次世代ゲーム機を知るための用語解説――映像関連用語編「ハイデフ」、「D4」、「HDMI」ってなに?(1/2 ページ)

E3 2006では、プレイステーション 3やWiiなど、すでに発売されているXbox 360とあわせて、本格的な次世代機ゲームの展示が行われることだろう。そこで「知った気になっているつもり」の次世代機用語を、改めて確認しておこう。

» 2006年05月01日 13時51分 公開
[平澤寿康,ITmedia]

 ひと足早く発売されたXbox 360をはじめ、プレイステーション 3やWiiなど、今年のE3は完全に次世代機が中心となる。ところで、それら次世代機を語る時に登場する技術用語、読者の皆さんは意味をきちんと理解しているだろうか。文字を何度も見て知った気になっているが、実際にはどういったものかよく分からない。そう感じている人はいないだろうか。そこで、次世代ゲーム機にまつわる技術用語を解説していくことにする。手始めに今回は、映像関連の用語をいくつか取り上げて解説しよう。

ハイデフ(High-Def/High Definition)

 他社に先駆けて世に送り出された、マイクロソフトの次世代ゲーム機「Xbox 360」。そのXbox 360のキャッチフレーズとしておなじみの言葉が「ハイデフ」だ。「ゲームはハイデフへ」というキャッチコピーも、だいぶ浸透してきているように思う。ただ、このハイデフという言葉、どうしても日本人にとっては聞き慣れないこともあってか、かなり奇異に感じることも事実だ。

 ハイデフとは、英語の「High Definition」の短縮形である「High-Def」の日本語表記だ。High Definitionを日本語に直訳すると「高解像度」または「高品位」。つまりハイデフとは、高解像度映像のことを指すわけだ。実際にアメリカをはじめ海外では、高解像度映像のテレビ放送(高品位テレビ放送)を「High Definition Television(HDTV)」と呼んでいる。Xbox 360は高解像度グラフィックを特徴としているため、米国などではHigh Definitionの短縮形であるHigh-Defをキャッチフレーズとしており、日本でもその言葉をカタカナにした”ハイデフ”がキャッチフレーズとして使われているわけだ。

 それに対し日本では、高解像度映像のことを「ハイビジョン」と呼ぶことが普通だ。これは、NHKが1989年にBSで開始したアナログ方式の高品位テレビ放送(正式には「高精細度テレビジョン放送」)を「ハイビジョン放送」という愛称で呼んだことが始まりだが、日本ではその愛称が定着し、それ以降高品位テレビ放送はもとより、高解像度映像自体も”ハイビジョン”と呼ぶようになった。そのため、我々日本人が”ハイデフ”という言葉を聞いてもピンとこないわけだ。逆に、ハイビジョン(High Vision)という呼び名は海外では全く通じない。

 海外での“ハイデフ”と、日本での“ハイビジョン”は、呼び名だけでなくその方式にも違いがあるが、その映像クオリティには大きな違いはない。基本的には、走査線数が1125本(うち有効走査線数は1080本)で、縦横比率(アスペクト比)が16:9の映像を指すことがほとんどだ。ただし日本では、「走査線数750本(うち有効走査線数720本)で順次走査(プログレッシブ)」(720pまたは750pと表記する)および「走査線数1152本(うち有効走査線数1080本)で飛び越し走査(インターレース)」(1080iまたは1125iと表記する)の2種類が高精細度テレビジョン放送として定義されている。それに対し、通常のアナログテレビ放送は走査線数525本(うち有効走査線数480本)で縦横比率は4:3となっており、海外では「Standard Definition Television(SDTV)」(480iまたは525iと表記する)と呼ばれている。

 ちなみに、海外で使われている「High Definition Television」という言葉だが、実はNHKが開発したアナログ方式の高品位テレビ放送(アナログハイビジョン)の伝送方式である「MUSE方式」を世界標準とするため、国際標準化団体に提唱するときに作られた言葉で、「高品位テレビ」を英訳したものなのだ。つまり、High Definition Televisionという言葉自体も日本発なのである。そう考えると、「ハイデフ」は逆輸入の言葉と言っていいかもしれない。

フルHD

 「フルHD」という言葉には、明確な定義が存在しているわけではない。もともとは、1920×1080ピクセルの表示能力(解像度)を持つ表示デバイスを採用したテレビが発売される時に、それよりも解像度の低い表示デバイスを採用するテレビと差別化するために作り出された言葉のようだ。

 また、いわゆるハイビジョン映像として定義されている映像信号の中で、最も高精細なものを指すこともある。ハイビジョン映像として定義されている映像信号は、先ほど紹介した「720p」と「1080i」の2種類に、走査線数が1125本(うち有効走査線数1080本)で順次走査(プログレッシブ)の映像信号(1080pまたは1125pと表記する)を加えた3種類がある。この3種類の映像信号のうち、1080pをフルHDと呼ぶわけだ。

 ハイビジョンテレビとして販売されている液晶テレビやプラズマテレビで、1080pの映像信号を劣化させることなく表示させるには、水平解像度1920ピクセル、垂直解像度1080ピクセルの解像度を持つ液晶パネル・プラズマパネルが搭載されている必要がある。そして、実際に「フルHD対応」と表記されて販売されている液晶テレビやプラズマテレビでは、1920×1080ピクセルの解像度を持つ液晶パネルやプラズマパネルが利用されていると考えていい。

 ただし、フルHD対応と表記されていても、1080pの映像信号の入力(D5入力)に対応していない製品もあるので注意したい。特に、プレイステーション 3では1080p出力がサポートされることになっているので、テレビ購入時にはしっかりと確認しよう。

 ちなみに、地上デジタル放送やBSデジタル放送で放送されているハイビジョン放送のほとんどは、1080iの映像信号で放送されている。しかし、インターレースのため、実際の垂直解像度は1080の7割程度となる。つまり、垂直解像度が約750ピクセル以上あるテレビであれば、ハイビジョン放送本来の画質を失うことなく表示が可能なのだ。もちろん、720pの映像信号であれば垂直解像度が720ピクセルあれば足りる。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2503/21/news163.jpg Koki,、豪邸すぎる“木村家の一室”がウソみたいな広さ! 共演者も間違えてしまうほどの空間にスタジオビックリ「コレ自宅!?」「ちょっと見せて」
  2. /nl/articles/2503/20/news012.jpg 底なし食欲モンスターがいる池の水を、全部抜いてみたら…… 思わずブチギレた異様な光景に「半端ない」「複雑ですね」
  3. /nl/articles/2503/20/news026.jpg プロが本気で“アンパンマンの塗り絵”をしたら…… 衝撃の仕上がりが550万再生「凄すぎて笑うしかないw」「チーズが、、、」 話題になった作者に話を聞いた
  4. /nl/articles/2503/22/news012.jpg 「ワークマン商品で1番使ってる」 2500円で買える“多機能バッグ”に反響続出 「これはすごく重宝します」「隠れた名品」
  5. /nl/articles/2503/18/news071.jpg 息子の小学校卒業で腕を組んだ34歳母→中学校で反抗期を迎えて…… 6年後の姿に反響 「本当に素敵!」「お母さん、変わってない!?」
  6. /nl/articles/2503/19/news030.jpg 19万8000円で購入した超高級魚を、4年間育てたら…… ド肝を抜く“大変化”に「どんどん色が」「すごい」
  7. /nl/articles/2503/19/news019.jpg 水族館のイカに“指でハート”をしてみたら… “まさかのお返し”が190万表示「こ、こんなことあるのか」
  8. /nl/articles/2503/21/news035.jpg 白髪染めをやめていた60代女性、4年ぶりに髪を染めると…… “-5歳見え”の大変身に「すごーい!」「声がでちゃった」
  9. /nl/articles/2503/21/news031.jpg 「UNIQLO製品で一番かも」 ユニクロ新作“5990円セーター”に大絶賛の声続出 「これは買って良かった」
  10. /nl/articles/2503/21/news116.jpg マクドナルド、次のハッピーセットをWで“チラ見せ”…… “レジェンド”なキャラの正体に「激アツ案件!!」「きゃー!たのしみ」【ハッピーセットまとめ】
先週の総合アクセスTOP10
  1. 雑草ボーボーの運動場に“180羽のニワトリ”を放ったら…… 次の日、まさかの光景に「感動しました」「すごい食欲」
  2. 40歳・女性YouTuber「18年間、脇毛を処理していない」→“処理しない理由”語る 「脇のみならず……」
  3. 「恩師ビックリするやろなぁ」 中学3年で付き合い始めた“同級生カップル”が10年後…… まさかの現在に反響
  4. 使わない靴下をザクザク切って組み合わせると…… 目からウロコの再利用法が2500万再生「とてもクリエイティブ」【海外】
  5. ペットのカエルを土に埋め、約半年間放置→掘り返してみたら…… 「すげぇ」予想外の結末に「ほんと不思議」
  6. 「絶対当たったわこれ」→「は?」 ガリガリ君の棒に書かれていた“衝撃の文章”に「そうはならんやろ」 投稿者に当時の思いを聞いた
  7. コメダ珈琲店で「軽い食事」を注文 → 出てきた“まさかの実物”に思わず大仰天 「逆詐欺ですね」「軽食という名の主食」
  8. 最恐雑草“ヤブガラシ”根元をハサミでチョキッと切ると…… “驚愕の結末”に「すごい」「知りませんでした」
  9. 「笑い過ぎて涙が」 小学生次男、宿題で先生に不正を疑われる→まさかの原因が530万表示 「じわじわくる」 投稿者に話を聞いた
  10. 大阪梅田駅で撮影された“奇跡のような光景”に「今まで見たことない」「本当に贅沢な眺めだ」 全ホームにマルーンカラーが整列
先月の総合アクセスTOP10
  1. 最初に軽く結ぶだけで…… 2000万再生された“マフラーの巻き方”に反響「これは使える」「素晴らしいアイデア」【海外】
  2. コメダ珈琲店で朝、ミックスサンドとコーヒーを頼んだら…… “とんでもない事態”に爆笑「恐るべし」「コントみたい」
  3. パパに抱っこされる娘、13年後の成人式に同じ場所とポーズで再現したら…… 「お父さん若返った?笑」「時止まってる」2人の姿に驚き
  4. 和菓子屋で、バイトの子に難題“はさみ菊”を切らせてみたら……「将来有望」と大反響 その後どうなった?現在を聞いた
  5. 古いバスタオルをザクザク切って縫い付けると…… 目からウロコの再利用に「すてきなアイデア」【海外】
  6. 「14歳でレコ大受賞」 人気アイドルがセクシー女優に転身した理由明かす 家族、メンバー、ファンの“意外な反応”
  7. 希少性ガンで闘病中だったアイドル、死去 「言葉も発せないほどの痛み」母親が闘病生活を明かす
  8. “きれいな少年”が大人になったら→「なんでそうなったw」姿に驚がく 「イケメンの無駄遣い」「どっちも好きです!笑」
  9. ドブで捕獲したザリガニを“清らかな天然水”で2週間育てたら…… 「こりゃすごい」興味深い結末が195万再生「初めて見た」
  10. 芸能界引退した「ショムニ」主演の江角マキコ、58歳の近影にネット衝撃「エグすぎた」 突然顔出しした娘とのやりとりも話題に