人は、いつも“空”にあこがれ、そしてゲームの中に“空”を再現する「エースコンバット・ゼロ ザ・ベルカン・ウォー」レビュー(2/3 ページ)

» 2006年03月24日 16時10分 公開
[篠崎薫,ITmedia]

敵エースとの戦いは、これまで以上の緊張感の中で楽しめる

画像 1人のジャーナリストが、プレーヤーである円卓の鬼神を追いながらベルカ戦争に迫っていくという形で語られていく

 ひと通りの設定が終わったら、早速キャンペーンモードを開始。今回も前作と同じような感じで、第3者の視点から物語が語られていく。もちろん、途中にはストーリーを盛り上げるための証人なども登場し、戦争の背景を事細かに説明してくれるのだ。

 のちに「円卓の鬼神」と呼ばれることになるプレーヤーだが、最初はただの雇われ兵士なので、それほど良い機体は選択できない。とはいえ、序盤に出現する敵は腕が鈍いのか、それほど労せずに倒すことができるのだが、このロックオン→撃墜という一連のアクションが、毎度ながら非常に気持ちがいい。

画像 敵をサイトにロックオンし、ミサイル発射。撃墜したときの破壊音は、耳に心地よく響く

 似たようなソフトの中には、リアルさを追求するあまりゲーム性を置いてきぼりにしてしまい、かえって操作性が悪くなってしまうものもあるが、ACE-ZEROではそのような心配は皆無だ。プレイ中に操作性でいらつくようなことは一切なく、非常に快適に遊べた。

 この、「リアルかつゲーム性を犠牲にしない」というように作るのはとても難しく、それを毎回成し遂げているのには感心させられる。さまざまなゲームをプレイしてみたものの、リアルさとゲーム性が同居しているのは、やはりエースコンバットシリーズが一番だろうと改めて思ったほどだ。

 今回、プレーヤーはベルカ軍を相手に、最初はウスティオ空軍として、のちに連合軍の一員として戦うことになる。スタート前のブリーフィング画面では、戦いの背景が詳しく説明され、否が応でも雰囲気が高まっていく。また、メッシュ上のマップで敵の配置箇所なども確認できるので、攻略ルートを考えておくのもいいだろう。

画像 これをじっくりと読むことで、ベルカ戦争がどのような流れで起きていったのかが分かるようになっている
画像 各ポイントを拡大して、敵の配置などを確認できる。TGTがどれだけあるのか、周囲にはどのような施設があるのか、上級者なら先にチェックしておきたい

 作戦内容を頭に叩き込んだら、いよいよ出撃だ。出現する敵は、「TGT」というマークの付いた倒すべき相手と、黄色いマークで表示される「イエローターゲット」に別れている。TGTを全て墜とせばミッションクリアとなるのだが、より報酬がほしいという人は、攻撃してくる「グリーンターゲット」だけでなく、イエローターゲットも墜としたいところ。ただし、TGTの破壊を最優先にするか、イエローターゲットも積極的に狙うかなどによって、ミッションクリア後の評価が分かれるのだ。エースパイロットなのは変わらないが、反撃できない敵機を見逃したり味方の救援におもむけばナイト・エースとなるし、全てを見逃さず容赦なく墜とせばマーセナリー・エースとなる。戦局に合わせて行動すればその中間、ソルジャー・エースに行き着く。これらにより、敵味方の無線内容が変化するだけでなく、出現する敵エースも変わってくるのだ。今回はマーセナリ・エース寄りに進んだため、敵エース・ロト隊との戦いが待っていた。所詮はこちらの敵じゃないな……などと心の中で思いながらドッグファイトを展開していたのだが、思ったよりも手ごわい。それでもなんとか撃墜し、敵を排除できたときはうれしいもの。思わず鼻が高くなってしまう。

画像 敵によっては反撃不可能な状態になると、グリーンからイエローターゲットへと変わる。これを逃がすかどうかは、プレーヤーの戦闘スタイル次第、ということに
画像 ミッション終了後に、エース・スタイルが変化する。どれがよいというのはないので、色々と試してみよう

画像 ミッションを無事にクリアすると、毎度ながら見とれてしまうようなリプレイが流れる

なお、ミッションクリア後はリプレイが表示されるのだが、これも毎回感心してしまうぐらいカメラアングルが秀逸、おかげで、スタートボタンでスキップするのをためらってしまうほどだ。このリプレイを見ていると、自分が操る機体の動きが普段以上に華麗に見えてしまうため、ついうっとりとしてしまうかもしれない。

 逆に、敵機に墜とされた直後にもリプレイが入るのだが、この時は自分の下手な操縦には、怒鳴り声をあげて文句を言ってしまう。もちろん、何か言ったところで状況が変わるわけではないのだが、そのぐらいライブ感もたっぷりあるということだ。

画像 矢印でしか表示されないが、脳内補完すればリアルな戦闘シーンも再現できるはず。先ほどまでの死闘が、きっと頭によみがえるだろう

 その後、基地に戻るとデブリーフィング画面が表示され、自らが飛んだ軌跡を見ることができる。敵機との戦いの模様がディスプレイに矢印で映し出され、自機が螺旋状に動きながら距離を詰めていき、相手の印に×が付いて消滅。地上物にも次々と×が付き、ふっ、と消える。その間、脳裏では、先ほどの戦いが走馬燈のようによぎっていくのだ。敵機を背後から追いつめ、ミサイルをヒットさせたときの喜びや、地上物を機関砲で破壊できたときの爽快感などが、映画のスクリーンに映し出されるかのように蘇ってくる。

画像 新機体が登場すれば、やはりうれしいもの。眺めているうちに買ってしまい、そのまま次のミッションへとなだれ込んでしまうため、なかなか止めるに止められないのだ。

 クリアしてしまえば、どんなに苦労したミッションでもよい思い出。その戦いを自らの経験へと昇華させ、得たクレジットを使い新しい機体と特殊兵装を購入し、新たなミッションへとチャレンジしていく。するとヤメ時を失ってしまうわけで、ついつい十数時間も連続でプレイしてしまい、結局は最後までたどり着いてしまった。もっとも、一周クリアしたぐらいでは、すべてを遊びつくすことは不可能なのだが……。いずれにせよ、ハマってしまうゲームであることは、間違いのない事実だ。

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