次世代クオリティで描かれる“戦争”はすごく美しくて、何より重い「NINETY-NINE NIGHTS」レビュー(1/2 ページ)

マイクロソフト ゲームスタジオが放つ、Xbox 360用大作アクション。敵で埋め尽くされた戦場から、何を感じて、何を楽しめるのか。単純に爽快(そうかい)感を求めて楽しむこともできれば、テーマについて深く考えることもできる本作、その魅力に迫る。

» 2006年04月26日 19時26分 公開
[磯野正学,ITmedia]

オレのまわりが「N3」なワケ

photo 敵は四方八方から襲い来る。なかには、プレーヤーが操作するキャラクターの倍以上もデカい敵も

 砂糖に群がるアリのごとき大部隊を、一閃の元に切り倒していく「NINETY-NINE NIGHTS」(以下、N3)は、爽快(そうかい)感を重視した3Dアクションゲームだ。このジャンルは、数多くのタイトルがリリースされている昨今の定番であり、筆者はもちろん、周りにもファンが多い。今回、そんなN3が到着した時も、どこから嗅ぎつけてきたのか、同僚がテレビの周りに集まってきた。あまりに集まりすぎて、筆者の周囲がN3みたいになってしまったほどだ……すみません、さすがにウソです。

 ただ、ここで面白いのは、みんなが口裏を合わせたように“N3ってどうなの?”、“アレとどう違う?”と聞いてくること。その時は、まだXbox 360の電源すら入れていない状態だったので、“まだ分からないッスよー”と答えていた。が、今ならはっきりと“これまでにあった同種のゲームとはかなり楽しみ方が違う”と断言できる。

画面を埋め尽くす敵! 敵! 敵!

 本作の見どころは数多くあれど、胸を張って“スゲェ!”と言えるのは、圧倒されるほどの敵の数だろう。現在、唯一の次世代機であるXbox 360のタイトルなので、かなり多くの敵が登場するだろうと期待はしていた。だが、筆者の予想はハッキリ言って甘かった。

 まさか自分の操作するキャラクターが埋もれて見えなくなるほど、多くの敵が現れるとは! ステージによっては、どこを見ても敵だらけで、人ごみを抜け出すにも苦労するほどだった。ゲームの世界に没頭できるため、主人公に感情移入もしやすい。いつの間にか、戦場で奮闘する戦士の気分に浸っていること請け合いだ。

photophoto (写真左)イベントムービーで突然、崖の上に現れるゴブリン族の大部隊
(写真右)ムービーだけだろうと甘く見ていると、痛い目にあう。ムービー同様の大部隊が、実際に襲ってくるのだ!

 ただ、いくら敵の数が多いとは言え、攻撃がスイスイ出せないと、爽快(そうかい)感も半減するというもの。だが、N3でそのような心配は皆無だ。攻撃アクション(スキルという)は、XボタンとYボタンを特定の順番で押すだけなので、ゲーム初心者でも、ガチャプレイで華麗な連続技が簡単に出せるのは、非常に良いポイントだと思う。

photo 連続技は見た目にも楽しいものが多く、それぞれ1度は使ってみたい

 敵を倒すと「赤オーブ」と呼ばれる、魂のようなものが登場する。このオーブを集めてゲージが一定以上溜まれば、強力な必殺技「オーブアタック」を発動できるのだ。これがまたシャレにならない強力さで、敵を一網打尽にできる。

 さらに言うならば、オーブアタックで敵を倒すと、今度は敵から「青オーブ」が現れる。勘の良い人ならもうお気づきかと思うが、この青オーブを一定数以上集めれば、超強力な奥義「オーブスパーク」が使えるのである。その威力と派手さは本作を象徴しているかのごとく壮大で、相応の爽快(そうかい)感を味わうことができるのだ。一度味わうと、ヤミツキになるほどの魅力を秘めている。使用後の周囲は死屍累々といった光景で、ちょっとかわいそうな気にもなるが、“オレって最強!”という気分を嫌と言うほど堪能できるのだ。

photophoto 敵を倒すと現れる赤と青のオーブ。拾いに行かなくてもオーブが飛んでくるので、気にしないOKだ
photo 連続技は、レベルがあがるごとに使える種類が増えていく

 N3には、連続して敵に攻撃を与えた回数を表す「コンボ」システムも用意されている。最大コンボ数を狙うのは、やり込みがいがあってかなり楽しいのだが、面白いのはその数が青天井ということだろう。適当にプレイしていても500くらいは楽に達成でき、意識してプレイすれば2000以上にも達する。

 あまたのゲームをプレイしてきた筆者だが、これだけのコンボ数がはじき出せる作品は記憶にない。筆者は2400コンボを出して喜んでいたが、同僚にあっさりと2600コンボを出され、一気に敗北感を味あわされた。雪辱を晴らすため、今も必死になってコンボの練習をしているところだ。

photophoto (写真左)敵の数が減ってくるので、1000コンボを超えたあたりから、つなげるのが難しくなってくる。となりの敵部隊に近づくように少しづつ戦闘場所を動かすのがコツだ
(写真右)武器やアイテムはステータス画面で装備しなおすことができる。コンボ数を稼ぐには、攻撃力の弱い武器や、攻撃範囲を広くするアイテムを装備するなど、クリアー目的とは異なるカスタマイズが重要になる
       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/22/news018.jpg 猫だと思って保護→2年後…… すっかり“別の生き物”に成長した元ボス猫に「フォルムが本当に可愛い」「抱きしめたい」
  2. /nl/articles/2411/22/news184.jpg 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  3. /nl/articles/2411/21/news027.jpg 大きくなったらかっこいいシェパードになると思っていたら…… 予想を上回るビフォーアフターに大反響!→さらに1年半後の今は? 飼い主に聞いた
  4. /nl/articles/2411/23/news025.jpg 「大企業の本気を見た」 明治のアイスにSNSで“改善点”指摘→8カ月後まさかの展開に “神対応”の理由を聞いた
  5. /nl/articles/2411/13/news176.jpg 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. /nl/articles/2411/05/news138.jpg 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  7. /nl/articles/2411/22/news205.jpg 松田翔太、憧れ続けた“希少な英国製スポーツカー”をついに入手「14歳の僕に見せてあげたい」 過去にはフェラーリやマクラーレンも
  8. /nl/articles/2411/22/news047.jpg 「行きたすぎる」 入場無料の博物館、“宝石展を超えた宝石展”だと40万表示の反響 「寝れなくなっちゃった」【英】
  9. /nl/articles/2411/23/news031.jpg スーパーで売っていた半額のひん死カニを水槽に入れて半年後…… 愛情を感じる結末に「不覚にも泣いてしまいました」
  10. /nl/articles/2411/22/news051.jpg 自動応答だと思って公式LINEに長文を送ったら…… 恥ずかしすぎる内容と公式からの手動返信に爆笑 その後について聞いてみた
先週の総合アクセスTOP10
  1. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  2. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  4. まるで星空……!! ダイソーの糸を組み合わせ、ひたすら編む→完成したウットリするほど美しい模様に「キュンキュンきます」「夜雪にも見える」
  5. 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  6. 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  7. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. 互いの「素顔を知ったのは交際1ケ月後」 “聖飢魔IIの熱狂的ファン夫婦”の妻の悩み→「総額396万円分の……」
  9. ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
  10. 中央道から「宇宙戦艦ヤマト」が見える! 驚きの写真がSNSで注目集める 「結構でかい」「どう見てもヤマト」 撮影者の心境を聞いた
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた