も新鮮でおもしろかった。こちらのモードであれば、各主人公のたどった華やかなシーンだけでなく、裏で起こっていた意外な事実を目にすることもできるので、新たな発見があるかもしれない。ガンダムファンを自称する人であれば、こちらをメインにプレイするのがいいだろう。しかも、逆襲のシャア時代をクリアすると世代交代があるため、さらに新しい展開を見られるのだ。通してプレイしても、クリアまでにそれほど時間はかからないので、飽きずに何度も遊べるのもうれしい。また、世代交代というシステムも熟考を要す相手の選択といい、その後の行動といい、新鮮味があった。

 それとは違い、クロニクルモードでは各作品のおいしい場面だけを体験することができるので、それほどガンダムシリーズに詳しくない人でも楽しめるようになっている。たとえば1年戦争のガンダムであれば、ホワイトベースが大気圏に突入する際の、アムロとシャアの戦いをプレーヤーが再現できる。有名なセリフなどもそのまま入っているので、にわかガンダムファンでも問題ないはず。しかも、クリアすれば別キャラでのプレイも可能になるため、こちらもかなりの回数遊ぶことができるだろう。また、F91までの作品がシリーズごとに年表になって並んでいるので、ここで宇宙世紀の歴史を覚えるのもいいかもしれない。

 なお、ステージをクリアするごとにスキルポイントが得られ、これを各能力に振り分けていくことで、主人公が成長していく。ポイントの配分いかんで、射撃や格闘に強かったり、ニュータイプ能力に目覚めやすいなどの個性的なキャラを作成することができる。パラメータ以外にも、一定AP(アビリティポイント)を消費することでスキルも覚えられるので、さまざまなキャラづくりを楽しむことができるだろう。

あの有名なシーンを、自らの手で再現できる。もちろん、ここではシャア専用ザクに勝たなければ次に進めない
クリアすると、別キャラからの視点でもプレイできるようになる
ここで、パラメータ配分などを決める。今後の成長にも関わってくるので、慎重に割り振りたいところだ
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